一世を風靡したメロディーの美しいビージーズのフォーク・ロックも70年代を迎える頃にはその人気に翳りが出始めた。
お膝元のイギリスではその当時彼らのアルバムがチャート・インしないぐらいの売れ行きで、ドル箱だったアメリカでも何とか中ヒットを保った程度だった。
1973年の前作、Life In A Tin Canがアメリカで69位と売れ行きが更に落ち込んだ事から、レコード会社も現場になんらかの変化を加えるべく次作のプロデューサーをR&Bが専門のアリフ・マーディンに依頼し梃入れを図る。
そして完成したアルバムが、メジャー・レーベル移籍から通算10作、1974年の Mr. Natural。
(日本ではビージーズの来日記念盤として発売され、邦題は“幸せの1ペンス”だった。ジャケの写真は暖かみを感じさせる。)
残念ながら、全米チャートは178位と大幅に売上を落とし、新しい試みを使ったこのアルバムは商業的に大失敗に終わった。
しかし、このアルバムを今一度聴いてみると、少々地味に感じるかもしれないが、個人的には従来のフォーク・ロック系の芸風とは異なりビートの効いたR&Bの影響が幾らかの曲に現れる変化もしくは進化が感じられ中々素晴らしい。
これが翌年の大ヒット作、Main Courseへと繋がっていく。
このアルバムが制作されなければ、後年のディスコ・ブームに乗り遅れたのではないかと....
何事もタイミングが重要ですね。
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