朝日新聞は8月5日に従軍慰安婦に関する過去の誤報について報じたが(このブログでも8月6日にこの問題を取り上げた)、さらに8月16日の社説≪日本と韓国 国交半世紀に向かって≫において、次のように主張した。
朝日新聞は今月、慰安婦問題について特集を組んだ。過去の報道の誤りをただすとともに、慰安婦問題の本質は普遍的な人権の問題であることを示した。
「普遍的な人権問題」はその通りだとしても、重大事はこの誤報が日本国民を貶めたこと。朝日が問題の焦点をすり替えて、いまなお自己の正当化を図っていることは許せない。この朝日の誤報事件は一斉に他のメディアが報じているが、面白いのは朝日に掲載される広告がそのまま朝日を糾弾する形になっていること。例えば、週刊新潮8月18日号の広告(この広告は読売にも、日経にも掲載されたから、見た人は多いだろう)。朝日も広告の掲載を断ることはできないのだろう(広告ペースを年間契約しているはず)。
さて、われわれ日本人としての関心事は、外国に広まった≪強制連行による集団強姦≫という誤報をどう是正するかである。この観点において、朝日新聞が慰安婦問題の英語版をHPに発表したことを高く評価する。各国のメディアがこのレポートをしっかり読んでくれることを望む。http://www.asahi.com/topics/ianfumondaiwokangaeru/en/
なお、この広告に掲載された「週刊新潮」の別の記事に、桜井よしこ氏の「朝日新聞は廃刊せよ」がある。同氏の寄稿は間もなく同氏のブログhttp://yoshiko-sakurai.jp/ に転載されるだろうが、その英語版に期待する。
≪修正≫上に「朝日新聞は自社に都合が悪い広告でも、広告主と年間契約しているから、掲載を拒否できないのだろう」と書いたが、間違いだった。朝日新聞は、9月4日号の週刊文春と週刊新潮の広告を拒否したらしい。その朝日新聞に拒否され、他の大手新聞には掲載された広告を下に貼り付ける。その広告の見出しは、上に掲載された週刊新潮の広告の見出しに較べて、「朝日の不名誉」という観点ではさして違いはないと思うが、朝日としては我慢の限界を超えたということなんだろう。(この部分は8月30日に加筆)
ところで、朝日にとって不都合な見出しの雑誌広告を拒否していたら、きりがないだろう。今後、文芸春秋や正論などの論壇誌も朝日の誤報問題を取り上げるだろうが、朝日はその広告も拒否するのだろうか。朝日の読者はさぞ不便になるだろう。