CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

時は来たれり

2022年03月19日 | CSN&Y

流浪の身に時はくる

落ち着いていても時はくる

起こされるかの様に光がさす

赤ん坊を直ぐに抱えなさい

この古ぼけた世は未だにぐるりと回っている

不思議と高い木は決して地を這わない

時は来たれり

世の中相変わらず平々凡々と過ぎ去るけどその中に何か意味があるのかも、そろそろ流されずに生きてみたらどう?って歌っている様な気がする。

ニール・ヤングの1978年の11枚目のスタジオ・アルバム、Comes A Time。

(ニコレッタ・ラーソンのハーモニーもバッチリ決まっている)

前作、American Stars N Barsでのクレイジー・ホースのノイジーなエレクトリック・サウンドは何処へ?

そうスイッチを入れる時が来た。

全編カントリー・フレイバー溢れるアコースティック・サウンドによる癒しの時間へと。

一旦落ち着いて周りを眺めてみなよ。

そうすれば何か見えてくるかも。


特別な何か

2021年12月06日 | CSN&Y

ニール・ヤングがバッファロー・スプリングフィールド解散後の1969年に出した初のソロ・アルバム、Neil Young。

ライブなんかでよく知られたThe Lonerが収録されているが、全体的には地味目なアルバム。

歌っている意味がわからなくとも、またユニゾンで歌えるような印象的なメロディー・ラインではなくともこの人が歌うと何故か惹かれる。

誰が聴いても一発でわかる特徴のある声による哀愁を帯びた歌唱。

やっぱりこれが売りなんですね。

ジャケ裏の小文、適当に訳すと

オイラがパーム・ツリー切っていると、ひとりの友人がやって来てもし伐採を手助けすりゃ孤独は感じないかどうか尋ねた。

オイラは言ってやった、いいや、孤独の世話のために俺たちここにいんるんじゃ無いだろう!オイラは87年の間このパーム・ツリーに関わってきたんだ。

奴は言った、失せろ!ってそして乗って来たキャデラックに歩を向けた。

オイラはパーム・ツリーを切り倒すとそれは奴の背中に落ちた。

NY

一体何のこっちゃ?

 


秋も深まり、その2

2021年10月13日 | CSN&Y

ニール・ヤングは非常に振幅の激しいミュージシャンで彼の音楽活動は一言では表しきれない多彩な面がある。

時にアコギ片手に穏やかな弾き語りかと思いきや、次のアルバムではバンド・サウンドでエレキをギンギンに弾きまくることも。

1995年パール・ジャムを従えてグランジ・ロック系のMirror Ball、そして翌年にはクレイジー・ホースの面々といつものハードなエレクトリック・サウンドを展開するBroken Arrow世に出す。

その4年後の2000年、Silver & Goldなるフォーク・ロック系のアルバムが登場。

やっぱり静かな秋の夜長を過ごすにはグランジ・サウンドではちょいと無粋かな。

ここは過去の良き思い出を振り返るが如く、穏やかなサウンドがおすすめ。

水割り片手にこのアルバムを聴けば、気分は更によろし~ 

秋も深まり、静かに飲む。

って言うか、単にお酒が飲みたいだけじゃないの?

歌詞カードを見ていると、曲全般は1998年から2000年にかけて作られた様だが、中には80年代に作られた曲も。

タイトル・チューンのSilver & Goldなんか1982年作で、この曲を世に出すためにこのアルバムが作られた様な気がして...

Silver & Gold

毎日一生懸命働き

時間がどうやって過ぎていくのかも気づかずに

人はやってきて、季節は過ぎ去る

だけど、俺たちは決して衰えない何かを持っている

太陽が輝かなくても、そして雨が降り続けようが気にしない

だって、俺たちの愛ってやつは決して滅びないからね

銀や金より素晴らしいのさ

......

