頑固爺の言いたい放題

森羅万象なんでもござれ、面白い話題を拾ってレポートします。

懐石料理の中国式楽しみ方

2015-07-17 16:21:50 | メモ帳

入江の奥の高台にある伊豆下田東急ホテル。芝生の先に棕櫚や椰子の樹木があり、リゾート気分を演出する。つぎからつぎと大きな波が眼下に押し寄せ、岩に当たって砕け散る。このホテルのレストランは、芝生越しに入江を見おろす位置にあり、夕焼け空を眺めながらのディナーはゴージャスの一言。

その窓際の席でワインを飲みながら、家内とゆっくり懐石料理を楽しむことにした。着席したのが5時半で、それから10分ほどすると中国人と思しき十数人のグループが三々五々と目の前の芝生に現れた。男性はTシャツに半ズボンといういでたちだが、富裕層と見受けた(中国では、腹が突き出ていることがお金持ちの証しと聞いているので)。

そのグループの数人が芝生でタバコを吸い出した。

「アレレ、芝生では禁煙のはずだけど、吸い殻はどうするんだろう。芝生への出口のそばに、喫煙室があるんだけど…」と思いつつ眺めていると、いつの間にか手から吸い殻が消えている。さては草むらにポイ捨てか。

そのグループが6時きっかりにドヤドヤとレストランに入ってきた。そして、6時半ごろに食事を終えたらしく、ドヤドヤと出ていった。

えっ、もう食事終わったの? 当方はまだ懐石コースの半ばを過ぎたばかりなのに! 私の後ろの席だったから、食事の様子を見たわけではないが、われわれと同じ一泊2食の宿泊料金に含まれている標準料理を食べたはずだ。食事を急いですませ、爆買いに出かけた? (笑い)

7時すぎに食事を終えての、ウェートレスとの会話。

「さっき出ていった中国人のグループは、ずいぶん早く食事が終わったんですね」

「はい、添乗員の方から、着席したらすぐ食べ始められるように、料理を全部テーブルに並べておくように、という指示があったんです」

それで納得。中国人は料理を全部テーブルに並べる習慣があるが、それを懐石料理にも適用したらしい。

In Rome, do as Romans do. はともかく、≪郷に入りては、郷に従え≫という諺は中国から伝わったのではないかな。まぁ、どうでもいいけど。

Enjoy Japan, anyway!!


「法令遵守」無視のマンション管理会社 前編

2015-07-11 17:49:22 | メモ帳

私が住むマンションの管理費は、他のマンションに較べてかなり高い。昨年の管理組合総会の席上、私は管理会社に管理費適正化を求めることを提案したが、却下された。その後、管理費を削減する具体案を理事長および他の理事に文書で提出したが、返事なし。

そこで、別のアプローチを考えた。それは管理会社に当マンションの管理費が高いことを示すデータを提供し、管理費削減策を提案してもらうというもの。そのデータが別の管理会社が管理するマンションのものでは比較分析が難しいから、当マンションの管理会社である大成有楽不動産株式会社(以下、大成)が管理するマンションを対象に選ぶことにした。

そこで選んだのが、大成グループの看板ブランド「オーベル○○」のマンション。○○の中には地名が入る。オーベル・マンションなら管理システムや経費項目が当マンションと共通だろうから、比較分析が容易のはずだ。

中古マンションのネット広告から集めた23件のデータを専有面積別に整理して、当マンションと対比した管理費比較一覧表(以下、「一覧表」)にまとめた。出来上がった「一覧表」は、当マンションと「オーベルM」(同じ町内にある)だけが、他のマンションより管理費が2割から4割高いことを示している。私の区分を例にとるなら、「一覧表」の平均より6,500円(月額)高いから、削減策を検討するのに十分な額である。

格差の原因については、理事会に管理費削減の提案書を提出したこともあり、なにをすればいいのかおよその見当はついている。その半分以上は大成の懐が痛まないものだが、全部ひっくるめて大成に提案させることに意義がある。例えば、駐車場使用料値上げ案は大成側の損益には無関係だが、組合理事会が握り潰しているので、これを大成に勧告させて理事会に圧力をかける狙いがある。

