世の動きに疎い。
何がどうなっているんだか皆目見当がつかない。
ただ、毎日を食って寝ているだけである。
世を捨てているかのように生きているのもさして気にならない。
酒の代さえ稼げればいい。
世の中に自慢できるような稼業でもない。
冬になったら、土にでも埋もれていようかと思う。
穏やかも十一月の貴きや 素閑
野良猫の十一月の遠出かな 素閑
瓢鮎も十一月ののたりかな 素閑
唐土から十一月に吹く風や 素閑
水の瀬も十一月の流れかな 素閑
遊里にも十一月のたおやかさ 素閑
朝まみゆ十一月の日の出かな 素閑
母のごと十一月の日のひかり 素閑
発句会十一月に欠礼す 素閑
池の底十一月の夢沈め 素閑


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