染みるね。あの〜、水割りおかわり

 

 


今宵この夜

2021年08月25日 | CSN&Y

バンド・メンバーのダニー・ウェットンとローディーの一人がドラッグのオーバー・ドーズで死去した。

その追悼アルバムとして1973年Tonight’s The Nightは録音されたものの、レコード会社からなその暗さにダメ出しされたのかしばしお蔵入り。

そして1975年、ニールの8枚目のアルバムとしてようやく日の目をみることになることに。

確かにモノクロ仕立てのジャケ・デザインは暗さを感じるが、いざ聴いてみるといつものニール節。

因みにこのアルバムにはドラッグで死去したダニーが存命中のライブ録音のCome On Baby Let’s Go Downtownという曲でボーカル取っているのだが、Sellin’ Stuffってドラックの売り買いを思わせる言葉が歌詞に登場し、この曲を取り上げたのはニールに一体どんな意図があったのか…

ここは深掘りせずにただニールの繰り出すロックにただ身を委ねるのがいいのかもね?


ニールの静と動

2021年04月21日 | CSN&Y

2006年に出たニール・ヤングのアルバムが、Living With War

(ジャケはアメリカの小さな食料品店でもらうような紙の袋に名前とアルバム・タイトルが印刷されたシンプルなもの)

前年に出たアルバム、Prairie Windはフォーキーで穏やかなニールだった。

雑誌でふと見たイラク戦争での傷ついた帰還兵達の写真に衝撃を受け、その時の衝動がこのアルバムの制作をさせたそうな。

2003年イラク戦争を始めたブッシュ政権に対する批判を歌にしたものがこのアルバムに収められた。

穏やかな気分ではないニールのサウンドは静から動に変わり、独特の歪んだエレキ・ギターを中心としたシンプルなロック・サウンドがこのアルバムの骨格に。

ニール曰く、これがプロテストなメタル・フォークなるものだそうだ。

I'm Living War EverydayDon't Need No More LiesLet's Impeach The President For Lyin’とかLooking For A Leader To Bring Our Country Homeなどと辛辣で政権批判的な歌詞が全編を通して続き、なんとなく皮肉っぽさを表したのか子供達を交えたアカペラ・コーラスのAmerica The Beautifulでアルバムの幕が閉じる。

もちろん戦争はダメだってことは重々理解しているが、実際アメリカで生まれそして暮らした経験のない者が軽々しくこのアルバムについてああだこうだと語るのもなんだか違うような気がしてならない。

これは長年海外で仕事をしてきて、大人の事情から訪れた国の政治について決して知ったかぶりで語るなってその道の先輩からの教えがずしっとその身に焼き付いているから。

こんな時は歌詞にどっぷりと深入りしないで、動のモードに入ったニールのエレクトリック・ビートをただただ追いかけて楽しむだけ。

またいつかPrairie Windが吹くから...


シングル・ヒット狙ってません。その2

2021年01月11日 | CSN&Y

このお方も全くと言っていいほどシングル・ヒット狙ってませんね。

御歳75歳になっても創造意欲は衰えずガンガン新作を世に出し続け、こっちが付いていけなく置いてきぼりの状態。

そうニール・ヤングさんです。

所属レーベルのリプリーズも売れ行き関係なしにもう勝手にやってよ! とお手上げ状態の放し飼い。

ニールの場合、彼の作風は大まかに分けてカントリーやフォーキーな郷愁を誘う癒し系サウンドとクレイジー・ホースを従えて歪んだ爆音ギターを引きまくる二通りに別れる。

もちろん細かく言えば、かってテクノ打ち込みとかジャズ調の奥の細道に入り込んだこともあるが…

今回は従来と一味違うニールが味わえる2002年に出したアルバム、Are You Passionate?

Booker T & MG's をバックに60年代R&B調に仕立てられている。 (ただし2001年の9月11日に起こったテロに関するLet's Rollとクレイジー・ホースがバックのGoin’Homeだけは従来のロック・サウンドで例外となるが)

その効果なのか2曲を除いてはニールにしては全編何となく明るさを感じられる摩訶不思議なアルバムではないか!

