頑固爺の言いたい放題

森羅万象なんでもござれ、面白い話題を拾ってレポートします。

NHKによる軍艦島の大誤報

2021-04-30 16:00:33 | メモ帳
4月22日の産経新聞に「NHKの国会答弁は到底納得できません」と題した全面広告が掲載された。その文面は、昭和30年(1955)11月17日に放送された番組「緑なき島」に捏造写真が使われていることを問題視している。

“捏造”とする根拠は、YouTubeの動画<“負の遺産”軍艦島はNHKの捏造から始まった>(製作者:真実の歴史を追求する端島島民の会)に示されているが、いくつか挙げてみよう。

●NHKの番組には褌一丁の作業員が登場するが、三菱鉱山の保安規程では、坑内作業員は衣服の着用が義務づけられていた。
●同様に、作業員はキャップランプ(安全灯)がついているヘルメットの着用が義務づけられていたが、番組に登場する作業員は異なるヘルメットをかぶっている。
●当時、坑内の撮影は禁止されていた。
(以下、省略)

どう見ても、番組の映像は間違っている。別の炭坑で撮影されたか、またはこの番組のために特に撮影された映像であることは確かである。この件で、青山繁晴および和田政宗両参院議員が国会の場で、それぞれNHKの会長・副会長に質問したが、誠意ある回答を得られなかった。

では、なぜ66年前の番組が今になって問題視されているのかというと、韓国の反日活動に「緑なき島」の映像が悪用されているから。2015年にユネスコの世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」の中に端島炭坑(通称軍艦島)があり、この登録を記念して、「緑なき島」のDVDが発売され、韓国の反日団体が入手したものとみられる。

その反日活動とは具体的に、2015年に開館した釜山の国立日帝強制動員歴史館に「緑なき島」の映像が展示されていること、韓国映画「軍艦島」はこのDVDを参考にしたことが明らかであること、KBS放送の番組で「緑なき島」の映像が使用されたこと、など。

この「軍艦島」関連の出来事を時系列に示すと次のようになる。

1955年(S30)11 月17日 NHKが「緑なき島」を放送
1974年(S49)端島炭坑(軍艦島)閉山
2015年7月 明治日本の産業革命遺産をユネスコの世界遺産に登録
2015年11月 NHKはDVD「軍艦島よ、永遠に」を発売
2015年12月 国立日帝強制動員歴史館(釜山)開館
2017年7月 韓国映画「軍艦島」が大ヒット
2018年10月 韓国大法院は元徴用工の損害賠償責任を認める
2020年3月 産業遺産情報センター(新宿区若松町)開館
2021年1月15日 韓国KBSTVが番組「列島の視覚」にて「緑なき島」の映像を使用
2021年3月16日 参院内閣委員会で和田政宗議員がNHK副会長に質疑
    3月30日 参院総務委員会で青山繁晴議員がNHK前田晃伸会長に質疑

NHKが「緑なき島」を制作した当時からすでに66年経過しており、番組の映像がどこで撮影されたかの記録が社内に見つからないのだろう(または、見つかったが、知らん顔している)。しかし、動画<“負の遺産”軍艦島はNHKの捏造から始まった>を見れば、この番組で使用された映像が軍艦島の映像ではないことは明らかである。

昭和30年当時は、戦前の日本をなんでも否定する意識が一般的だったから、番組制作者は歪曲または捏造した映像を使用することに心理的抵抗を感じなかったのだろう。後年、この映像によって日本が多大の迷惑を蒙ることになるなど、夢にも思わなかったに違いない。

だが、番組制作者のミステークは日本の国益を大きく損なった。朝日新聞の慰安婦誤報に匹敵する大誤報である。そして、誤った方向に導いたという点で、韓国人にも迷惑をかけたといえよう。NHKはこの大誤報を全世界に謝罪すべきである。

次回は、今回の続編として、「韓国人の徴用工問題に関する認識」を論じる。


原発処理水:風評被害への対策

2021-04-28 15:08:50 | メモ帳
韓国政府のタスクフォースは最近「日本の福島原発の処理水の海洋放出は問題なし」という報告書を発表した。これに続いて、韓国の原子力委員会も「汚染水を浄化する日本の多核種除去設備(ALPS)の性能に問題はない。漠然とした不安感を持つ必要はない」と発表した。

それでも韓国が日本非難をやめないのはさておき、爺は「韓国当局は、なぜ韓国の原発が放出する処理水と福島原発が放出する処理水を比較しないのか」という疑問を抱いた。その答えは多分、韓国の原発処理水の方が福島原発よりもトリチューム含有量が多いからだろう。

次に生じる疑問は「日本では、なぜ福島原発の処理水と他の原発の処理水を比較しないのか」である。

現在稼働中の原発は西日本に9基あるが、そこから排出される処理水は福島で貯蔵されている処理水と同じものであるはずだ。そして、日本人は過去60年以上に亘り、原発処理水が放出されている海域で獲れる水産物をなんの疑いもなく食べてきた。そして、健康被害は報告されていない。

この事実を明らかにすれば、福島原発の処理水が福島で放出されても、消費者が福島産の水産物を敬遠することはないはずである。

ことによると、漁業関係者は福島以外の原発からも同じ処理水が放出されていることが報じられると、その原発周辺の海域で獲れる魚介類に風評被害が発生すると懸念しているのではないか。

その懸念があるので、漁業関係者は政府とマスコミに、福島以外の原発について論じないように依頼しているのではないか。もしそうであるなら、福島産魚介類への風評被害の犯人は政府とマスコミということになる。韓国を笑っている場合ではないのである。

