高橋大輔選手の今シーズンが、今夜、終った・・・。
日本だけではなく、彼にも大きな試練を与えたようだ。
予想のできないアクシデントが続いた高橋選手の今シーズンは、
最後の「ワールド」まで、劇的な展開だった。
東電のように「想定外だ」とは、決して言いたくないが、
あまりにも予想できない結末に、やはり彼の背負った運命を
なにげなく感じてしまう。
本当に波乱万丈な人だと思うし、波がある人でもあるし、
だからこそ応援したくなる魅力がある。
今後、どのように対処していくのかが、彼の人生の正念場。
運命だって、自分で変えていけるものだから・・・
高橋選手の“今後の動向”と“あらゆる選択”に注目したい。
高橋大輔選手の今期のプログラム・・・
大震災を経験した後に、明るいマンボメドレーに完璧に乗るのは
難しい精神状態だったと思うし、とにかく昨年からの体調不備は
ワールドに向けての調整に歯止めをかけたとも思う。
そして、何よりも、本人の「モチベーション・コントロール」が、
彼には大きな課題となり、背景に影を残したように思う。
高橋選手自身は、その点をどこまで客観的に分析しているのだろう。
コアなファンとしては、この結果を「現実」として受け止めつつも、
結局パーフェクトなピアソラを観ることができなかったことは、残念だった。
やはり、(正直に言うと)落胆の気持ちは、否めない。
「もう一度、やりなおしたい」という彼の言葉に嘘はないだろう。
しかし、人生はいろいろだから、
本当に様々なことがあるのが人生というものだから、
私としては、情熱的に、且つ、冷静に、モスクワ大会を観戦した。
悩みや困難があったとしても、人によっては必要なことだと思う。
それでも、悩むことで前進していければ、このうえないことである。
実際、たった一年の時間が、パトリック・チャンの成長を促し、
元来なめらかな滑りをしていた彼に、四回転というジャンプを
与えたことによって、素晴らしい孤高のスケーターとなった。
驚異的な成長だし、驚くべきジャッジの評価点だった。
初の世界王者誕生!
20歳という年齢は、これからの安定感を期待させるようで、
現在のスケート界に衝撃を与えた高得点をたたき出した。
昨年の彼とは、全く違うレベルに、本当に驚いてしまう。
彼はジャンプ矯正機を使い、初歩的な稽古から取り組んで、
トリプルアクセルに四苦八苦した昨年とは全くイメージの違う、
四回転ジャンプのできるスケーターとして、氷上に立った。
培ってきた自信にあふれた演技は、世界王者にふさわしかった。
努力と成長と結果が、微妙に絡み合っているのだとしたら、
パトリック・チャンの来シーズンは明るいかもしれないとさえ思う。
世界選手権は、何が起こるか分からない。
他の大会以上に、各選手のメンタル面が影響することが多い。
もし、フィギュアの「天」がいるのだとしたら、それ相当の結果と
課題を与えていくものだろうから、この「ワールド」は東京開催から
モスクワに移行した時点で、一つの伏線になっていたのかもしれない。
ロシアやアメリカの代表選手のように、若手の活躍が目覚ましく、
十代の素晴らしい才能と感性を持ったスケーターと出会えることを、
今後も期待したいと思う。
大震災を氷の上で経験して、難を逃れ、避難所暮らしをした羽生選手。
日本の男子若手の代表として、来シーズンは頑張ってほしい。
見守り続ける楽しみを、ぜひとも、私に与えてほしいものである。
最後に、日本選手の台乗りが実現したことは良かったと思う。
小塚選手、銀メダル! おめでとう。
※女子も、金色の台乗りが実現。
安藤選手の久しぶりの世界女王奪還、おめでとう。