私の趣味の一つは株式投資。数ある銘柄の中からこれぞという銘柄を選び、その銘柄がスイスイ上がりだしたときの快感は言葉では言い表せない。
昨年11月中旬のこと、投資資金が150万円ほど浮いていたが、これぞと思う銘柄はみな上がりに上がっていて、買いたいと思う銘柄がみつからず苦慮していた。そこで、“値上がりする株、教えます”のサービスを利用することにした。選んだのは“わしの罫線”の発信元ミリオンストック投資顧問(以下ミリオン https://million-stock.jp/)。人様に銘柄を教わるのでは「株式投資が趣味」とは言えないが、一つぐらいはまぁいいだろうと自己弁護した(笑い)。
実は、数年前にも助言サービスを利用したことがある。その時は教わって買った銘柄がひと月半ほどびくとも動かなかった。結局、その銘柄での損失はなかったが、情報料3万円は無駄になった。しかし、ミリオンの情報はかなり精度が高いから、前回のようなことはあるまい。
3万円をミリオンに支払って、受け取った推薦銘柄はD社(デで始まるカタカナの社名で一部上場、コードは6千番台)。接合材のメーカーで、電子関係の副資材が主力。正直言って、それまで知らなかった銘柄である。
配当利回りは2%以上あり、チャートの形も悪くないし、業績もいい。ところが、“みんなの株”などが発表している銘柄評価を見ると、【割高】【売り】となっている。しかし、それで引いてしまったら、3万円が無駄になるし、好調な電子分野ということもあり、思い切って買うことにした(2017年11月28日)。買値1,404円で千株だから、1,404,000円プラス証券会社手数料約8千円の投資である。
買った直後、D社株は1,300円にまで下がってひやりとしたが、その後は順調に上がって、1月19日現在1,573円。値上がり幅は169円だから、上昇率は12%。粗利は169,000-30,000=139,000円。2ヶ月の投資としては上々だ。
しかし、ミリオンの謳い文句は“短期急騰”であり、この程度で“短期急騰”と言えるのか?
私が11月末に自分の裁量で買った三菱電機は1906円から2175円に上がっているから、上昇率は14%で、D社を上回る。ただし、当時私が買ったのは三菱電機ばかりではなく、ほかの銘柄は上昇したものの上昇率は一桁台で、総じて日経平均の上昇率程度。
では、日経平均と比べたらどうなのか。日経平均は、11月28日の22,597円から1月19日現在の23,808円に上がった。上昇率は5.3%だから、D社株の実績は日経平均よりもはるかにベター。
11月28日 1月19日 上げ幅 上昇率
D社 1,404 1,573 169 12.0%
三菱電機 1,906 2,175 269 14.1%
日経平均 22,597 23,808 1,211 5.4%
D社株は“短期急騰”とまではいかないが、まずまずの結果を出したと評価する。100点満点で、85点としておこう。これ以上大幅に上がるとは思わないが、下がる理由もないし、11月28日の時点でミリオンは“目標株価は1,650円”と言っていたから、今しばらく保有して様子をみることにする。
さて、どの株式投資助言サービスも無料の推奨銘柄を発表する。餌を撒いて獲物が集まるのを待っているのだろうが、有料と無料の差は何だろう? 無料銘柄はどのような結果になったのか調べてみる。
11月28日にミリオンが発表した無料銘柄はプラコー(6347)だった。その時の株価は135円で、現在(1月19日)は133円だから僅かだが下がっている。
11月29日の無料銘柄はインテリックス(8940)。その時は995円で、現在1206円だから21%上げている。
11月30日の無料銘柄は渋谷工業(6340)。その時の株価は4,125円で、現在は4,905円だから19%の上昇。
その他の無料銘柄の実績は省略するが、上げたものもあり、下げたものもある。総じて上がっているものが圧倒的に多いが、株式市場全体が上がっているのだから当然である。気になるのは、無料銘柄でも大きく上げたものもあり、D社株のように有料銘柄でも無料銘柄より上がり方が少ないものもある、ということ。それなら、無料銘柄を活用する方がベターということになるのか。
私は、無料銘柄は有料銘柄より情報の質が劣ると思ったが、それは間違いだった。株式投資助言サービスの発信元が、発表したあとその株がどれくらい上がるか予測することは難しく、情報の質に差がでるはずがない。
では、タイトルに掲げた“「値上がりする株、教えます」の信頼性” の結論はどうなるか。ミリオンに関する限り、予測的中の方が圧倒的に多いから“信頼性あり”としたいところだが、これは株式市場が上昇局面にあるからではなかろうか。下降局面でもテストしてみないと何とも言えない、が結論である。