これ、これ、これじゃないと。
やっぱりこれだよ。
5枚刃のシェーバーをワン・ストローク滑らしたが如く、ざっくりと余計な物を一掃しスッキリさわやか。
それが1989年のドゥービー・ブラザーズ再結成のアルバム、CYCLE。
トム・ジョンストンがバンドから離脱し、代わりにマイク・マクドナルドのボーカルとキーボードを中心としたR&BプラスAOR路線は、悪くは無かった。
実際、グループとしては一番売れた時期ではある。
その象徴とでも言える大ヒットしたWHAT A FOOL TO BELIEVEの軽快なキーボードのピロピロ・サウンドは、車の運転中にラジオから聴きえれば小躍りしたくなるノリではあった。
しかし何か違う。
ドゥービーといえばやっぱり、彼らの2作目、TOULOUSE STREETのからファンになった者としては、軽快なギターのストロークやカッティング中心のサウンドで無ければ何か物足らない。
サイドー1のオープナー、THE DOCTORやこれまたサイドー2のオープナー、アイズレー・ブラザーズのカバー、NEEED A LITTLE TASTE LOVEは第一期のギター・バンドのころのドゥービーそのものであった。
お馴染みのリトル・フィートのビル・ペインらをキーボードに起用しているが、前面に出てきて主張するのではなく、あくまでもサウンドの一部としてに全体的に厚みを持たせる役割に徹している。
しかしながら、人間は多少なりとも飽き易い性格が備わっているので、ある程度の周期を持って変化していかねばならない場合も有る。
ギター・バンドを続けていけば、ドゥービーとてマンネリ化を避けられなかったかも知れないので、当時アルバム、TAKE IT TO THE STREETからのAOR路線への転換は、今思えば人気を持続するためには必須だったのかも?
このアルバム・タイトルのCYCLEは、結成当時からのギター・バンド期やマイク中心のキーボード・AOR路線期経て、ギター・バンドへの再結成で、転換の周期がやって来たと言う事だろう。
博士:ワシなんか、いつもワン・パターンじゃから、周期なんて特に意識はしないがのう~
イギリスのステータス・クゥオーの様に、彼らがエレクトリック・ブギーバンドでの継続的な活動に拘るのと同じで、毎朝カレーうどんでもまったく問題ない。
しかし、毎朝カレーうどん食べたいと言うと、カーちゃんが“そんな面倒なこと毎朝できるか!”って却下するから実現しないわけじゃが。
それにカレーうどんを食べているときに、もしカレーのスープが誤って新品の白いカッター・シャツに飛び散ると朝から大変怒られることになるので、インド人以外の方々にはお勧めは出来んかのう~
助手:博士! それより、カレーうどんを食した後のおならの臭気だけは抑えいただきたいと...
The Doobie Brothers - The Doctor