昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

温め酒

2017-10-28 14:42:23 | 俳句

 いろいろな意味で、身体と精神が衰えてきて、支障をきたしている。
まあ、このような辛気臭い話を続けても、滅入るだけだから、若い元気な頃の話をしよう。
オカブは高校生の頃は1,500m走で5分を切ったのが自慢だった。
大学時代は片腕懸垂が1回できた。
これは登山の部活に入っていたオカブとしては、岩登りの強力な武器になるはずだったが、いかんせん岩登りは腕力が強いだけでは上手くなることはできず、その他の諸々の能力やセンスを要求されるので、オカブは大学時代には岩登りの名手というわけにはいかなかった。
尤も、オーストリアの世界的単独登攀者で、ヒマラヤの難峰ナンガパルバッドの初登頂者であるヘルマン・ブールは、一本指懸垂ができたという!
社会人になって、ハードな仕事が続き、酒にのめりこんで、体重が90k近くにまでなった。
これは、まずいと思い立って、ダイエットをして、60kを下回るまでに絞り込んだ。
そこで登山を再開したのだが、その頃は、ハードフリークライミングというのが全盛で、今まで人工的な手段でしか登れなかった岩場を、用具の助けを借りずに手と足とだけで登る岩登りのトレンドが流行だった。
しかし、もはや30に近かったオカブは体力的にも能力的にもその波に乗れなかった。
ジョギングは続けた。
ジョギングは昔、「走る禅」と言われたが、心身を整えるために極めて有効なのは、経験者として申し上げられる。
さて、いまや老いさらばえて、なんとかやっているのはウォーキングである。
気候の良いとき、天気が良くて気が向けば15キロ程度の散歩に出かける。
ちょっとした健康法である。
今日は重陽の節句。
この日に温めた酒を呑むと無病息災、不老長寿という。
まあ、試してみるか?である。

覚束かぬ手で咳き込むや温め酒   素閑


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重陽

2017-10-28 00:56:42 | 俳句

祖父が亡くなったのは、かれこれ30年前になる。
祖父は東京府立の園芸学校を出て、いくつかの職業を経た後、公務員になったらしい。
若い頃は随分、武勇伝もあったらしいが、仕事を引退して、オカブが物心ついたころは、すっかり大人しい寡黙な老人になっていた。
タバコを喫うほかは、これといった楽しみもなかったが、昔取った杵柄で、植木いじりだけは特別に嬉々としてやっていた。
晩年は菊作りに大変な入れ込みようで、確か、区の展示会などにも出店していたと思う。
今、祖父の菊作りを継ぐ者は誰もないが、家を建て替えてもなお、祖父の残した庭の面影は残っている。

重陽の町の静けき小径かな   素閑


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