ここで政府とマスコミがやるべきことは、日本人は福島原発と同じ処理水が排出される海域で獲れる魚介類を、60年以上に亘り食べてきたことを衆知させることである。たとえ消費者がこの事実を知っても、魚介類の需要が減ることはないだろう。

こうした観点から、某新聞に下記の文面の投書を送った(赤字)。

原発処理水の風評被害を払拭せよ
原発処理水を2年後以降に海洋放出するという政府の方針に対して、漁業関係者が風評被害の懸念を表明している。その懸念とは、消費者が「福島産の魚介類はなんとなく気味が悪い」として嫌がることである。
ところが、稼働中の他の原発からも、数十年に亘って処理水は放出されており、その海域で獲れる魚介類に健康被害も風評被害も発生していない。政府はこの事実を国民に周知せしめるべきだ。
また、福島原発の処理水の海洋放出を福島以外でも実施してはどうか。処理水をタンカーに積み込んで、日本列島周辺に万遍なく散布することも一案である。
狙いは、福島の苦しみを日本全体で共有することである。政府は風評被害の損失を補償することを検討しているが、風評被害そのものを払拭することも必要である。

残念ながら、この投書はボツになった。風評被害の責任が政府だけにあるように表現する方が採用になる可能性が高いと思い、投書ではあえてマスコミをはずして政府だけを批判したのだが、同じことだった(笑)。

ともあれ、福島原発の処理水に関わる風評被害は不可解である。





湯河原町の失敗(2)

2021-04-25 17:16:02 | メモ帳
前々回(4月20日)の「湯河原町の失敗」において、湯河原町がワクチン接種の予約可能人数950人に対して、65歳以上の町民(1万人)全員を対象にして募集した結果、電話が通じない状況(以下、「回線のパンク」)が発生したことを論じた。

町内新聞の「日刊相豆」によれば、<今回の募集で、初日に720人、二日目に230人の受付を行い、今回の予約は完了した。そして、電話に要した時間は1人5分から10分だった>。

この記事を読んで感じた疑問は<電話予約は日取りを決めるだけだから、1人2~3分もあれば十分のはず。なぜ5~10分を要したのか>である。

その原因は、配布された「ワクチン接種のご案内」に記載されている<診察の結果次第では、接種できない場合がある>という文言だと想像する。すなわち、<予約できた人には予約券と予診票が送られてきて、その予診票に必要事項を記入して接種時に提出する>と書かれているが、どのような場合に接種を受けられないのかの説明がない。

運よく電話がつながった人は、多分「どのような場合に接種を断られるのか」と質問しただろう。町当局は、「それは当日、記入された予診票を見て医師が判断することになります」と答えたと思う。しかし、接種応募者はその解答に満足せず、電話での対応に予想外の時間がかかったのではないか。

町当局は「接種できない場合」をある程度具体的に説明するとともに、これに関する質問は別の電話窓口を設定すべきだった。もちろん募集窓口の混雑を避けるためである。

「回線のパンク」は他の自治体でもおきているようだ。読売新聞4月23日の社説は、「接種の混乱回避に工夫を急げ」という見出しで次のように論じている(赤字)。

・・・千葉県市川市では・・・回線がパンクした。他の自治体でも同様のトラブルが起きている。どのような手続きで予約を取るのか。枠が埋まっている場合は、いつまで待てばいいのか。情報が不確かなままでは高齢者の不安や、政府、自治体への不信感が募るばかりだ。・・・

ところで、今回の募集で湯河原町当局は電話受付の係員を何人配置したのか。「日刊相豆」によれば、<初日は720人の予約を行った><1人5~10分の時間を要した>とあることから計算して、10~12人を配置したと推定する(計算基礎は省略)。

次回はこの人数を増やす必要があるかも知れないが、その前に考慮すべきことがある。それは、ワクチンを募集人数分だけ用意したとしても、そして電話受付係員を前回よりも増やしたとしても、「回線のパンク」は起きる可能性があること。その理由は、電話コールが時間的に偏る可能性があるためである。

「回線のパンク」を防止するには、次のような方策が必要である。
  • 接種の総体的スケジュールを発表して、接種希望者は最終的には全員が接種を受けられることを衆知せしめること。
  • 入手したワクチンの数量に見合った接種対象者を設定すること。
  • 応募者を細分化して、電話コールそのものを分散させる方策を講じること。細分化の方法としては、年齢別以外にも、地域別にすることも考えられる。
きりがないからこの辺でやめておくが、ともかく次回の募集には万全を期してもらいたい。

さて、不思議なのは米国では短期間に1億人もの人たちが接種を受けたこと。米国では、日本のようにキチンとしたスケジュールを組み立てず、かなり大雑把な要領で実施したのではないだろうか。そうでないと短期間における大量の接種は難しい。英国も同様である。

米国や英国始め、諸外国ではスピードを最優先に実施したと思う。日本はこれら諸国の実施要領を参考にすべきである。




慰安婦訴訟:窮地を脱した文大統領

2021-04-23 10:37:10 | メモ帳
ソウル中央地裁は4月21日、元慰安婦などが日本政府を相手にした損害賠償請求を却下した。その根拠は国家の主権免除である。この判断は1月の判決とは真逆であり、両国の国民にとってサプライズだった。

1月に原告勝訴の判決が出されたとき、新聞記者会見の席上で文氏は「困惑している」と本音をもらした。その背景には、バイデン大統領はオバマ政権の副大統領だったとき、水面下で慰安婦合意を押し進めた当人だったという事情がある。さらに、バイデン政権から日本との関係改善を求められている、ということもある。

では、なぜソウル地方裁の判断がわずか3カ月で真逆に変化したのか。

偶然にも文大統領の「困惑」発言から2週間ほど経過した2月初めに定期人事異動があり、慰安婦訴訟に原告の勝訴判決を下したソウル地裁の当該部門はメンバー全員が交代した。同じ裁判官が僅か2カ月で判断を変えることはないが、違う裁判官ならありうることである。

新任の裁判官が忖度したのか、または内々で文氏と話し合ったかはともかくとして、裁判官の交代は文氏にとって、ラッキーなことだった。2015年の慰安婦合意を蹴飛ばしたのは文氏であり、その結果自縄自縛となって動けなくなっていた文氏にとっては、「ヤレヤレこれで助かった」という気持ちだろう。自分の体面を汚すことなく、とりあえずは窮地を脱した。これまでと同様に「私は司法に従う」と言えばいい。

だが、慰安婦問題がこれで解決したのではない。原告の控訴もありえるし、国民感情がこれで収まるわけでもない。むしろ、鬱積した不満が一層強まる可能性がある。

とどのつまりは、うら若い女性が拉致されたとか、性奴隷にされたとかの嘘を正すことが必要である。今のところ、そうした抜本的解決を図ろうとする動きが日本にないのは残念である。






ワクチン接種:湯河原町の失敗

2021-04-20 15:23:17 | メモ帳
湯河原町が発表した第一回ワクチン接種のスケジュールは次のようである。

65歳以上の町民を対象として、5月7日~18日の期間に10回の接種を実施し、1回100人で合計950人が接種を受ける(50人の日が1日だけある)。場所は体育館。接種の申し込みは電話のみで、4月19日(月)午前9時開始。

このスケジュールを見て、疑問に感じたことは次の通り。

(1)全体のスケジュールの問題点
湯河原町の65歳以上(以下、高齢者)の人口は約1万人だから、第一回接種の人数(950人)は全体の1割にも満たない。残る9割のためのワクチンの手当てはどうなっているのか、そしてその接種スケジュールはどうなっているのか。

(2)電話受付の問題点
(イ)高齢者全員が受付開始とともに一斉に電話することはないにしても、数千人は初日の4月19日に電話するだろう。電話受け付けの係員が何人いても、電話が繋がらない可能性が高い。

(ロ)予約受付は数時間で完了するはずで、その後に電話が繋がった人は「本日の予約は終了しました」というメッセージを聞くだけになるはずだ。

(イ)(ロ)の懸念は現実になった。私は初日(19日)に20回以上ダイアルしたが、繋がらなかった。今朝のラジオ体操の会で、数人に尋ねたところ皆、異口同音に「電話がつながらなかった」と言っていた。本日(20日)も数回電話したが、午後3時現在、繋がっていない。たとえ繋がっても「もう終了しました」という説明を聞くだけだろう。

こうした電話のパンクは八王子市ですでに起きており、湯河原町も同じ轍を踏まぬよう配慮すべきだった。具体的には、入手したワクチンの人数分だけ、募集すればよかったのである。

さて、湯河原町の人口の年齢別構成を調べてみると、次のようになっている。

65-69歳              2,127人
70-74歳              2,483人
75-79歳              2,261人
80-84歳              1,605人
85-89歳              990人
90歳以上             627人

第一回接種に用意したワクチンの量が950人分だったのだから、最初の募集は85歳以上の (990+627=)1,617人を対象にすべきだった。それならば、電話のパンクはおきなかっただろう。

接種を希望しながらも“はずれ”になった人(電話がつながらなかった人)には、次回の募集に優先的に割り当てられるよう、別の電話窓口を設定すればいい。

次回は、入手したワクチンの量と年齢別人口を勘案しつつ、募集人数をきめればいい。

湯河原町ワクチン担当者殿:次回はうまくやって下さいね。












原発処理水:風評被害の解決策

2021-04-19 13:59:15 | メモ帳
日本政府が「福島原発の処理水を2年後から海洋放出する」と発表したことに対し、中國・韓国・台湾・ロシア・北朝鮮が「容認できない」「極めて無責任」などと猛反発している。

彼らがなにを根拠に反発しているのかと仔細に新聞を読んだが、反発の根拠を見つけることはできなかった。文在寅大統領も最初は国際海洋法裁判所への提訴を示唆したが、IAEA(国際原子力機関)が日本の方針に理解を示していることや、放出が2年後であるため、被害の立証が困難などの理由で断念した模様だ。

とどのつまりは、敵性国家は科学的根拠なしに危険を煽っていることになる。これでは風評被害の国際版である。

横道にそれるが、韓国のマスコミは福島原発の処理水を「汚染水」と呼んでいる。では韓国の原発が排出する水は何と呼ぶのかという疑問を持ち、韓国の新聞(日本語版)を注意して読んでみたが、見つからなかった。もしも彼らが韓国の原発が排出する水を「処理水」と呼んでいるなら<自分がするのはロマンスだが、他人がするのは不倫だ>と言うのと同じである(笑)。

本論に戻る。水処理でどうしても残るのはトリチュームであり、その量(ベクレル)が争点となるが、福島原発から出た処理水のトリチューム量は、韓国の月城原発や古里原発から排出される量よりも少ないことが立証されている。

この二つの韓国の原発施設は、ともに東南部の海岸にある。その位置と海流の関係を考えれば、中國や北朝鮮、ロシアが韓国に苦情を言うなら理解できる。しかし、韓国には黙っていて、日本の東側で排出される処理水に反対を唱えるのは理屈に合わない。

