Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

がんじがらめにされる時代

2013-05-25 | Weblog
国民全員に番号を割り振る共通番号制度関連法(マイナンバー法)が参院本会議で成立。国民1人1人に個人番号を割り当てて、「年金」や「医療保険」、「納税」など、国や市町村などがバラバラに管理している社会保障や所得の個人情報をネットワークでまとめ、一元的に管理するという制度。2015年10月からすべての国民に11桁以上の個人番号を通知、2016年1月から実施。同法は昨年の衆院解散でいったん廃案になったが、その後、自公民3党による修正を経て再提出されていた。アメリカのソーシャル・セキュリティー・ナンバーのように、「先進国では導入されている」と言われているが、国民は配布される番号が入ったICカードを使えば、一部の役所での窓口手続きが簡単になるという。逆にいえば、所得や納税額、所有不動産、受診歴、失業給付を受けた記録、公営住宅を借りた記録、など90項目以上の個人情報を行政機関が握ることになり、その秘密が保全されるかどうかが懸念される。政府は情報をまとめて管理することで、年金や生活保護などの社会保障の給付が正確にできるというが、所得を把握して税金の取り立てに役立てることが目的だろうという声もある。さまざまな購入、施設利用の際に提示を義務づけられ、それがネットワーク上に保存されれば、個人の思想・傾向が「当局」に把握されてしまうことになる。「管理されたくない」という人々の「自由」はどうなるのか。私は常々、「表現したい」という欲求は「自由になりたい」というそれと重なると考えている。故に今回の制度は「表現の自由」に抵触する悪法であると断ずる。アメリカに於けるソーシャル・セキュリティー・ナンバーは、かの国が移民社会であるがゆえ、その所得が「市民権」を獲得したことと等しく理解されている面もあるが、我が国はそれとは事情が違うはずである。……東電福島第1原発事故による被ばく問題を調査していた国連人権理事会の特別報告者、アナンド・グローバー氏の、近く人権理事会に報告される報告書では、福島県が実施する県民健康管理調査は不十分として、内部被ばく検査を拡大するよう勧告しているという。県民健康管理調査で子供の甲状腺検査以外に内部被ばく検査をしていない点を問題視。画像データやリポートを保護者に渡さず、煩雑な情報開示請求を要求している現状を改めるよう指摘している。白血病などの発症も想定して尿検査や血液検査を実施するよう求めた。また、一般住民の被ばく基準について、国が年間20ミリシーベルトを避難基準としている点に触れ、「人権に基づき現在の法令が定める年間1ミリシーベルト以下に抑えるべきだ」と指摘、それ以上の被ばくをする可能性がある地域では福島以外でも政府が主体になって住民の健康調査をするよう要求。政府や福島県に厳しい内容になっている。……茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の実験施設で23日、金属の金に特殊なビームを当てて素粒子を発生させる実験中に装置の誤作動が発生し、放射性物質が管理区域の外に漏れたという。このトラブルで22歳から34歳の男性研究者4人が内部被ばく。装置が誤作動してビームの出力が通常の400倍に上がったため金が高温になって蒸発、放射性物質が発生したという。最大の被ばく量は1.7ミリシーベルト。また、建屋内の装置のそばにいたおよそ30人が内部被ばくしたおそれがある。建屋内の汚染は最大で1平方センチメートル当たりおよそ30ベクレル、建屋は封鎖され立ち入り禁止になっているという。周辺の住宅地は、最も近いところで、施設から700メートル余り離れたところにある。日本原子力研究開発機構では、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」で重要な機器の点検漏れなどが相次いだことを受け、鈴木篤之理事長が辞任したばかり。幹部のクビを切っても問題は解決しない。一度始めたことはなかなか止めることができない原子力関係の問題が浮き彫りになった形だ。……維新の会・橋下大阪市長は、沖縄のアメリカ軍の幹部に風俗業の活用を進言したことについて「不適切なことばを使った」などとして、初めて「アメリカ国民とアメリカ軍に対し、謝罪したい」という考えを示した。沖縄の人たちには謝らないのか。それですむと思っているのか。なぜみんなこんな暴言を、それをマスコミに垂れ流すことを、許容しているのか。……制度そのもので、放射能に包囲された環境で、無神経な言動で、ほんとうに人間ががんじがらめにされてしまった時代だ。管理・支配されることをそれほど違和感なく受け入れてしまう人が増えているのかもしれない。現在の日本人の特徴は「依存心の強さ」と感じているが、それがとことん行き着くところまで来たかんじだ。
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