これは8月22日投稿の≪会社ぐるみの法令遵守無視≫の続編である。
組合総会において、管理会社の大成有楽に、 大成グループが建設・販売・管理しているオーベルマンションと当マンションの管理費較差30%の是正策を提案するよう要請したが拒否されたので、私が自分で較差の原因を解明することにした。
70-80平米の区分の場合、管理費較差は6,256円。その原因として、まず駐車場使用料の地域較差がある。すなわち、当マンションでは駐車場使用料が月7,000円であるのに対し、東京都中心部や横浜とその周辺地区では平均12,000円。計算基礎は省略するが、この較差は管理費月額換算で2,200円(較差の35%)に相当する。
ほかに考えられる原因は、これも駐車場絡みの機械式設備の定期点検料。当マンションでは毎月点検を実施しているが、出版物・ネットなどで調べると、他のマンションでは年4回か6回らしい。かりに毎月を隔月に変更するとして、その節約額は管理費月額換算で944円(較差の15%)。
この二つを合計すると3,144円だから、6,256円の較差の半分。では、残りの3,000円は何なのか?
これまでも収支報告書を何遍も調べたが、再度精査して駐車場使用料が修繕積立金に計上されていることに気づいた。機械式駐車装置の定期点検料は管理費に計上されているにもかかわらず、その収入は修繕積立金に計上されているとは気づかなかった!
某マンション(オーベルではない)の収支報告書を見ると、駐車場使用料は管理費の収入に計上されている。会計原則から考えても収入とそれに関わる支出は同じ会計であるべきだ。多分、オーベルでもそうなのだろう。この金額は、管理費月額換算で3,100円だから、6,256円の較差の約半分。これで較差は埋まった! 霧が晴れた感がある。
さて、重要なポイントは駐車場使用料の地域較差である。当マンションの駐車場使用料は安すぎるので、私はかねてよりこの値上げを主張していたが、いろいろな事情があって先に進まない。そこで、管理会社から提案してもらえば組合も動かざるをえないだろうと考えた。そして、周辺の駐車場使用料の相場が安いために値上げ幅には限界があり、これが当マンションの管理費がオーベルより多少高い理由だ、ということを大成が総会で説明すれば、大成は点数を稼げる、というのが私の描いたシナリオだった(「地方の方が中央より管理費が高い」とは矛盾した話だが、機械式装置は地価が安い地域では採算に乗らないのだ)。ところが、大成は「よそが安すぎる」と言い放って、私の想定シナリオをぶち壊した。大成は私が大成に関わる費用を大幅に値切っていると早合点したのではないか。
しかしながら、当マンションとオーベルの管理費較差の半分は不適切な会計処理が原因だったということでは、大成も浮かばれまい。大成に名誉挽回のチャンスを与えるべきだと考えて、大成担当者に私と話し合う機会を設けてはどうかと書面で持ちかけた。「近々組合理事会に管理費適正化の提案を提出するが、この案を大成の案として発表しても構わない」という内容である。もちろん、その発表において、大成は管理費の不適切な会計処理が誤解を招いたことも説明できる。しかし、毎度のことながら、大成はこの提案を無視した。
さて、私が指摘したオーベルと当マンションの管理費較差は、「不適切な会計処理」で50%、「駐車場使用料の地域格差」で35%埋まり、この2点は大成の損得には無関係である。大成が手元にあるはずのオーベルの収入・支出を当マンションと対比して調べれば、すぐさまこの事実に気づいたはずだ。しかし、大成は「ほかが安すぎる」「守秘義務に反する」などの的外れの反論をした。つまり、大成は当マンションの管理費がオーベルより30%高いというデータを無視したことになる。
要するに、誠意がないのか、やる気がないのかのどちらかだ。これにて、大成とのバトルは打ち切り、組合執行部経由の交渉に切り替える。
とんだ回り道をしたが、大成の能力の限界を知ることができたのは大きな収穫である。