頑固爺の言いたい放題

森羅万象なんでもござれ、面白い話題を拾ってレポートします。

ペテンを繰り返す大成有楽不動産

2017-07-30 11:32:41 | メモ帳

大成有楽不動産株式会社(私が住むマンションの管理会社、以下大成有楽)のペテン体質については、これまで何度もこのブログに述べているが、また新たなペテンが明るみにでた。


【発端】

2015年12月に開催された当マンションの臨時総会の議題は、機械式駐車場(以下「駐車場」)の使用料を月7,000円から12,000円に値上げする件。大幅な値上げの理由は、「駐車場」の延命修繕による支出増大である。大成有楽は修繕の収支計画を説明したが、そこにはいくつかの間違いまたはペテンがあった。

 (1)1,860万円の修繕費支出額見積りに消費税が含まれていなかったこと。税率を8%として計算すると149万円の支出増になる。

 (2)「駐車場」運営において、過去に300万円の利益が出たので、今後発生する300万円の損失と相殺になる、という説明が大嘘だったこと。「駐車場」の初期建造コスト(推定2000万円)はマンションの分譲価格に含まれており、「過去の300万円の利益」とは「駐車場」のコストが表面的にゼロだったことの結果である。すなわち、過去の運営は実質的には大損だった。

ペテンはまだあるが、長くなるので省略する。ともあれ、「駐車場」運営には今後10年間で少なくとも450万円の赤字が見込まれることが、その総会で指摘された。

しかしながら、支出をこれから見直すという前提で、「駐車場」使用料の値上げは総会で可決された。

金額の「修正」は値引きにあらず】

その後、総会は当該年度内には開催されず、2016年6月の通常総会において配布された資料には、修繕費予算が196万円減額されることが記されていた。これについて、議長(組合理事長)は「原案では消費税をカウントしていなかった不備があったので修正しました」と説明した。その時、私は「修正」を値引きの意味と理解したが、数日後大規模修繕を含む綜合収支計画を精査して、その「修正」は値引きではない可能性があることに気付いた。

その可能性に関し、このブログの2016年9月21日付け投稿「大成有楽不動産の〈目晦まし〉商法」に次ぎのように記述している。

修正案に示された2百万円弱の削減は最初の3年間に集中しており、その削減率は3年間の修繕費の約20%で、異常に高い。この削減は特定の修繕を計画から除外しただけではないのか。その修繕を実施しない場合、弊害は発生しないのか。

それから1年間総会は開催されず、2017年6月の通常総会を迎えた。事前に送付された資料によれば、修繕費支出が前年に示された計画通り196万円減額されているが、その工事費総額が2017年1月付で一括計上されている。私は工事が何回かに分けて実施されたことを知っていたから、この一括計上には工事明細を開示したくない意図が隠されていると推測した。

総会の席上でこの点を質問しても、「本日は資料を持参していません」ということで逃げられる恐れがあるので、理事長に「工事費減額の明細を記した資料を大成有楽に用意させて、総会の席上で出席者に配布してください」と総会の1週間前に要請した。

総会の席上、私は予告通り「消費税を含めなかったことの償いである196万円の減額の明細を教えて頂きたい」と発言し、大成有楽は持参した資料を配布した。その資料には「安全装置150万円の計画見送りによる差額です」とある。

私がブログに書いた推測この削減は特定の修繕を計画から除外しただけではないのかは当たりだったのである! 常識的には「修正」とは値引きであって、「仕事の修正」ではない。


倫理性を見失った大成有楽】

大成有楽の「修正」は合法だが、倫理的には次のような問題点がある。

(1)2016年6月の通常総会で、なぜ理事長(=大成有楽)は、組合員が値引きと誤解するような「修正」という表現を使ったのか。

「予定修繕項目の内のいくつかを、やらないことにする」といえば、最初の計画がずさんだったことになり、非難されること必定。さらに大成有楽の今後の修繕提案の信頼性を損ねる。だから真実はできるだけ伏せておきたかったのではないか。