総会開催の1ヶ月前に、≪来る総会で「当マンションの管理費を他のマンション並みに下げる具体策を御社に提案して頂きたい」と発言するつもりだ≫と書いた書状にこの「一覧表」を添えて大成に送付した。発言の事前通告であるが、大成が自発的に管理費削減案を総会で発表してくれるかも知れないという期待感もあった。

総会の当日、議長(組合理事長)は大成が作成した次期予算案を示し、出席者の承認を求めた。そこに示された管理費は従来と同じである。そして、大成からなんのコメントもない。そこで、私は≪予算案に賛同しかねる。理由は定額委託業務費(後編参照)に疑問があるからだ≫と発言し、用意してあった「一覧表」を出席者全員に配布した。そして、≪当マンションの管理費は「一覧表」によって明らかなように、大成が管理する他のマンションより平均3割高いが、その差は定額委託業務費(以下、委託費)が高いことに起因する可能性がある≫と発言した。

これに対する大成のマンション管理部長の反論を≪≫内に示す。

≪ほかのマンションが安すぎるのだ≫

自社を批判するのか? 「開いた口がふさがらない」という表現は、こういう時に使うのだろう。自社の批判は別としても、他のマンション(22件)の管理費が「安すぎる」のではなく、当マンションと「オーベルM」が高すぎると判断するのが常識ではないのか。

≪「オーベルX」はグレードが低い≫

大成グループが建設・販売・管理するマンションをけなすのか。そもそも、マンションのグレードと管理コストは無関係だ。

≪「オーベルY」は駐車場運営コストが安い≫

中にはそういう物件はあるだろう。それは除外して構わない。

≪管理費はマンションの戸数によって変わる≫

その通りだから、「一覧表」の対象を戸数80以下、30以上の物件に絞った(当マンションは45戸)。

≪守秘義務があるから、顧客の情報は開示できない≫

特定の顧客の情報を求めてはいない。大成に期待することは、22件の中から当マンションに近い条件のものをいくつか選び、その経費構成を当マンションと比較して適正モデルを想定し、当マンションの管理費をそれに近づけるにはどうしたらいいか、提案してもらうことである。

端的に言って、どの反論も的外れだ。十分な時間的余裕を与えた結果がこれなのか。私が事前に渡してあった「一覧表」には目もくれなかったと想像する。

さて、「マンション管理の適正化に関する法律」第2条によれば、「マンション管理士とは、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者をいう」とある。これがとりもなおさず管理会社の重要な役割であるはずだし、担当者S氏はその「マンション管理士」である。私の要請は、大成にこの条文通りの役割を果たすことを求めているのだが、大成は拒否したのである。

一方、大成建設のホームページには、大成グループが社会的責任を果たすための行動指針を掲げており、その第3章に「適切な情報開示」がある。私の要請はこれに該当するはずだが、大成は「開示」どころか隠蔽しようとしている。

そして、当該行動指針に掲げられた「法令の遵守」とは、社内ルールも含む概念だと規定している。したがって、大成担当者はこれにも違反していることになる。

話を総会に戻す。議長は私の説明と大成の反論を聞いてから、「では決を取ります。予算案に賛成の方は?」と発言し、私を除く全員が賛成して、予算案は原案通り可決された。私が、現行管理費が高いことを実証したにもかかわらず、そして大成のお粗末な反論を聞きながら、なぜ組合員は予算案原案に賛成したのか。これについては後編(下へスクロール)で説明する。

注 オーベル・シリーズは当マンション竣工後、間もなく始まった。

 

 


「法令遵守」無視のマンション管理会社 後編

2015-07-11 17:35:17 | メモ帳

現行管理費が高いことを認識しながら、出席者が予算案を原案通り承認した理由は、議長の態度から議長が原案通り可決されることを強く望んでいることを全員が感じ取っており、長年組合の実力者として君臨してきた議長に反旗を翻せるような場の雰囲気ではなかったからだ(昨年の総会も同様。このブログ2014年6月23日の「理性を見失ったマンション管理組合」参照)。

そして、当組合は一種のムラ社会であり、組合員は多数派に組みする(つまり理事長に迎合する)ことが平穏無事に過ごす秘訣だと考えているのだ(その本音を私に漏らした組合員もいる)。そして、大成はこの組合の特性を熟知し、利用しているのである。

