去る12月23日(水)、老妻と共に拙宅から車で10分の湯河原温泉に行った。宿はニューウエルシティー湯河原で、楽天のサイトから予約した。
コロナ感染者が急増している時に、あえて温泉に行った理由は次の通り。
● GoToキャンペーンが中止になり、宿はすいているだろうから、感染リスクは極めて少ない。
● 無症状感染者は若い年齢層に多いと聞いている。週日なら客は引退者ばかりで、若年層は少ないだろう。
● 自宅からタクシーを利用するので、公共交通機関や送迎バスを利用しないで済む。
予想したとおり、宿は閑散としていた。懸念したのは、浴場の脱衣場と朝食バイキングの時の混雑だが、脱衣場にいた先客は二人だけ。朝食バイキングでも、テーブルは半分以上空席だったし、客は料理を取る際に透明の薄い手袋着用を求められるのなど、万全の対策が講じられていた。
「密」状態はどこにもなかった。この程度なら、温泉宿は盛り場の飲食店やカラオケ店より、感染リスクが少ない。宿泊後1週間が経過したが、今のところ爺にコロナ感染の兆候はない。
余談だが、チェックインの時、4千円(1人2千円)のクーポン券(楽天)を渡された。「えっ、GoToは終わっているはずだが」と思ったが、中止は12月28日以降であり、23日時点では終了していなかったのである。楽天さん、有難う!
ということで、コロナの件はすっかり忘れて、広々とした露天風呂で手足を伸ばし、夕食時にはワインと山海の珍味を楽しむことができた。コスパの良さにも満足。
さて、メディア情報では、「感染者の急増はGoTo事業に原因あり」という識者の見解を報じたが、果たしてそうだろうか。ニューウエルシティーの場合は、“GoToが中止になったことで、改めてリスクを実感し予約をキャンセルした客が多かったから、閑散としていた”とも推測できるから、因果関係はなんとも言えない。だが、“GoToのために感染者が急増した”という見解には疑問を感じる。
と思っていたところ、WILL2月号に掲載された「感染者急増、GoToトラベルに罪なし」の記事が目に入った。筆者は京都大学ウィルス・再生医学研究所の宮沢孝幸氏。その一部を引用する(赤字)。
・・・GoToトラベルは約4千万人が利用していますが、感染が確認された利用者は202人(11月末現在)しかいない。GoToトラベル利用者がコロナに感染する確率は一泊当たり約0.0005%。これは年末ジャンボ宝くじで三等(百万円)が当たる確率よりも低い。・・・GoToトラベル利用者の感染データが信用できないと主張する人もいますが、保健所はしっかりと感染者の行動履歴を追っています。・・・(以下省略)
爺の経験だけでは、“GoToトラベルはコロナ感染に無関係“とは言えないが、宮沢説には一定の信憑性がある。宿としてもクラスターが発生したら死活問題だから、懸命の防止策を講じている。
だからといって、“GoToを復活せよ”とは言わない。GoTo中止は国民に危機感を訴える効果があったと思うからであり、当面は拡大傾向を止めることが優先されるべきだからである。
だが、感染傾向が下火になったときは、遅滞なくGoToを再開すべきである。ブレーキを踏みつつアクセルを踏むのは至難の業だが、経済を殺すわけにはいかず、つけを後世に回すのは最小限にとどめるべきだからである。
菅首相にはこの“至難の業”を実行してもらわねばならない。頼むぜ、菅首相!
【お知らせ】今年はこれで打ち止めとします。よいお年をお迎えください。