一般論として、安全装置が不要であるとして修繕計画を修正することは重要事案であり、総会を開催して組合員の了承を取り付けるのが筋である。ところが、当組合では議題山積の通常総会において、出席者に熟考させる余裕を与えず、「修正」という一言で片づけた。乱暴な議事運営だったことは否めない。

(2)「修正」による修繕費削減は、「収支均衡」という修繕計画の大前提に沿ったものである。それならば、消費税以外のミステークないしはペテンの解消についても努力すべきではなかったか。

具体的には、保守点検費*の見直し、メーカーとの値引き交渉、「駐車場」の規模縮小、さらなる予定修繕項目の見直し、である。

結局、「収支均衡」は建前で、「なにがなんでも修繕を実行する」が大成有楽の本音だったのである。そのためには、組合に発生する赤字は隠蔽する。その大ペテンに比べれば、修繕費の「修正」なぞ些細なペテンであり、たとえバレても逃げ切れると読んだのではないか。残念ながら、今のところその通りに推移している。

「駐車場」運営の赤字は今後ジワジワと修繕積立金を食い潰すことになるが、一般組合員はその事実に気付いていないようだ。

こうした一連の流れを振り返ってみると、大成有楽不動産株式会社には倫理性が欠落していると断定せざるを得ない。

ところで、読者の方々は「頑固爺の言い分はわかった。しかし、易々と騙される組合にも問題がある」と言いたいのではないか? その通りである。

その答えとして、2017年3月21日の投稿「大成有楽不動産のペテン体質」の最後の部分を引用して、本稿の締め括りとする。

 もちろん、「ペテン」に騙される組合にも問題があり、騙されても気づかないことでは《振り込め詐欺》を連想させる。しかし、≪振り込め詐欺≫と大きく異なる点は、相手が大手企業であること、そして長年の取引相手であること。

蛇足だが、この投稿は、これまでの大成有楽批判の一連の投稿と同様、事前に大成有楽に原稿を送付し、異論がなかったものであることを申し添える。

                                                     終

(注)機械式駐車場の保守点検は年4回か6回が主流だが、当マンションでは毎月実施されている。

 

 

 

 


朝日新聞とCNNニュースの類似点

2017-07-29 10:12:18 | メモ帳

私は在米当時、CNNニュースを「事実だけを報じる中立の観点」と認識しよく見ていたので、トランプ大統領がCNNニュースを「フェイクニュースだ」と非難している報道に接しても、「トランプの方が間違っている」と考えていた。

ところが、7月28日の産経ニュース・ネット版に掲載されたケント・ギルバート氏のコメントを読んで、私は「CNNは変わったのかもしれない」と感じている。そのコメントとは次のようである。

先日、CNNのある大物プロデューサーが「ロシア疑惑に証拠はない」「事実に基づかなくても、視聴率が高ければいい」「有権者はバカだ」などと発言している姿を、「プロジェクト・ヴェリタス」に隠し撮りされた。ヴェリタスは、公的機関の悪事を、隠し撮り動画で暴いて告発するネット・メディアだ。加えて、CNNの主要コメンテーターの1人も「ロシア疑惑報道はどうなりそう?」との質問に、「でっかい中身のないハンバーガーと同じ」と答えた。これらの動画が一般公開され、CNNは窮地に陥った。

CNNに関しては、まだ半信半疑だが、日本では朝日新聞が、フェイクニュースではないにしても、かなり情報操作を行っていると感じている。

その印象を裏付けるのが、桜井よしこ氏の「加計学園報道は反安倍倒閣運動だ」と題した論考(週刊新潮7月27日号)である。また、東京新聞論説委員の長谷川幸洋氏も同じ主張をしている。

頑固爺所感:「内閣打倒」は言い過ぎで、「支持率低下→憲法改正阻止を狙う」が適切な表現であろう。

複数の新聞を購読している人は少ない。何らかの理由で朝日新聞を購読している人は常に眉唾で読まなくてはならない(笑い)。米国でもCNNニュースを見る人は同じ悩みを抱えたことを実感しているのではなかろうか。

 