コロナ感染拡大で空虚で閉塞感漂う今日この頃であるが、早くこの苦境に打ち勝ち再び明るい気持ちで青空を眺めてみたいものだ。

(ゲート・ホールド・ジャケの内側は全面青空!)

何事にも情熱を持って生きていける生活を取り戻したいね。

Are You Passionate?

Yes, I am. キリッ!

てな感じでね。


ニールのAmerican Stars N Bars

2020年12月17日 | CSN&Y

本日はニール・ヤングが1977年に出したアルバムのタイトルがAmerican Stars N Bars。

Stars And Barsと言えば、18世紀リンカーンの奴隷制度廃止が引き金になって黒人の労働力に大いに依存していた南部の7州がそれに不満を持つ事によってアメリカより独立宣言し、アメリカ連合国を建国した際作られた国旗の事。

そのデザインは左上のブルー長方形に連合した7州と同じ数の星が描かれ、残りの部分には赤白赤と交互で横向きに描かれたバー3本が描かれている。

(Stars And Bars)

(初期の頃の合衆国星条旗、Stars And Stripes)

そして南北戦争に突入するも、北軍の掲げる国旗は星条旗(Stars And Stripes)で、両者の掲げる旗がよく似ているためアメリカ連合国は別のデザインの旗(赤の下地に濃紺色のX型十字に星が描かれた)を軍旗にしたそうな。

(レイナード・スキナード御用達、ご存知南軍旗、Battle Flag)

それからアルバムの内スリーブにLyndon Johnson Bared His Scares, American... Stars N Bars (リンドン・ジョンソンは彼の傷をさらけ出したと言う意味だろうか?)と記されている。

60年代、アメリカ合衆国副大統領だったリンドン・ジョンソンはJ.F.ケネディ暗殺の後大統領に就任し、南部テキサス出身だったにも関わらず、人種差別を無くす公民権法制定に尽力したことから、当時党派関係なしに南部出身議員からかなり恨まれたそうな。

この辺りは2016年の映画“LBJ ケネディの意志を継いだ男”を鑑賞すればある程度状況が把握できるのではないかと...

政治絡みを感じさせる大仰なアルバム・タイトルはなんとなく小難しい先入観を感じさせるかもしれないが、いざ聴いてみれば、ロック系の代表曲Like A Hurricane除けば、ニールとしては癒し系カントリー・アルバムの類だと言える。

いつものクレイジー・ホースの面々に、スティール・ギターを弾く盟友ベン・キースやバック・ボーカルにリンダ・ロンシュタット、ニコレッタ・ラーソンにエミルー・ハリスらを起用する事によってリラックスしながらもしっかりした演奏となっている。

ただ、4回の異なる時期に行われたセッションからの寄せ集め的な収録のため、アルバムとしての統一性は今ひとつ感じられない。

ジャケのアート・ワークでは満天に星々が光輝くころアメリカの何処かのバーでぺしゃんこになって酔い潰れているニールのお姿が!

これこそがAmerican Stars N Barsだったりして...

まあ、あまり深く考えないで鑑賞するほうがいいのかも。

(裏ジャケのアート・ワークはアメリカン・インディアン、黒人だけでなく彼らも公民権運動に参加していた)


そんなん言われても、知らんがな〜

2020年10月16日 | CSN&Y

ネットのニュースによると、元バーズやCSN&Yのメンバーだったデビッド・クロスビーに対してバン・ヘイレンのファンから苦情が殺到したそうな。

あるファンがクロスビーにバン・ヘイレンの音楽的な才能について質問され、彼はMeh(別に)ってそっけなく答えてしまい、SNSなどで尊敬の念が無いとか憐れみの心を持っていないなどとこっ酷く叩かれた。