では、韓国政府は処理水の危険性に関し、どのような情報を得ているのか。韓国政府の作業部会は昨年10月、「福島の処理水が海洋に放出されても、海流に乗って希釈・拡散するので、韓国への影響はあまりない」という報告書を提出した(産経新聞4月17日)。

それでいて韓国政府は日本に抗議したのだから、自分の抗議が理不尽であることを承知していたわけだ。韓国政府の抗議は韓国国民に対するメッセージだったのではないのか。

この報告書の内容は、韓国でも一部のマスコミによって報じられた。その時、「国民の力」党のチュ・ホヨン権限代行は「日本なんかに口実を与えてはならない」「原発汚染水の放出は、どのような理由でも妥協の余地はない」と発言した(シンシアリーのブログより)。

換言すると、韓国は情報を隠蔽してでも、風評被害の国際版を煽りたいということになる。韓国にとっては、処理水問題は反日運動の一環であって、慰安婦問題や徴用工問題と同列の事案なのである。このような風評被害の国際版には解決策がない。日本としては根気よく、韓国等の敵性国家の発言に一つひとつ反論していくほかない。

むしろ、処理水問題は国内の風評被害の方が深刻である。そこで提案だが、処理水の放出は福島だけで行わず、日本全国で実施してはどうか。具体的には、処理水をタンカーに積み込んで日本の領海全域に散布する。費用との兼ね合いもあり、全国的散布は処理水全量である必要はなく、ごく一部で十分である。

このプロジェクトの狙いは、福島の苦しみは日本全体で分かち合うことである。この案が実行されれば、「福島産の魚は気味が悪いから食べない」ということにはならないだろう。それとも、「それなら輸入した魚しか食べない」ということになるのか(笑)。

突拍子もない案ではあるが、これよりベターな解決策はないように思えるのだ。






町議会議員が町を相手に訴訟!!(2)

2021-04-17 12:51:07 | メモ帳
今回は4月10日の投稿「町議会議員が町を相手に訴訟!!」のその後の展開がテーマである。

4月14日、横浜地方裁判所において、土屋由希子議員の第一回口頭弁論が行われた。その発言の一部を引用する(赤字)。

・・・今回裁判を決心したのは、これは私だけの問題ではない、ましてや湯河原町だけの問題ではない、地方議会がこの様に民主主義からかけ離れたふるまいをする事で、日本という社会全体がダメになってしまうと思ったからです。
市民の代表として、悪い事は悪い、正しい事は正しいと発言する事ができない議会であれば、それは議会として機能していません。町民に対する人権侵害を指摘したら懲罰を受けるなど、こんなことが許されてしまったら今後湯河原町の議員は何も発言できなくなってしまいます。(以下省略)

原告の土屋議員はこの裁判に対する基本理念と民主主義の根幹を述べているわけで、その趣旨には誰しも共感するだろう。裁判官たちの心証もよかったはずだ。今後、この裁判が同議員に有利に展開する地合いが形成された印象を受ける。

さて、土屋議員は自身に科せられた懲罰の撤回を求めて提訴したのだが、裁判の争点は二つある。(4月10日の文面と一部重複する)

(1)秘密の漏洩
湯河原町議会の広報誌『議会ゆがわら』(令和2年11月)に「なぜ懲罰か」という見出しで、次の記述がある(赤字)。

9月定例会における一般質問の場において土屋由希子議員が「秘密会の議事を他に漏らしてはいけない」とする議会内部のルールを破ってしまったため、・・・懲罰が科せられることとなりました

土屋議員の秘密漏洩とは、同議員が定例会の席上で<滞納者リストに回収されないものがあることは問題だ>と述べたこと指す。つまり、この発言は秘密会の席で提起されるべきであるにもかかわらず、定例会の席で提起されたことが秘密の漏洩に当たる、というわけだ。

ところが、2015年7月17日の議事録に、町役場の徴税対策課長の税金滞納者リストに関する発言として次のように記されている(赤字)。

本日お配りしました、こちらの資料につきましては、冒頭、副委員長の方から、各自で保管ということでお願いいたしましたが、ご自宅に持って帰ることや保管が難しい方につきましては、そのまま置いておいていただければ、当課の方で保管いたします。

この発言は<議員に渡した滞納者リストには、返還されるものとされないものがある>ことを明確に示しており、議事録は誰でも閲覧できるから、土屋議員の発言は秘密の漏洩には相当しないことになる。

爺の想像だが、秘密会の議事を議事録に残したことは、議会&/or事務方のエラーだったのではないか。換言すれば、議会と町役場当局には秘密管理に対する意識が希薄だったのであり、土屋議員の秘密漏洩を非難する資格はない。

この裁判は原告の土屋議員が一方的に有利であるように思えるが、湯河原町がこの裁判を受けて立ったからには、それなりに勝算があってのことだろう。被告(湯河原町)の弁護士がどういう弁論を展開するのか、次の公判が楽しみである。

(2)何がプライバシー侵害になるか
この裁判では、何がプライバシー侵害に相当するかは、副次的マターである。しかし、プライバシーの開示がどこまで許されるかは、この判決に影響を及ぼす。ついては、この問題の論点を整理しておきたい。

論点(A)
被告は<税金滞納者のリストを議員が保管することは、プライバシーの侵害には当たらない>という立場を取っている。つまり、議員たちがそのリストを悪用することはないし、そのリストを第三者に見せることもないという信頼のもとに、町役場は議員がリストを保管することを認めているのである。