ではなぜ、理事長は管理費削減に否定的なのか。それは、今に始まったことではなく、2年前から続いている。また、大成の情報隠蔽体質はそれ以前から続いていることなのである。

そこで、時を2年前に巻き戻す。私が2013年春に当マンションに入居した時、私の区分の管理費は月額24,670円で、近辺のマンションと較べると1万円以上高かった。たまたまその時に目にした「マンション管理&修繕ガイド」(ダイヤモンド社)によれば、定額委託業務費(以下、委託費)を大幅に―25-35%―削減した例が多数あるという。どうやら当マンションも委託費(当時、年額約900万円)に問題がありそうだと判断し、総会の席上「委託費が高い」と発言した。

委託費には、現場の常駐者や清掃担当者の人件費、事務費、機械式駐車場等の設備管理費などが含まれ、管理費予算の5割~6割を占める最重要費目。予算案ではその明細は開示されない場合が多く、総額だけが記載される。他のマンションの管理費は販売広告から知ることができるが、その中に含まれる委託費の金額はまったくわからない。さらに、その総額を知ってもそれが適正なのかどうかの判断が難しい。例えば、機械式駐車装置の点検回数が多ければそれだけ委託費は増える(このブログの5月11日投稿「機械式駐車装置の損益計算」参照)。しかし、その点検回数が適正なのかどうかとなると、基準がないから判断できない。

ともかく、委託費は組合員にとっては分かりにくい存在であり、管理会社からすれば余剰利益を隠す余地があるブラックボックスなのである。

基本的には、企業がいくら儲けようと自由だ。しかし、上述のように、管理組合には委託費の金額が適正なのかどうか調べる手立てがないから、管理会社が提示する金額をそのまま信用するしかない。当管理組合も、それまで「大成は大手企業だから、理不尽なことをするはずがない」と信じきっていたらしい。

だからこそ、管理会社は顧客の信頼に応えるべく、良識をもって節度ある委託費を設定すべきだが、大成にはその良識と節度が欠けていた。

私があまり騒ぎたてるので、最初は値下げ交渉に否定的だった理事長が他の管理会社から相見積もりを取るなどして大成と交渉した結果、委託費を約2百万円下げさせることに成功した。21%の大幅削減である。理事長はじめ組合員は大幅の値下げに満足した。暴利を貪ってきた大成からすれば、「ばれたか、それじゃ仕方ない」ということだったろう。ちなみに、時を同じくして、大成は湯河原事務所を閉鎖し、所員は横浜支店に配置替えとなった。さては、家賃の財源がなくなったのか(笑い)。

ところが私が調べてみると、管理費は大幅値下げした立場で、他のマンションよりまだ3割程度高い。これが前編の冒頭に述べた「当マンションの管理費は高い」という話につながる。

では、なぜ理事長は管理費の値下げ交渉に否定的なのか。人の心を推量することは控えたいが、何も書かなければ「さては癒着」と勘繰る読者もいるだろうから、理事長の名誉を守る意味であえて私の推測を述べる。それは理事長の「面子」。ちなみに、≪管理会社に管理費適正化の具体策を提案させる≫案は、理事長の面子を保つ狙いもある。

さて、大成は数百件のマンションの管理を務めているから、マンションの経費構造に関する情報は豊富のはずである。その情報を活用すれば当組合の運営に役立てられることを知りつつ、その情報を隠蔽して現状維持を図ろうとしている。その経営戦略は、顧客の信頼につけこんで余剰利益を得てきた「ばれたら仕方ない」式の戦略と同根に思える。

とはいっても、情報隠蔽が大成有楽不動産株式会社の会社(もしくは横浜支店)としての基本戦略であるはずはなく、旧湯河原事務所に所属した現場担当者の暴走・独走が今でも続いているだけだ、と私は確信している。その根拠は、大成が管理する数多のマンションにおいて、管理費が突出しているのは当マンションと「オーベルM」だけで、他はかなり平準化しており、そして世間並みだからだ。

