我々世代が熱狂した80年代のTVドラマに「探偵物語」がある。その劇中、情報屋の飯塚(清水宏)が経営する「多奈加」という骨董屋が何度か登場する。この店は実在しドラマは店舗を間借りして撮影された。店内で工藤俊作(松田優作)と飯塚がヴィスコンティの映画談義するシーンにはシビレた。工藤はこの骨董屋で拳銃も調達したりした。探偵事務所とともにこの骨董屋も是非訪れておきたいロケだった。しかし場所が調布ということもありなかなか訪れる機会がなく、前回の多摩川遠征の勢いついでに足を延ばしてみた。場所は中央高速の調布インター出口付近。行程は青葉台から鶴見川(谷本川)を辿り柿生へ。非常に自転車は走りにくい県道3号で多摩川へ。未舗装の多い土手道で京王閣を過ぎ武蔵境通りを北上。下石原交番前交差点を左折。途中、多摩川の河原に出て渡し場跡も確認。果たして苦労して訪れた店は既に営業しておらず店内には入れなかった。ドラマとおなじアングルで外観を撮影してよしとする。因みにこの骨董屋はつげ義春の作中でも「アンチック奈加多」として出てくる。そしてこの店舗のすぐ近くに八幡神社があり、この社の床下は猫むすめの住まいなのだ。ロケ探訪に満足し復路は多摩川を渡り対岸を下る。渡し場付近にある小屋に立ち寄る。ここは一部マニアには有名な「たぬきや」なのだ。焼きそば(400円)を注文し遅い昼食。まわりのお客はおでんや焼き鳥で一杯やって既にヘベレケ。今度は電車での再訪を誓い帰途を急いだ。本日の走行距離 53.13km ロード積算 10123km。
ベニスに死す HOTEL DES BAINS