「支持政党なし」という名前の政党がある。この政党はまだ議席を持たないが、2014年総選挙の比例北海道ブロックで次世代の党や社民党を票数で上回っていた。そして、今回の参院選挙には全国で10人が立候補している。
≪支持する政党はどこか≫を問う世論調査では、常に「支持する政党はない」という無党派が最大多数を占めるが、その無党派層とは「政治に興味がない人」も含むが、「アベノミクスには賛成だから自民党に投票したいが、憲法改正には反対だから民進党に投票したい」というような、現状では自分の考えにピタリ一致する政党がないという人も多いのではないか。
「支持政党なし」党はまだメディアの話題になっていないが、もし注目されるようになれば、議席を獲得する可能性はかなり高いと思う。
さらに、特に支持する既存政党がなく白票のつもりで「支持政党なし」と投票用紙の比例欄に記入した場合「支持政党なし」という実在する政治団体に投票したことになるという。
では、彼らがもし当選したら、どのような政治活動をするのか。「支持政党なし」の公式サイトによると「国会に出されます全法案につき党員にネット上で賛否を計り、賛成が多数な法案は賛成、反対が多数な法案は反対、にと議員の意志はまったく無視し、党員の方々の使者となりきるつもりでございます」と、独特の政治手法を訴えている。
国会議員選挙に立候補すると600万円の供託金を納める必要があり、当選すれば返金されるが、獲得票数が一定水準に達しないと没収される。したがって、この党から現在立候補している人たちはそれなりに自信があるに違いない。知名度がない無名の人でも600万円の損は覚悟の上で、国会議員という名誉を得ることに賭けてみようという人もいるだろう。
頭がいい人がいるものだ。今回の参院選で「支持政党なし」党がどのくらい票を集めるかに注目したい。