大成有楽不動産株式会社(私が住むマンションの管理会社、以下大成有楽)のペテン体質については、これまで何度もこのブログに述べているが、また新たなペテンが明るみにでた。
【発端】
2015年12月に開催された当マンションの臨時総会の議題は、機械式駐車場(以下「駐車場」)の使用料を月7,000円から12,000円に値上げする件。大幅な値上げの理由は、「駐車場」の延命修繕による支出増大である。大成有楽は修繕の収支計画を説明したが、そこにはいくつかの間違いまたはペテンがあった。
(1)1,860万円の修繕費支出額見積りに消費税が含まれていなかったこと。税率を8%として計算すると149万円の支出増になる。
(2)「駐車場」運営において、過去に300万円の利益が出たので、今後発生する300万円の損失と相殺になる、という説明が大嘘だったこと。「駐車場」の初期建造コスト(推定2000万円)はマンションの分譲価格に含まれており、「過去の300万円の利益」とは「駐車場」のコストが表面的にゼロだったことの結果である。すなわち、過去の運営は実質的には大損だった。
ペテンはまだあるが、長くなるので省略する。ともあれ、「駐車場」運営には今後10年間で少なくとも450万円の赤字が見込まれることが、その総会で指摘された。
しかしながら、支出をこれから見直すという前提で、「駐車場」使用料の値上げは総会で可決された。
【金額の「修正」は値引きにあらず】
その後、総会は当該年度内には開催されず、2016年6月の通常総会において配布された資料には、修繕費予算が196万円減額されることが記されていた。これについて、議長(組合理事長)は「原案では消費税をカウントしていなかった不備があったので修正しました」と説明した。その時、私は「修正」を値引きの意味と理解したが、数日後大規模修繕を含む綜合収支計画を精査して、その「修正」は値引きではない可能性があることに気付いた。
その可能性に関し、このブログの2016年9月21日付け投稿「大成有楽不動産の〈目晦まし〉商法」に次ぎのように記述している。
修正案に示された2百万円弱の削減は最初の3年間に集中しており、その削減率は3年間の修繕費の約20%で、異常に高い。この削減は特定の修繕を計画から除外しただけではないのか。その修繕を実施しない場合、弊害は発生しないのか。
それから1年間総会は開催されず、2017年6月の通常総会を迎えた。事前に送付された資料によれば、修繕費支出が前年に示された計画通り196万円減額されているが、その工事費総額が2017年1月付で一括計上されている。私は工事が何回かに分けて実施されたことを知っていたから、この一括計上には工事明細を開示したくない意図が隠されていると推測した。
総会の席上でこの点を質問しても、「本日は資料を持参していません」ということで逃げられる恐れがあるので、理事長に「工事費減額の明細を記した資料を大成有楽に用意させて、総会の席上で出席者に配布してください」と総会の1週間前に要請した。
総会の席上、私は予告通り「消費税を含めなかったことの償いである196万円の減額の明細を教えて頂きたい」と発言し、大成有楽は持参した資料を配布した。その資料には「安全装置150万円の計画見送りによる差額です」とある。
私がブログに書いた推測〈この削減は特定の修繕を計画から除外しただけではないのか〉は当たりだったのである! 常識的には「修正」とは値引きであって、「仕事の修正」ではない。
【倫理性を見失った大成有楽】
大成有楽の「修正」は合法だが、倫理的には次のような問題点がある。
(1)2016年6月の通常総会で、なぜ理事長(=大成有楽)は、組合員が値引きと誤解するような「修正」という表現を使ったのか。
「予定修繕項目の内のいくつかを、やらないことにする」といえば、最初の計画がずさんだったことになり、非難されること必定。さらに大成有楽の今後の修繕提案の信頼性を損ねる。だから真実はできるだけ伏せておきたかったのではないか。
一般論として、安全装置が不要であるとして修繕計画を修正することは重要事案であり、総会を開催して組合員の了承を取り付けるのが筋である。ところが、当組合では議題山積の通常総会において、出席者に熟考させる余裕を与えず、「修正」という一言で片づけた。乱暴な議事運営だったことは否めない。
(2)「修正」による修繕費削減は、「収支均衡」という修繕計画の大前提に沿ったものである。それならば、消費税以外のミステークないしはペテンの解消についても努力すべきではなかったか。
具体的には、保守点検費*の見直し、メーカーとの値引き交渉、「駐車場」の規模縮小、さらなる予定修繕項目の見直し、である。
結局、「収支均衡」は建前で、「なにがなんでも修繕を実行する」が大成有楽の本音だったのである。そのためには、組合に発生する赤字は隠蔽する。その大ペテンに比べれば、修繕費の「修正」なぞ些細なペテンであり、たとえバレても逃げ切れると読んだのではないか。残念ながら、今のところその通りに推移している。
「駐車場」運営の赤字は今後ジワジワと修繕積立金を食い潰すことになるが、一般組合員はその事実に気付いていないようだ。
こうした一連の流れを振り返ってみると、大成有楽不動産株式会社には倫理性が欠落していると断定せざるを得ない。
ところで、読者の方々は「頑固爺の言い分はわかった。しかし、易々と騙される組合にも問題がある」と言いたいのではないか? その通りである。
その答えとして、2017年3月21日の投稿「大成有楽不動産のペテン体質」の最後の部分を引用して、本稿の締め括りとする。
もちろん、「ペテン」に騙される組合にも問題があり、騙されても気づかないことでは《振り込め詐欺》を連想させる。しかし、≪振り込め詐欺≫と大きく異なる点は、相手が大手企業であること、そして長年の取引相手であること。
蛇足だが、この投稿は、これまでの大成有楽批判の一連の投稿と同様、事前に大成有楽に原稿を送付し、異論がなかったものであることを申し添える。
終
(注)機械式駐車場の保守点検は年4回か6回が主流だが、当マンションでは毎月実施されている。