論点(B)
徴税は議員の役割ではないにせよ、滞納の状況は把握しておくべきである。しかし、それならば議員には名前と住所を黒塗りにしたリストを見せれば十分のはずである(実際に、最近このように変更された)

裁判所は(A)と(B)のどちらかを選ぶのか。その選択はプライバシー侵害に関する普遍的基準を示すことになる。

ということで、この裁判がどういう展開になるか、このブログで今後も引き続き注視していくつもりである。










韓国の新聞紙の東南アジア向け輸出が急増

2021-04-15 17:16:20 | メモ帳
韓国のMBC放送は最近、韓国の新聞紙の輸出が急増していると報じた。

その報道は大略、次のようである(青字)。

2017年までは、韓国の新聞紙輸出は年間100~200トンだったが、その後下記のように急増している。

2018年 1,000トン
2019年 4,500トン
2020年 18,000トン

大手新聞の未使用の新聞紙が、バンコックのIKEA(家具店)などで包装紙として使われていることが目撃された。タイ始め東南アジア諸国では、他国の新聞紙も入手可能だが、韓国製は未使用なのでマッサラであることと、大量に入手できることで人気がある。価格は円貨換算でキロ50円程度。仕向け国はタイ、インドネシア、パキスタン、フィリッピンなど。

実売数の歪曲は、補助金や広告料金にも関係することであり、いろいろな調査が実施されているが、有料部数は60%とか50%という説もある。

韓国の新聞社が包装用に余分に印刷することはありえず(笑)、余った新聞を廃棄する代わりにタダ同然で輸出したものと考えられる。新聞が売れなくなったことの証左だろう。

韓国における急速な新聞離れは、ネットで情報を取る人が増えたことと、所得の減少に原因があると判断してよさそうだ。

だが、対岸の火事と笑ってはいられない。これは早かれ遅かれ、日本でも起こりえることなのである。









・・2019年の国内紙の新聞購読率は6.4%。10年間で4分の1に急減したのに対し、同じ期間の新聞発行部数はほとんど減らずにそのままです。新品の新聞があまるしかありません。新聞社の影響力を決定する有料部数の操作が疑われます。

新聞発行部数を集計するABC協会が昨年明らかにした発行部数比有料部数の割合は、朝鮮日報の場合96%。しかし、文化観光体育部が朝鮮日報9つの支局を調査した結果、有料部数の割合は60%台で、捜査を進めています。



【キム・ドンジョ/全国新聞販売連帯委員長] 「購読者の数が減ったから(各新聞社の支局の)購読料収入も減るものでしょう。(※なのに無理矢理販売ノルマを押し付けられるから)新聞を古紙として売って新聞代金に足すしかないですよ。これに何の意味がありますか」



新聞発行部数は、特に有料部数は広告単価だけでなく、国家の補助金を策定する重要な基準。新聞社が、読まれないと知っていつつ新聞を刷って、支局に押し付けて、耐えられなくなった支局が海外に(※包装紙として)販路まで開拓しつつ、見苦しい「新聞紙韓流」は、しばらく続く見込みです>>





ビストロ・ネモ(湯河原)で過ごす至福の時

2021-04-13 17:38:28 | メモ帳
われわれ夫婦の共通する趣味ないし娯楽はいくつかあるが、その一つは馴染みの店でゆったりと酒を飲みながら、旨いものを食べること。そして、その一軒は自宅から徒歩5分ほどの場所にあるビストロ・ネモ。

ネモは、ミスターがシェフで、ミセスが接客を担当するこぢんまりとした店。開店してから3年半ぐらいになる。4人掛けのテーブルが3卓と、カウンター席が8席。

<馴染みの店>と言っても月に1~2度しか行かないが、予約の電話を入れた時、ミセスに“コンニチワ”と言っただけで、こちらが誰だかすぐわかるらしいから、常連客の部類に入るだろう。ウィークデーにしか行かないこともあって、テーブルが3卓全部埋まることはまずないから、コロナの心配はない。メニューにある料理の品数は、多からず、少なからず(写真)。多すぎると迷うし、読むのに時間がかかるので、このくらいが丁度いい。

我々が注文する定番アイテムは、パテドカンパーニュ・ハーフ(1,100円)、きのことベーコンのキッシュ(880円)、白ソーセージ2本(1,320円)、牛ほほ肉の赤ワイン煮(2,650円)、まぐろほほ肉のムニエル(1,700円)など。どれも味は文句のつけようがなし。


きのことベーコンのキーシュ

年を取って胃袋が小さくなったこともあり、料理は腹八分目に抑えて注文し、ワイン1本を二人で飲んで、締めて一人5,000円~6,000円。安くはないが、それだけの値打ちがある出費である。

同じ事の繰り返しになり勝ちな隠居生活にメリハリをつける意味で、ネモは我々夫婦にとって、なくてはならない店なのである。





町議会議員が町を相手に訴訟!!

