Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

うまくいっているわけがない

2020-08-02 | Weblog
コロナ禍に於いて、他に比して被害が少ない(うまくいっている)「日本モデル」などというものが、あるのだろうか。欧米等より少ないにしてもアジアの中では他より多くの死者が出ているという数字の方が信用できる。

世界保健機関(WHO)は専門家の緊急委員会で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は長期化するとして、「1世紀に1度の健康危機であり、その影響は今後数十年続くだろう」「世界的な連帯」が必要だとの見方を示した。同時に、このウイルスをめぐる「誤った情報や偽情報」への対応も呼び掛けている。

西村康稔経済再生担当相は新型コロナウイルス対策の特別措置法改正に関し、休業要請・指示に従わない場合の措置として「命令や罰則の新設はあり得る」と明言したという。自治体に責任を押しつけながら、「休業命令や罰則は検討を急ぎ、改正するかどうか考えたい」としている。
米疾病対策センター(CDC)の日本版設立といった対応を改善する体制づくりよりも、「法律に手をつけたい」という欲望が滲んでいる。
そのくせ「休業要請と補償のセット」については、「実態から言えば、事実上の補償は既にやっている。持続化給付金や雇用調整助成金、地方創生臨時交付金でかなりの部分をカバーできている」と開き直る。そちらは法律に明記したくはないのだそうだ。

コロナ禍の中、自民党が憲法の改正を進めようとしている。これもまた、「誤った情報の濫用」である。人々が苦しむ中で憲法改悪を言い出しているこの政権のひどさは、見過ごしていいものではない。
このどさくさに「敵地攻撃能力」まで一気に持とうと画策している今の自民党政権は、本当に、何もわかっていない。歴史から学んでいない。なぜそんなことが出来ると考えてしまうのか。人の命をなんだと思っているのか。自分たちだけは特別だと信じているのではないか。

現政権の思う「日本が特別な国だ」というのは盲信である。過去のいつかに何かの事情で日本が恵まれた環境にあったとしても、それは日本が努力して勝ち取ったものなのか。すぐれていたと本当に言えるのか。
いずれにせよ今、そうした思い込みが、自分の国が特別だという謙虚さを失った蒙昧が、内外に露骨に晒されているこの愚かな状態を招いたのだとしたら、何の意味もない。

韓国平昌市の韓国自生植物園で、安倍首相らしき人物が慰安婦像に対し土下座している銅像が展示されている件については、日韓両国はもちろん、世界中で報道されている。
プライベートな施設での展示について、菅官房長官が「国際儀礼上、許されない。報道が事実なら日韓関係に決定的な影響を与える」というのは、韓国という国に対して民間の活動を検閲しろというという内政干渉である。自分にとって都合が悪くても、その批判が「表現の自由」に抵触するものかどうか、考えて言っているのか。この件で立憲民主党ら野党までもが同調しているのには、呆れてしまう。
これは「韓国による日本ヘイト」ではなく、まず、慰安婦問題を、日本政府が相手側が納得できるように解決できていないという現実が前提にあったと考えるべきである。

この国の人達は「歴史修正」に対して、鈍感すぎる。
それどころか、このコロナ禍下でも明らかなように、現在進行形のことさえ、「ねじ曲げられた情報」を大本営発表として拡散し、事実を正しく伝えられないことが、多すぎるのである。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする