佐川前理財局長の参院・衆院における国会喚問のTV実況を興味深く見た。これについては明日の新聞が詳しく報道するだろうが、備忘録として私の印象を記しておきたい。
(1) 土地価格の大幅値引き
当該土地が8億円もの巨額の値引きで森友学園に売却されたが、その値引きは、安倍昭恵氏が関与していたために、また安倍総理が「もし、私や昭恵がこの事案に関与していたら、総理大臣も議員も辞職する」と発言したために、財務省の官僚が忖度したことで行われた・・・・これが野党の主張。
●佐川氏は、「この値引きは不動産鑑定士の正当な査定に基づくもので、昭恵氏の関与や安倍総理の発言に影響されていない」、「この案件は個別案件だから、大幅値引きは理財局の判断で実行した」と証言した。
所感:これでは野党が期待していたストーリーは完全に崩壊する。野党の質問者も反発していたが、野党は今後どう対応するか。
また、週刊文春や週刊新潮の最新号は安倍夫妻を罪人扱いにしており、こうしたメディアの安倍攻撃が支持率の急落を招いたのは明らである。これら週刊誌は安倍首相に謝罪すべきではないのか。
(2) 公文書の書き換え
●佐川氏は、「公文書の書き換えは、理財局内部だけで行ったものであり、総理大臣はもとより、財務大臣も官邸も関与していない」と証言した。しかし、なぜ書き換えが必要だったのか、誰が主導し、どういう経路で書き換えが実行されたか、については刑事訴追を盾にして、証言を拒否した。
所感:私はこのブログの3月21日付「森友問題」において、「文書書き換えは安倍政権の指示によるものではないだろう」と書いたが、佐川氏はその通りに証言した。当然である。
この証言は安倍政権にとって有利だが、書き換えの理由や指示経路が明らかにされなかったことは、疑惑として残っており、今後の野党の政権攻撃の材料になる。だが、司法の結論がでるには時間がかかる。それまで国会を空転させておくわけにいかないが、与野党はどう対処するのか。
本日の喚問で、佐川氏は正直に答えていると感じた。彼は頭脳明晰という印象であり、有能な官僚だったろう。それが、公文書書き換えというとんでもないことをやったのはなぜか。理解し難い疑問である。
さて、“公文書書き換え”は朝日新聞のスクープだった。それが佐川氏の国会喚問をもたらし、安倍政権の疑いを晴らすことにつながった。安倍叩きを社是とする朝日新聞としては、意図したことと逆の結果を招き、さぞ悔しいことだろう。たまには、朝日もナイスジョブをする。アッパレ。