中国青島で4月23日に開催された観艦式に、海上自衛隊の護衛艦“すずつき”が参加した。本来ならば、どうってことがない話題だが、韓国にとっては一大事だから(理由は後述)、韓国のマスコミはこの件を大きく取り上げた。
その1週間ほど前、たまたま“みずきの女子知韓宣言”なる嫌韓ブログを覗いたら、キムジュニルなる韓国人の“旭日旗は戦犯旗?「戦犯旗」は存在しない”という小論文を見つけた。その要旨は次のようである。
http://oboega-01.blog.jp/archives/1074524779.html
● 我々は、これまで旭日旗がナチスのハーゲンクロイツと同様に戦犯旗であるとして、排撃してきた。しかし、国際的には“戦犯旗 (War Crime Flag)”という概念はない。日本の海上自衛隊が使用する旭日旗を戦犯旗と称しているのは韓国だけである。
● “戦犯旗”という用語が初めて使用されたのは、2012年のロンドンオリンピックの時。サッカーのパクジョンウ選手が「独島はわれわれの島」というプラカードを掲げてサッカー場内を回った行為がIOCから批判された。この時、パク選手が「日本人観客席に旭日旗を見た」と言ったことから、 韓国のマスコミが旭日旗に対して“戦犯旗”という用語を使用し、以後この用語が定着した。
● ドイツはハーゲンクロイツだけでなく、民族浄化に関連する模様を包括的に禁止した。日本は虐殺や戦争犯罪を犯したが、旭日旗が民族浄化を意味するものではない。したがって、旭日旗をナチスのハーゲンクロイツ旗と同一視するのは適切ではない。
● 日差し模様は世界中で普遍的に使用されている。進歩的な日本の朝日新聞も日差し模様を社旗に使用している。日本と戦争した米国では、旭日旗を問題にしていない。
● 結論として、旭日旗を「戦犯旗」と呼ぶことは適切ではない。一方、日本の自衛隊が昔の「日本帝国軍旗」を引きついでいることは、自衛隊が帝国主義的野心をもっていることを表すのだから、われわれはこの点を非難すべきなのである。
キムジュニル氏が世界の常識を冷静に分析して、「旭日旗を戦犯旗だと非難することは適切ではない」と指摘したことはおおむね評価できる*。しかし、韓国人としては「日本が帝国主義的野心をもっていることを非難しよう」と提案されても困るのではないか。相手の心の中を勝手に推測して非難するのは、理屈に合わないし、「戦犯旗」を代替するone wordが欲しいだろう。
さて、昨年、パリのシャンゼリゼ大通りで開催された国際パレードの際に自衛隊が旭日旗を掲げて行進した時は、「フランスは日本と戦争してないから、やむをえない」として、韓国では大きな話題にならなかった。しかし、中国の観艦式に日本の軍艦が旭日旗を掲げて参加したとなると話は別だ。なぜなら、昨年開催された韓国の観艦式において、韓国が旭日旗の使用を禁じたために、日本は参加を見送った経緯があるからである。
ネットでは、韓国人による「中国は変心したのか」とか「中国は誤りを犯した」とかのコメントが流れたが、それは「2008年と2011年に日本の軍艦が中国に入港した際は、旭日旗を掲げていなかった」という間違った情報を前提にしていたからである。その後、その情報は誤りで、両年とも日本の自衛艦は旭日旗を掲げていたことが判明しており、過去も現在も中国は旭日旗に対して何の関心も示していないのである。
端的に言って、旭日旗を目の仇にしているのは、世界中で韓国人だけであることが明らかになったわけだ。
https://www.youtube.com/watch?v=CRxxvM_apvc
http://oboega-01.blog.jp/archives/1074586502.html
これまで、旭日旗排撃のリーダーを自任する韓国の誠信女子大の徐敬徳(ソギョントク)教授は、「旭日旗が戦犯旗であることを知らない人が多い。われわれが教えてやらなくてはならない」と、世界各地で旭日模様にイチャモンをつけ、事情を知らない人々を困惑させてきた。
しかし、今となっては、これまでと同じことを言ったら笑い者になる。徐教授を始めとする旭日旗排撃派は今後どのように発言を変えるのだろうか。いずれにせよ、われわれ日本人は「どうぞご自由におやり下さい」というほかないが・・・(笑い)。
終
*(注)「おおむね」とした理由は、キム氏が「日本軍が大虐殺を犯した」と認識していること。これは大嘘だが、韓国人は南京大虐殺を信じているのだろうから、彼らの認識に立てば、この主張は正しいと言わざるを得ない。