高地開催の「4CC」

2012年02月11日 | マイブーム -

標高の高いエリアでは酸素が薄く、スポーツ人にとっては、
特別の場所になる。

今回のフィギアスケート四大陸選手権でも、まざまざと
その現実が感じられた。

<コロラドスプリングス:標高1800m >
ここはマラソン選手が体力強化のため、よく合宿をする場所だ。
北米の選手の多くは、基礎トレーニングに訪れるらしい。



現在の世界王者であるパトリック・チャン選手(21歳)の
ほぼ完璧な演技は圧巻だったし、常日頃この場所で練習を
している彼の凄さがわかったような気がした。
この場所は 親戚の人も住んでいるらしく、彼にとっては
ホームグラウンドとも言える。
以前に(彼が)マウンテンバイクをしている映像をみたが・・・
これもまた かなり キツイ~~スポーツだ。
日常的にそういう基礎体力を培っているからこそ、伸びやかな
余裕あるスケーティングができるのかも・・・・・などと
おぼろげに感じてしまった。


日本の男子:三選手も善戦した。
注目されていた高橋大輔選手の演技も、また前回と違って、
少しずつ変化をしているようだ。
ジャンプの構成を違えても、音楽との連関と、メリハリのある
微妙なステップを織り込んだ表現は、他の選手にはない魅力だ。
細やかな構成が、彼の身体に 少しずつ馴染んできている。
スピート感には乏しかったが、音楽の世界観は感じられた。
思い起こせば、高橋選手は、昨年、ボルト抜きの手術をしたのに、
今季は四回転の成功率が どんどんとあがってきている。
SPで4T3Tを決めたり、演技前の練習では4Fも成功させた。
このまま術後の足がもっと回復し、本人にやる気さえあれば・・・
来シーズンは 一層 「期待ができる」 ように感じる。

総意として、四回転ジャンプがキーポイントになっているので、
どの選手もが意識して、取り入れる人はチャレンジをして、
その結果が得点にも しっかりと反映されていた。

まだ女子のフリーの結果は出ていないが・・・・
やはり高地という場所柄、フリーの後半は体力的に厳しそうだ。




余談で、「高地」で思い出したのだけれど・・・
随分前に、スイス「ユングフラウヨッホ駅」に降り立った時、
私の目の前で、日本人の若い女性が 倒れる現場に遭遇した。
彼女は現地の応急処置隊員に運ばれて行った。
それを見ていた私自身も、実は・・・・ふらふらで・・・
山岳鉄道が登っていくにつれて、徐々に集中できない状態になり、
たちくらみのように「ふらふら」「ぼぉ~」っとしたので、
本当に、マジで 怖かった。
その駅は世界中で一番高い駅だったが、そこからまだ上へ登ると、
氷河に触れられるので、私は欲深く展望台へのエレベーターに乗った。
しかし、今から思えば「よく行ったものだ」と思う。
何故なら、倒れた旅行客の女性のように団体行動ではなく・・・
私は「一人旅」だったからだ。
あの頃は、無敵の強さや精神力を持っていたように思う(笑)。

氷河は絶景だったが、短時間で降りてきた余裕のない私は、
早く鉄道が下山するのを待ちわびていた。
ふらふらの頭(意識)で、隣の人と話す気力もなく、ただ心の底で、
「早く出発して!下山して~!」と願い続けていた。
あの日の心情は、今も忘れない。

とても楽しい旅だったし、素敵な場所だったけれど・・・
急激に、高地にあがることの弊害は、とてもシリアスだった。
降りてきてから聞いた予防策は、「よく寝て、美味しい食事を食べて、
ちゃんと体力をつけて、いくべきだ」ということだった・・・。

だから、標高のある場所で、息切れする競技大会に参加するなんて、
大変なことなのだろうと予想する。

男子の皆さん、お疲れ様でした。
女子の皆さん、フリーを頑張ってね。