頑固爺の言いたい放題

森羅万象なんでもござれ、面白い話題を拾ってレポートします。

自衛隊がパリで戦勝パレード!!

2014-10-20 13:25:10 | メモ帳

ホテルニューオータニで開催された国家基本問題研究所(国基研)主催のシンポジウム「国際情報戦をどう戦うか」に参加した(10月19日)。パネリストは小野寺五典元防衛大臣、田久保忠衛、西岡力の3氏で、司会は桜井よしこ氏。話題は朝日新聞の誤報を海外諸国にどう伝えるかがメインになるだろうと予想していたが、その他の話題も盛り沢山だった。その中から一つだけご紹介する。

 小野寺氏の発言

来年は第二次世界大戦終結から70周年を迎えるので、中国・韓国は戦勝国として日本を貶める計画をいろいろ練っているらしい。これに対抗して、日本は平和国家70周年をアッピールする。そして、パリ凱旋門周辺で行われる第一次世界大戦終結100周年記念パレードに日本の自衛隊も参加できるよう主催者側に要請、承諾を得ている。

 これは愉快ですねぇ。ウィキペディアには第一次世界大戦に関し、次のような記載があります。(注 参照)

青島・南洋諸島の攻略

11月7日に大日本帝国陸軍イギリス軍の連合軍は、ドイツ帝国東洋艦隊の根拠地だった中華民国山東省租借地である青島膠州湾の要塞を攻略した(青島の戦い、1914年10月31日 - 11月7日)。

また大日本帝国海軍は9月までに、太平洋におけるドイツ帝国の植民地だった南洋諸島のうち赤道以北の島々(ドイツ領マリアナ諸島カロリン諸島マーシャル諸島)を占領した。

 

注: 帰宅してすぐブログに投稿したが、そのあとネットでこのパレードの件を調べたところ、これは過去(今年7月)のことで、しかも自衛隊員4名の参加だったことがわかった。 その姿は、オリンピックの入場式で、大国(富裕国)が数百人規模で参加するのに対し、小国(発展途上国)が数名で参加しているみすぼらしい姿に重なった。愉快がるほどのことではなかった。もっとも、日本が平和国家であることをアッピールするには役立ったとは思うが....。


日本食ブームを加速させた日本酒

2014-10-07 17:35:55 | メモ帳

最近、デパートで高級地酒を日本観光のみやげに買う中国人が増えているらしい。現地での日本食ブームが原因であることは容易に想像できる。

世界各国の日本食人気はアメリカに端を発しており、日本から直接各国に伝播したわけではない。その証左は、各国ともアメリカで考案されたカリフォルニアロール(カニカマとアボカドを具にして、酢飯を外側にした巻物)を始めとする巻物がメニューの主力であること。

そして、日本食ブームを支えている重要な脇役が日本酒。以下、2009年に私がブログ「日本食ブームへの応援歌」(注参照)に書いたエッセイから抜粋して引用する。

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90年代半ばまでは、アメリカ人が日本食レストランで飲むアルコール飲料はビールか燗酒だった。燗酒とは大関、宝、月桂冠(現地生産が開始された年代順)などのアメリカ工場が生産する大衆酒。温めて飲むアルコール飲料が珍しいこと、そしてお銚子に異国情緒があることで、サケ=燗酒という認識が定着していた。

しかし、そうした状況ではお燗しない吟醸などの高級酒は売れないし、燗酒は夏場にビールに食われて注文が減る。つまり、燗酒は需要を創出したが、同時にサケの需要拡大を阻む要因ともなっていた。地酒は細々と輸入されていたが、対象は日本からやってきた日本人だった。