加計問題追及で何がわかったか

2017-07-26 16:25:26 | メモ帳

7月24-25日の両日、衆議院を参議院で特別予算委員会を開催して、加計問題等が議論された。

その結果、安倍首相や側近の返答にかなり怪しい点があることが浮き彫りになった。しかし、特別予算委員会を開催する目的は、加計学園に決定するまでの過程において、政権側が圧力を加えて、あるべき行政の姿を捻じ曲げたかいなか、だったはずだ。

10時間を費やした討論の結果、政権側が不当な圧力を加えた形跡はなかったことが明らかになった。もっとも、それは最初から分かっていたことだが…。

一方、政権側にもいくつかのミステークがあった。今年の1月20日まで安倍首相が獣医学部設立に関し加計学園が絡んでいることを知らなかったということはありえない。また、側近が「記憶にない」を連発したのもチョンボである。否定するなら、嘘っぽく聞こえる「記憶にない」という表現を使わず、きっぱりと「そんなことを言ったことはない」と否定すべきである。

野党側の目的が「安倍政権は信頼できない」という印象を与えることだったとすれば、成功である。だからといって、野党の支持率があがったわけではなく、「支持する政党なし」の層が増えただけではなかろうか。

 


続 安倍内閣の支持率、急降下

2017-07-22 16:58:24 | メモ帳

7月19日に私は「安倍内閣の支持率、急降下」に疑問を提示したが、これはその続編である。

ネット上では安倍内閣の支持率が50%とか70%というような統計が発表されている。その一つの例として、下記をご覧いただきたい。

https://www.youtube.com/watch?v=AxiR4n3_FOs

昨日、朝日新聞を図書館でチラ読みしたら、私が知らない評論家の半ページにわたる論文が掲載されていた。その要旨は「都議選の時の『安倍やめろ、コール』は民意を表していた」である。しかし、この論文は間違っている。

その時、『安倍やめろ』と喚いていたのは、京都在住の共産党員とその一派であることが顔写真入りで証明されていたし、私が7月11日に書いたように籠池夫妻もその一員だった。したがって、民意というより反安倍派の選挙妨害だった。それを知っていながら、朝日新聞はこの論文を掲載することで、『安倍やめろ』が民意だったかのように印象操作しているわけだ。

百歩譲って、『安倍やめろ』が民意の証明だったとしよう。それなら、安倍以外の誰を首相にしたいのか。まさか蓮舫ではあるまい(笑い)。ほかにいなけりゃ、安倍にやってもらうしかないでしょうが。

前川前事務次官は、加計に決まる過程で政権の圧力があったかのような主張をしているが、加計はかなり前から名乗りを上げていたのだから、立場が有利だったことは当然で、決まるべくして決まっただけのことではなかろうか。それをいかにも不正があったかのように、メディアが情報を歪曲した。

ネット情報は玉石混合で信頼できないものもある。しかし、社是として反安倍である朝日は別として、他のペーパーメディアとTV各社は反安倍という旗幟を掲げる方が「販売部数が伸びる」または「視聴率を稼げる」と考えたのではないか。彼らは読みを間違えたのである。

 

 

 

 

 

 


安倍内閣の支持率、急降下

2017-07-19 15:17:25 | メモ帳

世論調査によれば、安倍内閣の不支持率が30%を割ったという(時事通信)。

しかし、年齢別調査では、30歳以下は60%が支持しており、40歳台でも50%が支持しちるという。つまり、不支持率が高いのは高齢者だということになる。それでも各年代層の回答数が同じ比率なら、30%割れになるはずがないが、多分回答者全体に占める高齢者の比率が高かったのだろう。

この調査結果に関し、若い層はSNSなど広い情報源があるが、高齢者はメディアが主たる情報源だからメディアの印象操作に騙されやすい、という分析がなされているが、ある程度的を射ていると考える。

支持率急降下の原因は、加計学園などいろいろ取り沙汰されているが、大きかったのは都議選の時の「安倍やめろ!」コールだったのではないか。あれは共産党など左翼グループの選挙妨害だったことが分かっているが、「安倍やめろ!」が多数派の意見だと勘違いした人も多かっただろう。

さらに、あの時メディアは選挙妨害という視点を忘れ、安倍首相の「あんな人たちに負けるわけはいかないんです」という発言を、いかにも傲慢の象徴であるかのような報道をしたことが響いたと思う。

