この二つのニュースは、日本の社会の根底にある共通の体質の問題で、基本的には同じ問題だと思う。
どちらも決められたことを、「ちゃんと守らなかった」ために生じた問題である。
そして、表に問題として現れなかったら、いつまでも続けられたと思う。
高校の必修科目問題は、あえて説明する必要もないと思うが、消費者金融の話は、利息制限法の上限を超える「灰色金利」の今後の返還要求に備えて、引当金を積み増したため、各社が赤字になったというのである。
その積み増し額が、半端な額ではない。
アコム3600億円、アイフル2300億円、プロミス2100億円である。
こんなに大きな額を何年にも亘って、ごまかしてきたということである。
この二つの業界だけではなく、先日までは保険業界でも同質の問題が指摘された。
見つからなければ、法の網の目をくぐって不当な利益を得たい。横の誰もがやっている。みんなで渡れば怖くないの日本的な考え方である。
日本は決められたことを「ちゃんと守らない」のが常識?になっているが、例えばアメリカではこんなことが「ちゃんと守られていて」驚いたことがある。
アメリカでも、通勤時間帯の高速道路は渋滞する。その緩和対策として、二人以上での相乗りが推奨され、二人以上乗っている車だけが追い越しレーンを走ることが出来る。
どんなに混んでいても、一人の車は追い越しレーンには入れない。これは当然のこととして守られている。
二人以上乗っている車が追い越しレーンに入ることが出来るのは、どこからでもいいのではなく、入れる場所が決められている。
そこまでは、たとえ二人以上乗っていても渋滞したレーンを走るのである。
直ぐ横に空いている追い越しレーンがあり、障害物は何もなくても、「決められた入れる場所」を守る。
若し、日本で同じルールがあったとき、そのような光景はとても想像出来ない。
アメリカでは、フェアは生き方の基本である。
ゴマカシに対しては、べらぼうな罰則規定がある。
日本もゴマカシて得をする社会から、「決められたことはちゃんと守る」方向への転換を考え、実行に移す時期に来ていると思うのだが。