2021-04-10 11:56:36 | メモ帳
「町議会の議員が町を相手に訴訟」とは前代未聞の珍事である。その珍事が頑固爺の住む湯河原町で進行中だ。この件は以前にもこのブログで取り上げたが、それが裁判にまで進展したので、改めて全体を説明する。

【発端】
令和2年9月、湯河原町議会の定例会において、土屋由希子議員は「町税等の滞納者リストが議員に配布されているが、その一部が回収されていないのは問題ではないか」と発言した。

部外者には分かりにくいので、補足する。
町民税や固定資産税の滞納者のリスト(約2千件の滞納者の個人名や金額等を記した厚さ3-4センチになる資料)が町役場職員によって町議会の議員に手渡される。これはプライバシーの侵害と紙一重だが、議員が滞納の実状を知っておくためには必要な措置である。ただし、リストが悪用されることを防ぐために、議員は閲覧後、返却することになっている。土屋議員は「その返却されるべきリストが、一部返却されていないのは問題だ」と指摘したのである。

【懲罰処分】
ところが、土屋議員の発言は、「秘密会*の議事を外部に漏らしてはならないという議会内部のルールを破った」(議会の広報誌『議会ゆがわら』より)ことになり、同議員は懲罰処分を科せられた。その処分とは、「公開の場における陳謝」と、1日の出席停止である。

*(注)「秘密会」は法的に認められているオフレコの会議。

これに対して、土屋議員は陳謝を拒否し、書面で次のように反論した。
「過去に開催した町税等徴収対策強化特別委員会の議事録にある内容と今回の自分の発言内容は同一であり、なんら秘密の内容ではありません。(以下省略)」

この発言にある「過去の議事録」とは、具体的には平成27年(2015年)7月17 日の議事に関わるもので、町役場の徴税対策課長が、「議員に渡した滞納者リストは返却してもいいが、そのまま保管しても構わない」と説明したことが記録されている。そして、議事録は誰でもネットで閲覧できる。

したがって、議員が滞納者リストを閲覧し、返却しないものがあることは秘密ではなく、懲罰の根拠が間違っていることになる。議会側はこの反論の重大性に気づいていなかったのではないか。

頑固爺の疑問は、<秘密会の議事は議事録に記録されないはずだが、なぜ議事録に掲載されたのか>である。これは事務方のミスかもしれないが、その議事録は議員たちも承認しているはずである。

爺の推測に過ぎないが、議員たちには秘密保持の意識が希薄だったのではないか。そして、同じ理由で、3年前の議事録に「秘密会」に関する議事が記載されていたことを忘れていたのではないだろうか。

【訴訟】
土屋議員は、(1) 不当な懲罰(陳謝と出席停止)の取り消し、(2) 名誉棄損に対し50万円の損害賠償、(3)『議会ゆがわら』に謝罪広告を掲載、を求める訴訟を提起した。第一回口頭弁論は4月14日、横浜地方裁判所で行われる。

【頑固爺所感】
そもそも、町議会が土屋議員に懲罰を科したことは過剰反応だったと思う。同議員が町政の不合理な点をいくつも指摘したことから、「あの新人女性議員は生意気だから、懲らしめてやろう」という気分があり、その気分が過剰反応につながったと推測する。

また、『議会ゆがわら』には、土屋議員の謝罪文も掲載されているが、同議員によれば、この謝罪文は議会側が用意して、議場で同議員が読み上げるよう求めたが、同議員が拒否したものだという。『議会ゆがわら』は、土屋議員が謝罪を拒否したと記述しているから、この謝罪文と矛盾する。つまり、謝罪文掲載は余計なことであり、無自覚ののオウンゴールだった。

ともあれ、この裁判では被告(湯河原町)の立場は非常に不利である。湯河原町の敗訴になると、50万円の損害賠償金と裁判費用を町の財政から支出されることになるだろうが、納税者の観点では、バカバカしい出費としか言い様がない。さらに、関係者が裁判でムダな時間を費やすのも看過できない。

ついては、湯河原町は土屋議員に示談を申し入れてはどうか。その条件は、<議会は土屋議員の懲罰処分を撤回し、『議会ゆがわら』紙上でそのむねを報じる。一方、土屋議員は50万円の損害賠償要求を撤回する>である。
                                                                                                         終
【追記】
「秘密会」で配布される滞納者リストは、今後名前と住所を黒塗りにするように改正された(12月4日朝日新聞)。これは大きな進歩であり、土屋効果である。

さて、黒塗りのリストなら、議員たちが自宅に持ち帰る意味がなくなり、議場で一部だけを各議員が回覧すれば事足りる。そして、「滞納者リスト」の議事は「秘密会」扱いである必要はなく、本会議の扱いに変更していいのではないだろうか。


ラムザイヤー事件の総括

2021-04-07 16:41:20 | メモ帳
このブログで数回取り上げたハーバード大学のラムザイヤー教授の慰安婦に関する論文に関して、韓国と米国で激しい批判が巻き起こり、韓国の新聞は連日この問題を取り上げた。しかし、論争はようやく収束して、このところ韓国のマスコミの関心事ではなくなったようだ。

一方、論壇誌の「正論」「WILL」「HANADA」の5月号は、いずれもこの問題に関する論文を掲載しているので、各論者の意見を参考にしつつ、ラムザイヤー事件を総括してみたい。

発端は1月31日の産経新聞が、ハーバート大学のラムザイヤー教授が発表した学術論文「太平洋戦争における性サービスの契約 (Contracting for sex in the Pacific War)」の要旨を報じたこと。その内容は<慰安婦は契約に基づいて、日本軍兵士に対して売春ビジネスを行った>というものである。その詳細と経過については、当ブログの1月31日、2月2日、2月14日、3月2日、3月10日の投稿をご覧頂きたい。

産経新聞の記事でこの論文に気づいた韓国人(在米韓国人を含む)は猛烈なラムザイヤー攻撃を繰り広げた。韓国人がいきりたったわけは、この論文が<慰安婦=性奴隷説や日本軍による拉致説>を否定することになり、慰安婦運動の大義が地に堕ちてしまい、韓国の道徳性は土台から音をたてて崩れてしまうからである。

