バスタオルに太陽の香

2012年08月01日 | 出来事 -

「暑い」、暑い・・・と、唸っている日中に、
じっくりと日光消毒されたバスタオル。

「暑い」と言いながらも、こういう良さもあるのか・・・と、
帰宅して、さっぱりした後のバスタオルに、それを感じる。

しっかりと、熱消毒されたタオルには、太陽の香りと
気持ちの良い触りぐあいがあって、私のお気に入り。

これは、ある意味で、一長一短ある内の「ひとつ」だ。

こんなところにも、地味な・・・季節感があるなんて・・・。


母への思慕を綴ったメモ

2012年08月01日 | 自分 -

若くして 亡くなった母のことを書いたメモを見つけた。
ちょうど私が介護生活中のことだが、まだ母への思慕が
高かった頃のメモだと思う。

私は、手帳を常に持ち歩き、仕事用と私用とに分け、
何かあると、すぐにメモる傾向がある。
予定や、感想、アイデア、その他、何でも・・・。

そういう膨大な捨てるメモの中から、見つけたものだ。
ルーズリーフの中に、埋もれていた。


    

    ― ― ― 以下メモより ― ― ― ―


   母が逝ってから、七年になる。
   父の世話と、自分の生活に精一杯で、実家の隅から隅まで
   これまでは 手を入れることができなかった。

   呉服箪笥には、虫よけ防虫剤を入れるだけの七年間――。
   このたび、初めて、全ての着物を開き、風通しをした。

   桜 舞い散る 春の日。
   我家を通り過ぎる風にのって、部屋中に 着物がおどった。
   まるで、五月の節句に 川にわたす“鯉のぼり”のように、
   色とりどり・・・。
   ゆらりゆらり、ゆらりゆらり・・・。


   一度も袖を通したことのない娘用の着物が幾つもあり、
   その見立ては どれも素晴らしく、私好みの色味である。
   「さくら色」と「もえぎ色」が好きだった母の好みは、
   今や、私の好みとなった。

     年月の流れを感じる。
     言葉はなくとも、伝わるものはある。
     感じるものもある。

     なんて、親不孝な娘だったのだろう・・・と、
     涙があふれた。

    
   喪服や、紋付、羽織、・・・
   一通りのものが、私用に 全て用意されていた。
   これらを準備していた時の母は、どんな心境だったのだろうと
   複雑な想いにかられる。
   説明を受ける時間もないまま、母の葬儀を迎えた・・・。


   ひとしきり、思い出に沈んでいたら・・・
   昔の若かりし頃、元気に飛び回って、
   人と会っては、高らかに笑い転げていた母の顔が浮かんだ。

   本当に魅力的な人だったと思う。


      ― ― ― ― ―  <終わり>


結局、母の葬儀には、借り物の着物(喪服)を着てしまって、
未だ母の用意してくれていた喪服は新品のままだ・・・。
なんという・・・悲劇だろう・・・。

   

今でも、母のお友達だった人と、電話でよく話をする。
大事なタイミングで(笑)、携帯にかかってくることも・・・。
私から かけることもあるが、すると「帰ってるの?」と
問われるので、言葉を失くすことがある。

過日は、久し振りに、母の親友に電話をした・・・。
懐かしかった。
最近、(家が離れているので)実家の近所の人に問い合わせて、
私が「元気か」と気にかけてくれ、しっかりと情報を得ていた。
その偶然に、二人で、笑いあったが・・・
感謝の気持ちで、それ以上のものが見つからなかった。


今も変わらず、母がつなげてくれている「縁」は、本当に
貴重なものである。

言葉がないくらい、有り難いことだ。