またジミー・ヘンドリックスがギターの世界を変えたのであって、バン・ヘイレンはNot For Meとも言ってしまい油を注いでしまった。

その後さらなる炎上を抑えるため、クロスビーはMehって言ったのは確かにクールじゃなかったと謝罪。

そしてエドワード・バン・ヘイレンが亡くなったことはその時点で知らなかった、またそもそも彼らとは活動するリーグとは全く違うことから、それほど関心を持っていなかったなどと釈明をしたらしい。

60年代半ば頃からクロスビーはバーズに在籍しビートルズなんかも結構影響を受けていたとされるフォーク・ロックをなるものを広め、後にスティーブン・スティルス、グラハム・ナッシュとニール・ヤングらとスーパー・グループ、CSN&Yを結成しそれを更に進化させ、非常に大きな影響をロック界に与えたと思う。

てなことで、本日はクロスビーのロック界での長年の偉業を称えるため、CS&Nの1969年のデビュー・アルバムでも。

(仲良し三人組。でもないか?)

1曲目のJudy Blue Eyes(青い目のジュディ)でぶっ飛びますね。ごまかしの効かないアコースティックの演奏をバックに革新的かつ圧倒的なコーラス・ワーク。続くMarrakesh Express(マラケッシュ急行)やサイドー2の1曲目Wooden Ship(木の舟)などなど聴き処満載。

バン・ヘイレンは確かに偉大なハードロック・バンドだけれど、彼らがバン・ヘイレンと名乗り活動をし始めた14−5年前から既に第一線で活動してきた人に対して個人的な事情をよく分からずに集中砲火を浴びせるのもリスペクトが感じられなく、何だかな〜…

私なら、そんなん言われても、知らんがな〜 って言っちゃうかも。

出来るなら天国にいるジミー・ヘンドリックスにどう思うか聞いてみたい気もする。

地味変:呼んだ?

お呼びでない!

(1971年、再発UK盤です。)


いつまでもMost Underrated Guitaristって言わせない!

2020年09月21日 | CSN&Y

スティーブン・スティルス居るところにニール・ヤングありとなんて個人的に思っている。

バッファロー、CNS&Yさらにはスティルスーヤング・バンドなるものまで結成。多分ニールはスティーブンのギターの旨さに惹きつけられていたのかも?な〜んて勝手に想像。

残念ながら、一緒にやると意見の相違などがあってどのプロジェクトも長続きしなかったのだが…

アル・クーパーとマイク・ブルームフィールドのプロジェクト、スーパー・セッションではスティーブンのギターが唸りスゲーの印象だったが、何故か彼のギタリストとしての一般的な評価がさほど高くないのが非常に残念。

(まさかのSQ盤!)

CNS&Yのスタジオ・アルバムでは4名の個性を満遍なくアルバムに散りばめ、バンドとしてスティーブンのソロ・ギターを特に売りにしていなかった。

スティルスーヤング・バンドでは、Long May You Runなどニール作曲のフォーク調な曲だけ目立ち美味しいところを全てニール持って行かれてしまい、期待された派手なギター・バトルもなくまたスティーブン作の曲も地味だった。

そんなイマイチなイメージがこれまでずっと付きまとったのではないかと…

本日はフラストレーションを溜め込んだスティーブン・ファン以外の貴方にもぜひ聴いてもらいたいアルバムがコレ!

1975年に出たライブ・アルバム、そのタイトルもシンプルなStephen Stills Live。片面がエレクトリック・サイドと称されエレキ・ギターを弾きたおし、その裏面はアコースティック・サイドではアコギ一本のソロ。

エレキの場合はエフェクターやトーン・アームを使って音を加工することによってライブでもそれなりに聴かせることができるが、アコギの場合は誤魔化しの効かない腕一本の一発勝負。

さてさて、ギタリストとしての評価上がりましたでしょうか?