ロサンゼルスのある日本食レストランでの出来事をご紹介する(1996年ごろ)。

ドリンクのメニューを見ると、ホットサケ4ドル、コールドサケ8ドルとある。料理はあまり期待できそうもない店だし、安いサケで十分だろう。

「ホットサケをお燗せずに、冷やのままでコップに入れて下さい」

「ホットサケはホットじゃないとお出しできません」とラテン系らしき男性の従業員。

一升ビンに入っているサケをお銚子に入れてお燗するのだろうから、なぜ冷やでは出せないのか。

「なぜ? お燗しないだけなんだけど」

「ホットサケは大きな容器に入っていて、サケは全部ホットになるんです。冷めてからお飲みになりますか? それだとプラスティックの臭いがして美味しくありませんけど」

「ウン?」意味がわからない。

面倒になって、私は問答を諦めホットサケを注文した。

後日、次のような事情が判明した。

サケメーカーは大衆酒を18リットル(1斗)入りの四角いプラスティックケースに入れ、それを銘柄名、品名などを印刷したボール函に入れてレストランに納入する。その容器は自動酒燗器の上に置かれ、酒は管を通して酒燗器に送り込まれて温められる。ホットサケの注文があると、蛇口をひねってお銚子に受けるという仕組み。まことに便利なすぐれもので、自動酒燗器は日本食レストランの必需品なのである。

そこでようやく合点がいった。察するに、この店ではサケの注文が全部ホットなので、1升ビンでは仕入れず18リットル入り大型容器しか置いてなかったのだろう。だから冷や酒は出せなかったのである。

サケといえばホットサケという状況が変ったのは96年ごろ。持ち家のローンと子育てを終えて手取りの所得が増えたベビーブーマー層が、アルコール臭の強い燗酒に飽きてもっと違う飲み物を求めるようになった。当時、景気がよかったこともある。近くの席で日本人が枡に入った酒を飲んでいるのを見て、同じものを注文したらそれが美味しかったということもあっただろう。

マスコミも吟醸酒の旨さに気づいて、紹介記事を書くようになった。USA Today紙は98年に次のように吟醸酒を礼賛した。

添加物の味を隠すために温められる個性がないサケにはサヨナラを告げよう。今ホットなサケは、フラワーやフルーツのような芳香と洗練された複雑な風味を引き立てるために冷やして飲むサケだ

「ホット」とは、いま話題になっているという意味だが、冷酒が燗酒(ホットサケ)の対極にあることと掛けている。「添加物の味を隠すため」は言い過ぎと思うが、地酒のセールスマンが告げた大衆酒の悪口をそのまま引用したのだろう。

Gourmet誌00年3月号は Sake Cool, Japan’s Long-misunderstood Rice Wineというタイトルの記事を掲載した。内容はUSA Today紙と同様の冷酒礼賛だから省略するが、「Long-misunderstood(長い間誤解されていた)」という表現に注目したい。これは「これまでサケはお燗して飲むものと思われてきた」という意味である。燗酒はダサイものとなり、冷酒はカッコいいと評価されたのである。Sake Coolのcoolにはカッコイイという意味と冷たいという意味があり、ここでは両方に掛けてある。

地酒ブームは吟醸酒に始まったが、通になるとお燗して飲むと風味が増す地酒もあることを知り、ニーズの幅が広がった。今アメリカで売られている地酒銘柄は300をはるかに超える。

原価の10倍で売れて儲かる燗酒に安住していた日本食レストランも大勢には抗しきれず、地酒の取り扱いを増やすようになった。そうしてみると、意外に料理の売り上げも増えることに気付いた。それ以前は、ロールを食べ、燗酒を飲んでいればご機嫌だったアメリカ人が、地酒に合う居酒屋料理やフュージョン料理(洋風にアレンジした日本料理)を注文するようになった。

地酒は日本食ブームの範囲を広げたのである。

(注)私はある商社を早期退職後、15年間にわたりロサンゼルスで日本食業界向け情報誌を発行していました。その時に集めた情報をブログ「日本食への応援歌」に掲載したというわけです。日本食ブームに興味ある方は下記のURLからlog-inして下さい。

http://nihonshoku.wordpress.com/