私は安倍内閣支持者だが、噴出した諸々の問題の処理が適切ではなかったと感じている。その結果、枝葉が茂りすぎて、根幹が見えない状況になった結果が、支持率の急降下だと見ている。安倍首相が丁寧に説明すれば支持率はかなり回復するのではないか。

 

 


韓国人が席巻したU.S.女子オープン

2017-07-18 11:26:21 | メモ帳

ゴルフのU.S.女子オープンで、また韓国人が優勝した。しかも、10位までの8人が韓国人(5位に中国人とスペイン人)。

今回のトーナメントは特に観客が少なかったのではないか。私は米国在住時(10年―25年前)、女子のゴルフトーナメントを見にいったことがあるが、それは岡本綾子などの日本人選手の応援もさることながら、白人やラテン系の美人ゴルファーがお目当てだった(笑い)。

当時も韓国人はいたが、チラホラだから刺身のツマみたいなもので、いても気にならなかった。しかし、上位のほとんどがコリアンだったら、多分見にいかなかっただろう。個性がない整形美人ばかりでは興醒めだし、パク、イー、キム、チェなど限られた苗字ばかりだから、だれがだれだかわからない。

今や米国の女子ゴルフ業界が存亡の危機を迎えたのではないか。観客激減で、賞金を出してくれるスポンサーがいなくなるからだ。救世主が現れることを祈る。

 

 

 

 


大盛況の豪華リゾート

2017-07-16 16:39:19 | メモ帳

たまたま旅行雑誌を見ていて、宮古島に温泉があるのを知った。ネットで調べると、シギラというリゾートに温泉があり、100万坪の巨大な敷地に10棟のホテル、10数軒のレストランが点在し、ゴルフコースもある巨大娯楽施設であることが分かった。(シギラリゾートの詳細については上のシギラをクリックしていただく)

本館はすべてスイートルームで、一泊朝食つきで(つまり夕食は別料金)19,000円だから、かなり値が張る。熱海などの一泊2食つきで8,900円という安値に比べればベラボーに高いが、ハワイやカリブ海の高級リゾートよりは安い。

交通の便を調べると、羽田から3時間の直行便があり、空港からホテルまで車で20分と近いのは年寄りには有難い。

ということで3泊4日の旅を予約した。

この旅はいろいろな点で驚きの連続だった。まず、羽田ー宮古島間のフライトが満席だったこと。そして、ホテルも満室だったこと。学校が夏休みに入る前の時期なら空いているだろうと思ったが、とんでもない間違いだった。

そして、宿泊客の年齢層が若い(秋になると高齢者が増えるらしい)。8割ぐらいは30歳前後で、子供連れが多い。80歳台はおろか、60歳台以上の客は1割もいない。我々夫婦は場違いの存在だった! 中国人・韓国人もほとんどいない。

これだけ盛況で敷地が広大となれば、経営者はさらに宿泊施設を増やすのではないかと思ったら、案の定、建設工事が進行中だった。それも、まずチャペルから作るところが日本的で面白い。結婚式はかなり頻繁に行われているらしく、滞在中にも花嫁、花婿を見かけた。

大盛況のシギラリゾートだが、メディア広告を見たことがない。不思議な話である。

 新しいホテルの建設は、まずチャペルから(笑い)

ここにはいろいろな楽しみ方がある。ダイヴィングで海亀や魚の大群に出会うのは、残念ながら体がついてこないので見送って、スローヴァケイションに徹することにした。すなわち、蒼い海と入道雲を眺めながらうたた寝し、気が向けば水中観覧船で海底を見物したり、敷地内を散策する。そのあとに露天風呂に入ってから、ワインや泡盛で美食を楽しむ。本土の観光地とはまったく異質のスタイルである。

広大な敷地内に高級フレンチからピザ、寿司、焼肉、蕎麦、中国料理、沖縄料理など各種のレストランがあり、定期巡回バスが走っている。

  部屋からの眺望

   名も知らぬ魚の大群

メディアはことあるごとに消費者の安値志向を報じているが、同じ消費者がここではカネに糸目をつけずエンジョイしている。消費者は渋くなったのではなく、カネの使い方が変化しているのである。