この韓国人のラムザイヤー攻撃には問題点が二つあった。
  • 契約書の欠如は当然
在米の韓国系学者たちは、「慰安婦たちが契約に基づいて行動したのなら、その契約書を提示すべきだ」と主張した。しかし、契約は口頭の約束だけで成立するものであり、かりに当事者が契約書を作成したとしても、事が終われば廃棄しただろう。私文書を保管しておく理由はまったくない。だから、契約書の提示を求めることは無意味なのである。
  • 個人攻撃は不当
韓国人たちは、ラ教授が日本育ちであることや、日本企業の紐付きであることを挙げ、日本贔屓だから事実を歪曲して、日本に有利な論文を書いたと主張した。しかし、ラ教授は資料に基づいての論理的帰結を論文にまとめただけである。韓国人たちは感情的にいきりたつのではなく、論理で反論すべきだった。

結論として、ラ論文は韓国人を困惑させたが、慰安婦問題を終結させるには程遠いものであった。その理由は二つある。
  • 沈黙した日本のマスコミ
ラ論文を報じたのは産経新聞だけだった。爺は読売新聞も講読しているが、ラ論文についてはまったく黙殺した。朝日と毎日はしっかりチェックしたわけではないが、読売と同様だったと推測する。一方、韓国の大手紙の日本語版は、この2月から3月にかけて、連日この話題を報じていた。

日本のマスコミが産経新聞のスクープの後追い記事を書きたくなかった気持ちは理解できるが、韓国のマスコミの大騒ぎはニューズヴァリューが十分にあったと思う。彼らは日本のマスコミの報道に神経を尖らせており、歴史問題に関する日本のマスコミの見解は必ず韓国で報道される。

なので、日本のマスコミはラ論文を性奴隷否定論と捉え、ラ教授を援護すべきだった。まるで、無死満塁の絶好のチャンスに、中軸打者3人が打つ気なく、揃って見逃し三振したようなものである。
  • 河野談話の足枷
ラ論文は間接的に日本軍による女性拉致を否定するが、韓国側は拉致を肯定した河野談話*との矛盾を突いてきた。河野談話が否定されない限り、慰安婦問題は根本的には解決したことにはならない。

結論として、この事件は韓国人の非論理性を浮き彫りにしたものの、韓国人は喚き散らすことで弱味を揉み消すことに成功した、という印象を受けるのである。

*(注)河野談話は日本軍の非人道性を謝罪したものであり、そして口頭で日本軍の拉致を認めている。










中国が乗っ取ったモーリタニアのタコ漁業

2021-04-05 15:24:35 | メモ帳
何年も前のことだが、次のような新聞(か雑誌)の記事を読んだことがある。

<日本の公的機関からアフリカのどこかの国に派遣された職員がタコの資源が豊富であることに着目して、日本からタコ壺を輸入し、タコ漁を始めた。これが大当たりで、タコの対日輸出がその国の大きな産業になった>

爺は商社マン時代に食品を担当し、開発輸入を何度か手掛けたことがあるので、こうした類の話には興味があった。そしてその人物の着想力と実行力に敬服した。それから数十年、この話は脳裏からすっかり消えていた。

ところが、WILL5月号の記事、“中国のせいで「たこ焼き」が危ない”(筆者は須田慎一郎)を読んで、昔の記憶が蘇った。

“中国のせいで・・・”の記事で改めて思い出したが、「アフリカのどこか」とはアフリカ大陸の西北部に位置するモーリタニアで、「日本の公的機関」とは国際協力事業団(現在のJICA―国際協力機構)だった。そして、その職員とは中村正明氏で、同氏がこのタコ事業を始めたのは1978年。

ちなみに、モーリタニア産の真蛸は水分を多く含んでおり、熱を通すと適度に水分が抜けてふっくらするため、タコ焼きにはうってつけなのである。

そして今や、タコがモーリタニアの水産物輸出の86%を占めるまでになった。その功績により、中村氏はモーリタニアの大統領から2010年に国家功労賞を受賞した(出所:Wikipedia)。

日本のタコ消費量は年間16万トンで、国産が5万トン、輸入が11万トン。その内、モーリタニア産が35%を占める。なお、世界中でもっとも多くタコを消費する国はダントツで日本であり、他の国ではスペイン、米国、中国がある。

ちなみに、モーリタニアの人口は約400万人。1960年にフランスから独立したイスラム国家である。

さて、この話が単なるサクセス・ストーリーで終われば“メデタシメデタシ“だが、そうはならなかった。問題は中国の介入である。

中國の「一帯一路」政策はモーリタニアにも及んでおり、国の基幹コンピュータ―システム、大統領公邸や国会議事場も中国の無償供与によるもの。同国の経済は中国によって支えられており、2017年にはそれまで右肩下がりだったGDPはプラス成長となっている(“中国のせいで・・・”より)。

ところが「一帯一路」政策はいいことづくめではなく、有償資金の返済が滞ることで、国の経済全体が中国の意のままになることもある。

モーリタニアのタコ漁業もその例にもれず、中國に乗っ取られた。中国人経営者が賃金をろくに支払わないから労働者が逃げ、その穴を刑務所に収監された犯罪者で埋めた。そして、収監者をタダ同然で働かせている(“中国のせいで・・・”より)。

それでもタコが十分に供給されていれば日本としては問題ないが、スペイン(パエリャの具とか酢漬けに使う)や中国などで需要が急増する一方、乱獲による資源の減少が懸念されているから、値上がりは避けられない状勢。

モーリタニアにはニチレイや東洋冷蔵などの水産会社が現地事務所を設け、タコの調達業務にあたっているが、相手が中国人に代わって、さぞ苦労していることだろう。日本のタコ焼き文化が崩壊しないことを願うのみである。