既視感

2019年12月13日 | CSN&Y

1969年のLed Zeppelin IIを思い起こさせる様な既視感溢れるレトロチックな写真が貼り付けられたジャケット。 

確かにそうだ。

1970年発売のCNS&Y、4人揃い踏みのアルバムのタイトルが既視感、Déjà vuだから。

 

初めて訪れた場所にもかかわらず、以前に見たことがある様な風景に驚く様な事がたま〜にある。 

このアルバムも、初めて聴いたときそんな風に感じるかも。 

そう、Byrds、HolliesそれにBuffalo Springfieldなんかを聴いていれば特にそう感じるかも知れない。 

音楽的には各々のメンバーがかって所属していたバンドでの芸風を更に昇華させた集合体がこのアルバムの本質ではないかと….. 

また反対にディランが後に出した1973年のサントラ、Pat Garret & Billy The Kidに収録されたKnockin’ On Heaven’s Doorを聴いてニールのHelplessを思い浮かべる事もある。

 

色々なものに繋がることによって既視感をより強くさせている不思議なアルバムと言える。

We have all been here before

以前ここに来た事がある。


真夏の夜を穏やかに

2019年08月12日 | CSN&Y

先日忘れた頃にやって来る癒しのサウンドとしてニール・ヤングのHarvest Moonを取り上げたところ、こんなのが新譜で出ていたのを発見!  

1973年、アラバマ州タスカルーサ市の会場でライブ録音された音源がアーカイブ・シリーズで甦った。

アルバムのタイトルは、Tuscaloosa。

 

 

出し物はStray Gatorsをバックに、過去のアルバム、Neil Young、After The Gold Rush、Harvest、Time Fades AwayにTonight’s The Nightから満遍なく選曲されたもので、アコースティックなバンド・サウンドによる穏やかなフォーク・ロック・サウンドが堪能できる。

懐かしさのあまり、無意識にも通販のボタンをポチッと。 

 

個人的には今まで聴きたかった彼の作品のちょうどど真ん中を射抜く様な選曲とアレンジに久々に心を輝かせたって感じで…. 

長〜い年月を経て何故か急に登場したんだけれど、こんな音源があれば当時に出してくれればね〜 

Keep Me Searching For A Heart Of Gold〜♪ 

And I’m Getting Old〜♪ って感じの心境ですかね。


忘れた頃にやって来る癒しのサウンド、Harvest Moon

2019年07月30日 | CSN&Y

アコースティックなサウンドによる穏やかなフォーク・ロックと思いきや、ディストーションの掛かったエレキ・ギターを掻き鳴らす。 

ウナギのようになかなかつかみ所のないこのお方、ニール・ヤング。 

彼は1992年にアルバム、 Harvest Moonを出す。

 

20年前の1972年に出た大ヒット・アルバム、Harvestの第二幕とも言われている穏やかなフォーク・ロック調のアルバムだ。

もちろんその20年の間には、1987年のComes A Time、1980年のHawk & Doveや1985年のOld Waysなど同系統のアルバムは出たのだが、このHarvest MoonにはHarvestの録音時に登場したニールのバンド、Stray Gatorsの名がアルバムに敢えてクレジットされているので本人も何か特別な思い入れはあるのかも... 

収穫の夜天頂に光り輝く月の下で、20年の時を経てもう一度あの日に帰ったみたいに君と愛を語り合おうではないか。 

私のような者が、Because I’m Still In Love With You、On The Harvest Moonなん〜て歌うと、かーちゃんに何か下心があるのではないかと取られかねない。 

まあ、日本人にはチート無理な世界かな…. 

因みに本作はCrazy Horseとの共演した前作Ragged Gloryの爆音による耳鳴りを鎮めるためのリハビリみたいなもので、その次のアルバム、Sleep With AngelsではまたまたCrazy Horseと組んでガンガン爆音を披露する。 

敢えてジグザグに人生を切り開いて進んで行けるのは今やニールだけかもしれない…. 