 

 

 

 

 

 


安倍政権支持率低下を演出するメディア

2017-07-11 10:15:37 | メモ帳

安倍政権に対する逆風が吹き荒れている。安倍首相にも落ち度はあったが、それをメディアが針小棒大に増幅させている。

旧聞で恐縮だが、都議選の終盤、秋葉原の演説会場で「阿部やめろ」コールが巻き起こって、阿部首相が「こんな人たちに負けるわけにはいかないんです」と叫んだ時の話。

たまたまその翌日朝8時のTBSのニュース番組にチャネルを合わせたところ、秋葉原の演説会場に向かう乗用車内の籠池氏にマイクが向けられていた。私は「はて、どうしてTBSのカメラが籠池氏と同じ車の中にいるのか」と不思議に思ったが、その後の展開に仰天した。

車を降りた籠池氏が札束の入った封筒を振りかざし、演説中の安倍首相に接近しようとした。明らかに安部首相からもらった(と彼が主張する)寄付金を返そうとするジェスチュアである。つまり、その場面をTVカメラに映し出してもらおうと躍起になっている籠池氏をTBSがサポートしていたのである。

次に、その籠池氏を警官数人が担ぎ上げ、どこかに移す場面が映し出され、籠池氏が「安倍やめろ!」と叫んだ。籠池夫人も画面に登場し、「安倍やめろ!」と夫に同調した。

多人数の「安倍やめろ」コールが籠池夫妻の登場する前からあったのか、または籠池夫妻の叫びから始まったのかはわからない。確かなことは、籠池夫妻が「安倍やめろ」コールを叫ぶグループの中心部に位置していたこと。

ところが、その後TBSはこの籠池夫妻登場の場面を全く放映しなくなった。安倍首相に有利になると判断したからだろう。明らかに情報操作である。

ついでに、加計問題に触れておきたい。メディアは安倍政権に不正があったかのように思わせる論調でネガティヴに報じているが、実態は守旧派の前川元文科省次官が改革派に負けたことに腹を立てているだけではないのか。

「風」を吹かせているのはメディアである。

 

 

 


「シャーロック・ホームズ対伊藤博文」書評

2017-07-10 09:26:08 | メモ帳

書店で「シャーロック・ホームズ対伊藤博文」という題名の文庫本をみつけ、衝動買いした。コナンドイルが創作した架空の人物が伊藤博文とコンビを組むという奇抜な組み立てに興味をそそられたのである。

この作品は、シャーロック・ホームズが伊藤博文とともに、明治24年(1891年)に起きた大津事件の謎(といっても著者が謎に仕立て上げたのだが)を解くというスケールが大きなストーリーである。

大津事件とは、警察官津田三蔵が日本各地を旅行中だったロシア帝国の皇太子にサーベルで斬りつけ頭部に傷を負わせた事件のこと。当時はロシアが報復のために日本に攻撃を加えるのではないかと日本国を揺るがし、市井の女性が剃刀で喉を突いて自殺したくらいである。

政治外交の見地からは、津田三蔵を死刑にすべきだという意見がある一方、司法の見地からは、怪我をさせただけでは死刑を適用できないという問題があった。江戸時代なら死刑が適用されただろうが、明治になって三権分立を基盤とする文明国家に生まれ変わった日本としては、結局終身刑を適用した。

こうした時代背景を下敷きにして、著者の松岡圭祐氏はシャーロック・ホームズを登場させ、さらにいろいろなひねりを加えた。そもそもシャーロック・ホームズのシリーズはホームズがワトソンという相棒とともに、普通の人では到底思いつかない視点から謎解きをするところがウリであるが、この「シャーロック・ホームズ対伊藤博文」では伊藤博文がワトソン的役柄を演じる。あまり現実離れした小説は私の好みではないが、この作品は虚構がいかにも史実であるかのように錯覚させる。脱帽である。

巻末にある解説を読んで初めて、「シャーロック・ホームズ対伊藤博文」の著者が5月31日にこのブログに投稿した「黄砂の籠城」と同じ松岡圭祐であることに気付いた。人の名前が覚えられない高齢者特有のボケである。