大成対私の抗争は、これから次の段階に入る。

付記

私はこの論考をアップする前に、大成の担当者N氏に原稿のプリントアウトを郵送して、「修正を望む箇所があれば要望に応じます」という書状を送った。私は、N氏は部分修正ではなく、全面撤回を求めてくるだろうから、その交換条件として、大成に管理費適正化案を組合に提案させる、というシナリオを描いていた。しかし、N氏から全く返事がなかった。陽の目を見ることはあるまいと思っていた論考が、はからずもこうしてアップする事態になったのは誠に残念である。

 

 

 

 

 


中国の百年マラソン

2015-07-06 16:33:23 | メモ帳

「正論」8月号に掲載された二つの論文、一つは元陸自西部方面総監の用田(もちだ)和仁氏による「日本よ、軍備大増強の決断を」、もう一つは京都大学名誉教授で「正論」の常連執筆者である中西輝政氏による「日米中動乱時代の幕明け」、が共に引用した論文がある。

それはマイケル・ピルスベリー氏による「百年マラソン―超大国アメリカにとって代わる中国の秘密戦略」(The Hundred-Year Marathon: China’s Secret Strategy to Replace America as the Global Superpower) という今年3月に発刊された書物で、最近ワシントンで非常に注目されているらしい。

ピルズベリー氏は1969年から国連、CIA,国防総省等に勤務した中国問題の専門家である。従来、親中派だったが、この著書では「私の対中認識が間違っていた」と告白している。その内容は「中国共産党は建国から百年目の2049年までに、経済・軍事・政治すべてにおいて世界の支配者になることを目標にしている」というもの。それがタイトルにある「百年マラソン」の由来である。

そして、用田氏と中西氏の論文を総合すると、「南シナ海の岩礁埋め立て工事も、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も、この戦略の途上にあり、習政権は着々と百年マラソンを実現しつつある」、「そして南シナ海の次は、尖閣諸島・沖縄」ということになる。

米国も岩礁埋立てには抗議しているが、中国はオバマが軍事介入しないと見て、出方を窺っているのではないか。

こからは私の推測だが、安倍首相は同じ危機感を持っており、できればすぐにでも憲法第9条を改正したいところだが、それは国民の反発が強いと見て、とりあえず集団的自衛権の拡大解釈にとどめているのだろう。

 


芸者の花代補助は地方を創生するか

2015-07-04 16:57:58 | メモ帳

私が住む湯河原町で地域振興券が発行されてから、2年が過ぎた。1万円に使える商品券が9千円で買えるから、地域の住民は喜んで購入する。しかし、ほとんどの場合、割引がなくても買う予定だったビールやタバコを1割引で買うだけのこと。商店は売上が増えるが、それは一過性であり商品の需要が増えるわけではないし、長い目で見れば地域経済が活性化するわけでもない。

地方創生交付金として、国が地方自治体に経済活性化の資金を与えるという発想そのものは評価できる。しかし、地方自治体に知恵がないから、予算を効果的に使うアイディアが生まれず、税金がムダ使いされる。いわゆるバラマキだ。

役立たないバラマキは、バカらしさに気付けば廃止されるだろうと思っていたら、今年はそれに芸者の花代を補助するプランが加わるという。2万円に使えるお座敷券が1万5千円で600枚発売されるらしい。金額にして3百万円。

補助があろうがなかろうが芸者遊びをする予定だった客は、出費が減るから喜んで券を買うだろう。だからといって、補助券を使って楽しんだあと、遊びの回数を増やすとは思えない。

芸者遊びをしたことがない人が、花代補助券のおかげで芸者遊びが病みつきになり(笑い)、次回からは正規料金を払うリピーターになるなら消費拡大だ。しかし、常識的に考えてその可能性は極めて少ない。

湯河原温泉の芸者衆は最盛期の350人から30人に激減したという。気の毒ではあるが、ライフスタイルの変化が根底にあるから、花代補助券程度で業界が盛り返すとは考えられない。

地域振興券の原資である地方交付金は国民が収めた税金であり、利用しなかったら自分が損するだけだから、多少でも納めた税金を回収する意味で私も地域振興券は利用した。しかし、花代補助券では、自分が納めた税金を回収することにはならない。やめておく。

なんとかならんかね!