本日予定されていた維新の会・橋下徹大阪市長と元従軍慰安婦の女性二人の面会が、二女性の「拒否」により、中止になった。支援団体によると、慰安婦を巡る橋下氏の発言で二人は心身ともに疲れており、「発言を撤回するつもりがないのなら会う意味がない」との意向を示しているという。参議院選挙を目前に控えた橋下市長にとってこの面会は「生き残りをかけた名誉挽回の場」であり、今回の面会についても、「謝罪パフォーマンスを企て、その上ひざまずいて謝るという一過性のマスコミ操作を準備している」ことがわかったため、「利用されることを拒否した」ということだ。87歳と84歳、韓国在住のこのお二人は、日本各地で開かれる証言集会に参加するため17日から来日中で、4月末に橋下氏への面会を申し入れていた。橋下氏がその後、今月13日以降、慰安婦制度について「軍の規律を維持するために当時は必要だった」などと発言していることに対して、発言の撤回と謝罪を求めていた。しかし橋下氏は撤回せず「「慰安婦」制度は必要だった」「強制連行の証拠を見せろ」という主張を変えない。「口先だけの謝罪を受けても意味があるのか。政治利用されるだけではないか」と、面会を断ることを決めたのは、至極もっともだ。来日中の二人は「経験した本人がいるのに、どうして証拠がないと言えるのか」「妄言で過去の歴史は変えられない」と批判。「橋下市長の被害者を傷つける一連の発言に、被害者が耐えられなくなった」「もう、顔を見るのも苦痛なのだ」「橋下市長は、今も被害の傷を抱えながら勇気を持って証言するお二人が面会するに値する人物ではない」という声も、支援関係者から出ている。……この間、橋下市長は「日本だけでなくいろんな国が、「慰安婦制度」を活用してきた」というが、第2次世界大戦中に軍や政府が公的に兵士のためにそのような施設をつくった例が、日本とドイツ以外にあるのか。橋下市長は、沖縄の在日米軍に風俗業の活用を提案したことについては、「国際感覚が乏しかった」と言い、読売新聞は社説で「韓国などとの情報戦で押し込まれ、日本がいくら弁明しても、国際的にはなかなか受け入れられにくい状況は憂慮すべきだ」という。だが、今回は、橋下市長本人が、国際的な状況に関わる発言を、自分の方からしたのである。維新の会・平沼赳夫代表代行の「従軍慰安婦と言われている人たちは戦地売春婦だと思っている」「昔は公娼制度があり、戦地売春婦をしていた女性が訴訟を起こしてきた」という、信じがたいひどい発言も、自分の方から勝手にしているのである。「情報戦」でどこかの国が仕組んだわけではない。「国際的な問題」について、相手を納得させることができないまま、国内での体面や選挙対策のために言及することは、無知である以上に非常識、あまりにも愚かである。維新の会・石原慎太郎代表は「軍に売春はつきもの」というが、ほとんどの国で売買春じたいが「違法」であり、なくそうと努力していることは、間違っていると言いたいのだろうか。「人類がある限り、戦争はなくなりはしない」とうそぶくことが、誰を利するのか。今こそ「平和憲法」の死守が必要だと、痛感する。
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