反日日本人の心理

2021-04-02 17:24:50 | メモ帳
4月2日の産経新聞の一面トップ記事は“記憶遺産「慰安婦」凍結へ”だった。記事から引用する(赤字)。

国連教育科学文化機関(ユネスコは)は、「世界の記憶」(世界の記憶資産)の制度改革案をまとめた。「政治利用」を狙った申請案件について、加盟国が登録を阻止できる仕組みを設ける。・・・この改革は2015年、中國が申請した「南京大虐殺」の登録後、制度の透明性を進める目的で始まった。2016年には、日韓などの民間団体が慰安婦関連資料の登録を申請、日本は反発し、政治利用を防ぐ制度作りを求めてきた。(以下省略)

要するに、政治利用される懸念がある案件は関係国が同意するまで棚上げになる、というもの。この制度改革によって、慰安婦問題が記憶遺産として登録されることはなくなった。日本としては喜ばしい改革である。

さて、この記事の「日韓などの民間団体が共同して進めてきた案件に日本政府が反発・・・」という部分に注目したい。これは、“日本と韓国の民間団体が共同して反日事案を推進してきた“ということであり、その日本側の主役は、記事にはないが、吉見義明中央大学名誉教授であることは間違いない。

その吉見氏とはどういう人物か。Wikipediaの記述を要約して引用する(赤字)。
吉見が慰安婦問題で脚光を浴びたのは、防衛庁図書館で閲覧した慰安婦に関する資料を朝日新聞に渡したことにはじまる。朝日新聞は1992年1月11日の朝刊1面で「慰安所への軍関与示す資料 防衛庁図書館に旧日本軍の通達・日誌」と吉見の資料による記事を掲載した。
吉見も「・・・軍が関与していたことは明々白々。元慰安婦が証言をしている現段階で『関与』を否定するのは、恥ずべきだろう。日韓協定で、補償の請求権はなくなったというが、国家対国家の補償と個人対国家の補償は違う。慰安婦に対しては、謝罪はもとより補償をすべきだと思う」と述べている。(以下、省略)

この朝日新聞の記事は、数日後の宮澤喜一首相(当時)の訪韓にタイミングを合わせたものであり、そのために宮澤氏はソウルで猛烈な反日デモに遭遇し、なん度も謝罪の言葉を述べる羽目になった。そして、この謝罪が当時の官房長官だった河野洋平氏の「河野談話」へとつながっていく(1993年)。

だが、この「軍の関与」とは、性病の予防などの慰安所の運営規則や、悪質な仲介業者の存在への注意などであり、軍が慰安婦を強制連行したことを示すものではなかった。吉見氏は自説に都合のいい部分だけを朝日新聞に提供したのである。

なお、それ以前から、朝日新聞は故吉田清治の大嘘である慰安婦拉致説を信じて報道していた。宮澤氏と河野氏はこの大嘘を信じていたと推測する。

ということで、1992年までは「慰安婦問題」はボヤだったが、この時に大火事になったのである。その後も朝日新聞は吉田清治の虚妄を繰り返し報道し、22年後の2014年になってようやくそれが誤報だったことを認め謝罪した。しかし、韓国はその謝罪を無視して、現在に至る。

吉見氏はその後も一貫して、韓国の反日組織の支柱の役割を果たしてきた。最近も韓国MBC放送のインタビューで、“慰安婦は契約に基づいて、ビジネスに従事した”という論文を発表したハーバード大学のラムザイヤー教授を批判して、慰安婦は性奴隷だったと主張し、ラムザイヤー論文は撤回されるべきだと主張した。

ちなみに、李承晩TV*の朱益鍾(ジュイクジョン)氏は、(1)慰安婦は報酬を得ていた、(2)前借金を返済すれば辞めることができた、などの理由により、慰安婦は性奴隷ではなかった、と反論している。

(注)李承晩TVとは、「反日種族主義」の編者である李栄薫氏が校長を務める李承晩学堂が運営するYouTubeチャネル。民主主義の実現、反日種族主義の克服などをテーマにする講座を放映している。

その動画は下のURLから見ることができる。方法は、このURLをコピーして、GoogleやYahooなどの検索画面に貼り付ければいい。韓国語だが、日本語の字幕がついている。日本語の訳文にいくつか誤りがあるものの十分判読可能。


さて、日本人である吉見氏が、なぜ日本を貶める反日的活動を続けるのかを考えてみたい。

頑固爺の想像だが、彼は朝日新聞の自虐史観に傾倒している。すなわち、先の戦争における日本の行為はすべて悪かったという贖罪意識が旺盛で、とくに韓国には謝りたい、と言う意識がある(以前、このブログに頻繁にコメントを寄せていた某氏がそうだった)。

そして、自説に誤りが見つかると(例 朝日新聞の誤報・謝罪)、修正はするが、<日本(軍)=悪>という基本思想は変えない。自説を変えることは彼のこれまでの人生を否定することになるから、変えるわけにはいかないのだろう。

信念は絶対に変えないというのは、良し悪しの問題ではなく、彼の哲学なのである。反日日本人と謗られても自説に固執するのは、考え様では賞賛に値する人物と言えよう。

(追記)
慰安婦問題で韓国の市民団体を日本側からサポートしているのは吉見氏だが、徴用工問題で吉見氏の役割を果たしているのは、東京大学名誉教授の和田春樹氏である。二つの歴史問題で、日本人が日本の国益を損なう行為を働いているのは、残念なことである。