本当に貴重なお方であります。


ニール・ヤングのZuma、我が家の地味なレコード紹介シリーズ、その十一

2017年10月02日 | CSN&Y

前回がスティーブン・スティルスとくれば、次はこのお方、ニール・ヤングとなる。

その彼が1975年に出したスタジオ・ソロ、ZUMA。


フォーク路線だったアルバム、ハーベストの頃のように爆発的に売れたわけでは無いが、当時全米25位、そして苦節22年後の1997年にゴールド・アルバムの認定を受けたので地味とは言えない存在である。

アルバム・タイトルの意味は良くわからないが、多分ニールがCortez the Killer(殺し屋、コルテス)の原曲を高校時代に作ったとき、Montezuma’s Revenge(中米でよくある下痢)にかかっていたことからZumaとつけたのではないかと考えられているらしい。

そしてこのアルバムのジャケットのデザインを見ると、中世にスペインの帆船ある入り江に到着し、まさに中米に進行しアズテック文明を征服しに来た頃を、まるで子供が描いたようなサイン・ペンの一筆書き感覚でシンプルに描かれている。


ジャケットの拙いイラストを見て、もしニール・ヤングの作品でなければ、私の感覚では、このアルバムに関してはジャケ買いの衝動は多分起こらなかっただろう。

しかしレコードに針を下ろすと、ジャケットのイメージに関する曲は得意のアドリブ・ギター・ギンギンのCortez the Killerぐらいで、残りはいつものニール・ヤング節で抵抗はまったく無い。

そのため凡人の私などは、もう少しジャケットのデザインやアルバム・タイトルなんかにも力を注げばもっと売れたのではないかといつも思う。

まあ、それが何時ものニール・ヤング。

凡人の淡い期待などいとも簡単に打ち砕く。


スティーブン・スティルスのILLEGAL STILLS、我が家の地味なレコード紹介シリーズ、その十

2017年10月01日 | CSN&Y

かっては、仕事柄、接待で客先の連中と良く酒を酌み交わしたものだ。

私の場合は、その相手が熊みたいな白人のオッサンばっかりだったので、毎回結構な量のお酒を飲んだ。

彼らと飲むときは、最初はレストランで夕食と一緒に飲む、その後気が向いたら、ホテルのバーかパブみたいなところで飲みバカ話をするのが常だった。

最初のレストランで、勘定書きをみると酒代が料理の代金の数倍になることがほとんど。

そして、日本人みたいに居酒屋に入ると取り合えずビールてなことには決してならない。

ワインも飲むが、通常ハード・リカーから始まり、ジン・トニックのダブルとかウイスキーのオン・ザ・ロックを注文しカパッ一気飲みに近い形で胃に流し込んだ後、ワン・モア・ラウンドとなる。

比較的お酒には強い方であるが、彼らと同じように飲んでいてはやっぱり体が持たない。

結局ガンマGPTの数値が高いとか、エコーで肝臓を調べてもらうと、医者から“油のってますね~、脂肪肝ですね~”なんて言われた。

それはまずいと思い、歳をとってからはお酒は控えると決め、飲み会なんかも近い親戚とか友人関係だけと絞り込み現在に至る。

おかげで、ガンマGPTなど肝臓に関する数値は、通常状態に何とか持ってこれた。

みなさんも、これから年末にかけて飲む機会が多くなるのでくれぐれもリミットを越さないようにするための何らかの工夫が必要かと。

そこで思い起こすのが、スティーブン・スティルスのソロ・アルバム。

1976年に通算4枚目のスタジオソロ、ILLEGAL STILLSを出した。


ジャケットのデザインでわかるように自身の名前と非合法の酒の蒸留所をかけたタイトルだった。

ジャケ裏のデザイン

アルバムの作風は、これと言って特に記述するような目だった曲も無く、地味というか中庸って印象で、唯一盟友のニールヤングのTHE LONERを何故かカバーしている位だろうか。

当時のスティーブンは未だスマートな体型を保っていて、近年良く映像などでよく見かけるようなブクブク体型には未だなっていなかった。

やっぱり、酒を食らって、たらふく飯を食らい、そして運動しなければ誰しもこうなるのであろう。

このジャケを見てお酒は控えめにって思い出させば、レコードをあまり聴かなくとも十分役には立つのでは無いかと思う今日この頃である。


健在なり、ニール節炸裂!