松岡氏の次作が楽しみである。その時はまさか著者の名前を忘れていることはないだろう(笑い)。


カキ缶詰を鍋物に使うアメリカ人

2017-07-06 16:11:00 | メモ帳

(この投稿は私の元勤務先のOB会報に掲載したものを骨子として、このブログ用に組み立て直したものである)

グローバルな視点では、カキ(オイスター)の缶詰には燻製と水煮の2種類がある。燻製はアルコール飲料のつまみとなり、水煮は料理食材として使用される。

米国では、ニューオルリーンズを中心とするルイジアナ州がカキ缶詰の主要生産地だったが、20世紀半ばに同州でカキの養殖産業が衰退し、さらにカキの手剥き作業に人が集まらなくなって、生産者は1950年代から1960年代にかけて、日本を供給源とする輸入販売業者へと転身した。そして、日本でも同じ問題がおきて、1970年代から供給源は韓国に変わった。(このルイジアナ州の缶詰メーカーの転身をサポートしたのは日本の総合商社であり、私自身もその一端に関与していた)

さて、日本では、燻製も水煮も需要がなかったので、国内用には販売されなかった。しかし、燻製は最近国分商店のカンツマ・シリーズの一つになって、ファミリーマートの人気商品に成長した。しかし、水煮は需要がないために、今後も製造・販売されることはないだろう。

一方、米国では1960年代以降もずっと韓国産のカキ缶詰が大量に輸入されており、ミシシッピー川流域を中心とする内陸部が主な消費地域となっている。

では、なぜ米国には、カキ缶詰に巨大な需要があるのか。そして、なぜ内陸部が主要消費地域なのか。

内陸部の家庭ではカキの水煮をシチューやブイヤベースに使う。つまり鍋物である。さしずめ、土手鍋に缶詰を使うようなものだ(笑い)。缶詰のカキは加熱すると形が崩れるので、料理がほとんど出来上がった時点で、鍋に入れる。「それではカキの風味がないだろう?」という疑問があろうが、それはカキの煮汁が缶に入っているのでノープロブレム。

この食習慣には地理的条件が影響している。ルイジアナ州の缶詰メーカーは創業以来、製品の輸送にミシシッピー川の貨物船を利用し、その流域の需要を地道に開拓してきた。今でこそ高速道路が発達して船舶輸送は廃れたが、カキ缶詰の需要そのものは残ったのである。

交通網の発展でかなり内陸部(例えば、カナダ国境に近いミネアポリス)でも生カキを賞味できるようになったが、米国特に内陸部の消費者には「生は不衛生」という固定観念があるから、内陸部では生カキの需要は限定的である。その点、缶詰なら衛生的というわけだ。

一方、日本人には「生」崇拝志向がある。生ビールしかり、生ハムしかり、生野菜しかりで、「生」イコール新鮮 (fresh)という認識があるが、欧米人には「生」(raw)イコール不衛生という認識がある。

それなら「寿司ブーム」をどう説明するのか、という疑問があると思うが、海外の寿司ブームの正体は生魚ブームというより巻物ブームなのである。そして、その巻物の具の主力はカニカマやゆでたエビ、アボカドであり、生魚ではない。マグロ、ヒラメ、タイ、ブリなどを具にする握り寿司を食べる欧米人は増えたことは増えたが、それでも生魚の握り寿司を食べるのはライフスタイルが先端的に人々なのである。

 米国でも、海岸地帯はライフスタイルが先端的だが、内陸部では保守的で、今なお「生」に拒絶反応を示す人々が多い。それが、カキの水煮という日本人なら見向きもない食品に根強い需要がある理由である。

 

 

 


蟹の脚は旭日旗?

2017-07-03 15:35:18 | メモ帳

昨日の産経ニュースによれば、韓国でバーガーキングが売り出したシュリンプ・クラブ・バーガーの包装紙に描かれた蟹の脚が旭日旗を連想させるというクレームがあるという。産経ニュースをご覧にならなかった方のために、ここにその写真を張り付ける。

旭日旗が怪しからんと騒ぐのは勝手だが、これはいくらなんでもコジツケが過ぎるのではないか。バーガーキングに同情すると同時に、この一件はいかにコリアンがクレージーかを証明している。

それなら、大阪道頓堀のもクレームの対象になるが、どうする? 蟹道楽さん!

