バリ島に行ったことがある。
真夏に行った。
大変な酷暑だろうと思ったら、さして暑くない。
オープンスペースのホテルのロビーは扇風機が回っているだけである。
日本のほうがよほど暑い。
しかし、こんな寒暖の差のないところに住んでいると、生活の工夫というか、ひいていえば文明の発達などはおぼつかないであろう。
人間はただ自然に暮らしていればいいのである。
しかしバリ島のガムラン音楽とバロング・ダンスには感動した。
エキゾチックなものは数々見たが、あれほどエキゾチックなものはなかった。
これも文化の一つであろう。
バリ島の宗教はヒンズー教だが豚も食う。
これも文化のフュージョンである。
夜寒き膝をしみじみなでにけり 素閑
寒き夜山奥の友文を読む 素閑
北の宿染み入る寒さ夜のふけし 素閑
夜の風木戸のあおられ寒きかな 素閑
夜寒き病の妻の寝息かな 素閑
櫛削り抜け毛多かり夜寒かな 素閑
湯けむりも滴となりて夜寒し 素閑
水汲みて指つけずらき夜寒し 素閑
夜寒し土場に積みたる古タイヤ 素閑