肥後守を調べるほどに色々と探究心が芽生えてきた。そこで青紙割込の手頃なものを買ってみた。果たしてプレス品に比べブレードは厚みを増し真鍮の鞘はしっかりしたものであった。肝心の切れ味はと手近な紙を切ってみるもまったく切れず。傷見を取り出して刃先を調べる。切っ先のポイント(先端)から10mmほどが研がれておらず0.1mm幅ほどのフラットな面が刃に残っていた。かなりいい加減な造りに落胆する。各部を詳細に調べてみるとブレードの峰部分も荒いグラインダー跡がそのままでエッジ部のアール処理も無く手を切りそう。ブレード側面にもグラインダー跡が醜く残っている。肥後守としての風情はあっても道具としての仕上げに疑問を持つ。そこで実用性を求め徹底的に手を入れることにする。先ずは刃先の研ぎ残し部は砥石を変えながら刃を研ぎだしていく。先端だけを研ぐとバランスが崩れるので全体を均等に研ぐ。次にブレードや峰に残るグラインダー跡を徹底的に磨き込んでいく。180番の水ペーパーから始め番号を上げていき最後は1500番。そして二種類のコンパウンドで鏡面に仕上げる。磨きは「チキリ」にも及ぶ。歪な形を鑢で整え指当たりのところは角アール処理し表面は鏡面磨きとした。鞘(グリップ)の真鍮も軽く磨く。最後は全体を水洗いして乾燥。油を馴染ませて完成。仕上げた肥後守のブレードは鏡面に輝きポイントから鋭い切れ味となる。肥後守コレクターが見たら怒られるかも知れないが、仕上げもロクにできない製品は認めない。これでいいのだ。リョウさんに頂いた肥後守とこれは会社と自宅で使い分けるとする。
研ぎなおし
研ぎなおし
ここの製品には各種あるらしいのですが、日本刀のように折り返し鍛造した地金をつかったものなどコレクションアイテムとなっているものもあるようです。
なお、折り畳みナイフは、銃刀法22条によりハンドル先端と切っ先までの直線距離が80mm以下のものではないと常時携帯はできません。肥後守定駒の中にはこれを超える製品もあるようなので、注意が必要です。
もっとも、80mm以下のものでも、正当な使用目的無く常時携帯すると軽犯罪法で処罰される場合もありますから、機械の梱包を開梱するためだなどと言い訳を用意しておかねばなりますまい…
私の愛用しているのはスイスアーミー(ウエンガー)です。刃先部のカーブが接着部分などを剥がすのに具合が良いからです。肥後守は直線過ぎて今一…
スイスアーミーを含めて、ナイフの場合は購入後研がずに満足に使える製品は稀です。研ぎの道具と腕の無い人は使えないと知るべきです。腕の方はすぐに出来ますから、道具(砥石)を入手するのが先決なるべし…
子供がナイフを持ち歩いていても何も言われたことはありません。
鉛筆を削ったり、竹や木を削ってチャンバラして遊んでましたから必需品だったのですね。悪さをした話を聞いたことがありません。
幼なかったから、どうして「ひごのかみ」と呼ぶのかなんて考えたこともありません。
小刀が「ひごのかみ」でした。^^
余談ですが映画「男はつらいよ」作中の鉛筆を売る話で“ひごのかみ”が語られておりました。
https://www.youtube.com/watch?v=AGrrbHayUew