映画「泥の河」のパンフレットを入手した。この映画に関してはブログでも語りつくしてはいるがこれまで観てきた映画上位に入る作品。時代は令和となりバブル景気をして昭和を語られるがとんでもない誤解。暗黒の太平洋戦争と焦土からの復興、狂騒の経済成長。その流れに取り残され澱んで漂う赤貧のスラム。ギラギラとした暴力的な熱気と貪欲な生きざま。その時代こそが昭和なのだと思う。それら玉石混淆を知ってこその今があることを忘れてはならない。作家、安部公房や開高健が何度も書き綴ってきた社会のなかの個の危うさと存在の矛盾。いまある秩序や平和など一瞬で壊れてしまうことは歴史がもの語っている。オリンピック開催か中止かを騒いでいられる平和ボケ。コロナ以上の危うい破綻はすぐそこまで来ているのかも知れない。
ブログ内の「泥の河」記事いちらん
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