 


某マンションでのワンチャン騒動

2017-07-03 10:35:13 | メモ帳

熱海伊豆山にある某マンションではペットOKが一つのウリである。ところが、最近このマンションでペット(特にワンチャン)絡みの騒動が持ち上がった。

まず、私の知人(そのマンションの住人でワンチャン・オーナー)から聞いた話から。

このマンションでは、構内のあちこちにペットの排糞・排尿禁止の立て札があるが、それが守られない。居住者からの苦情が絶えないので、管理組合は総会の議案に「ペットの飼い主は、構内ではペットにおむつをあてがい、さらに構外に出るまで抱きかかえること」を掲げた。

構内に犬や猫の糞があることは我慢できないのは、誰しも同じ。糞をそのままにしておく不心得者は非難されて当然だ。こうした観点に立てば、議案は妥当のように思える。

ところが問題はそう簡単ではない。そのわけは、構外の道路に出るまで百メートルほどの坂を上がらなくてはならないこと。飼い主が高齢で、ペットが大型犬だったら、かなりきつい作業になる。ペットOKがウリのはずが、人によってはペット禁止令に等しい。

その議案に驚いたワンチャン・オーナーたちは、総会で「実施まで猶予期間を設けてほしい。その期間内に飼い主たちに構内での排糞・排尿禁止を徹底するから」と嘆願したが、議長はじめ他の出席者たちは聞く耳持たずという態度で、その議案は多数決により可決された。

私は部外者であり、この件はどうでもいいことだが、理不尽なことには我慢できないたちなので、一応所感を述べたい。

総会における議案の採決はイエスかノーの二者択一で、妥協案はない。なぜなら、欠席者は委任状提出により議長(組合理事長)に発言権を与えているから、総会において議案に書かれていない結論を出すことはできない。だから、議長が議案通り可決したことに誤りはない。

しかし、この可決は拙速だったのではないか。議長はこの議案の採決を次の総会まで保留にする度量があってもよかったのではないかと考える。その保留期間中に改善の兆しがなかったら、次の総会で議案通り可決する。それなら、ワンチャン・オーナーたちも「おむつに抱っこ」もやむを得ないと納得するだろう。

少数派の不平を解消することが、マンション・コミュニティを平穏に保つ秘訣である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


騒ぎすぎるメディアー稲田防衛相の失言

2017-07-01 10:22:28 | メモ帳

この数日、メディアは稲田防衛大臣の都議選における応援演説での失言問題を大きく報じ、それを追い風に、野党は稲田氏罷免を要求した。

だが、この問題はそんなに大騒ぎするほどのことなのか。

稲田氏が軽率だったことは間違いない。「防衛省・自衛隊としてもお願いしたい」とは明らかなミステークだが、これは彼女が防衛大臣としての職務に入れ込んだ結果だと解釈する。誰でもつい調子に乗りすぎ、言い間違えることはある。稲田氏も自分で事前に演説原稿を書いて、それを持参して読み上げていれば、こんなことにはならなかったろう。

失言の翌日の昼間、TBSのワイドショーを見たら、出席した評論家がこぞって稲田氏をこきおろしていた。一人ぐらい「こんな失言はよくあること、大げさに言い立てるほどのことではなかろう」と言うかと思ったら、全員が「怪しからん、怪しからん」の大合唱。呆れて他の局にチャンネルを変えたら、おなじ話題で盛り上がっていた。

この程度の言い間違えで、いちいち閣僚を罷免していては、一年で何人も入れ替えなくてはならない。そもそも、その程度の人材しかいないのだから仕方ないではないか(笑い)。

メディアには時の政権の暴走を阻止する役目もあるから、政権を批判することは大いにやっていただきたい。しかし、面白おかしく針小棒大に騒ぎ立てると、一般大衆をミスリードする結果を招くことを認識すべきである。