2016年09月05日 | CSN&Y

その昔、自社、他社問わず、先輩方から“出張や駐在なんかで海外に出かけた時は、その国の政治や社会問題なんかの話しにあまり首を突っ込んじゃだめだよ。”とよく言われたものである。

言論統制の厳しい国はもちろんのこと、そうでなくともやはりその手の話はご法度。

本人が正論を吐いていると思っても、その国では正論と認識されない場合もあるし、たとえ正論でも“生まれ育った国でもないお前に何がわかる?”てな事にもなりかねないので黙っているのが一番。相手に意見を求められても、“よくわからない。”と答える。

ところで、ロックの歌詞といえば、もともとカウンター・カルチャー、所謂反体制の音楽と捉えられた側面もあり、その歌詞には、政府や政治、もしくは社会全体に対して辛らつな言葉で非難したり揶揄っていることが多い。

ニール・ヤングが1970年に出したアルバム、アフター・ゴールドラッシュに収録されたSOUTHERNMANとか、1972年のハーベストのALABAMAなんて、今でも南部の諸州でのコンサートで歌うことは憚られるのではないかと。

アフター・ゴールド・ラッシュ、SOUTHERNMAN

ハーベスト、ALABAMA

後の1974年に、南部のロックバンド、レイナード・スキナードが、SOUTHERN MANやALABAMAの作者ニールに対して意趣返しのようなアラバマ州賛歌、SWEET HOME ALABAMAを出している。その後彼らがさらにもめたかどうかは定かではないが。 

レイナード・スキナードの2枚目、セカンド・ヘルピング

また、1970年、CSN&Y名義でニールが作詞作曲し、シングルのB面カットされた、OHIOと言う曲も過激だ。

これは、ある州立大学での州兵による学生射殺事件に対する政府と州政府への抗議の楽曲で、当時の大統領や州兵をNIXON(プレジデントとは呼ばすに)そしてTIN SOLDGER(ブリキの兵隊)と歌っている。

フォー・ウェイ・ストリート、ライブ盤にも収録されている

アメリカは広大で、伝統的に南北や海岸部と内陸部などで考え方が異なる。そのため、ヒットを飛ばしたとしても、それがアメリカ全土で必ずしも受け入れられているとは限らず、政治や社会に対して批判的な内容の歌は、敵を作ることにもなるので、たとえ大物のシンガーやバンドであろうとも誰しも及び腰となるのでは。

ビートルズのライブツアーでのジョンの宗教に関するちょっとしたジョークが後で大事となったからね~

まあ、特に失うものは何も無いと自覚しているかのようなカナディアンのニールだからこそ、此処まで突っ込めたのかもしれない。

そして70年代ニールは社会に対して吼えまくったわけだが…

オーッと、今尚現役、しかも敵も多い。

2015年のアルバム、ザ・モンサント・イヤーズでは、今度は遺伝子組み換え作物生産の大手モンサント社やその遺伝子組み換えでのコーヒー豆を使用しているかも知れないスターバック社に喧嘩を売っているのである。


彼の荒々しいディストーションのかかったエレキ・ギターを前面に押し出したシンプルなフォーク・ロック調の楽曲で、歌詞さえわからなければ、いつものニール。

この表題曲を聴いた後、45年以上前に出されたセカンド・アルバムの、COW GIRL IN THE SANDを聴いたが、サウンド面ではまったく違和感はない。

クレージー・ホースを従えたセカンド・アルバム

やっぱり諸先輩方のアドバイスを聞いて、部外者としては曲のメロディー、アンサンブルやリズムだけを追いかけてその雰囲気を楽しむのが無難なのかもね。

あまり深く考えれば、スターバック行けないかも…