これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

お初です 新白河駅

2024年10月06日 06時30分56秒 | エッセイ
 那須に住む母が右手の手術をした。
 幸い3日で退院したのだが、利き手が不自由になり、完治するまで家事や炊事に支障が出てしまう。お手伝いのため、食料を持って両親の家に行った。



「お父さんったら、アタシが留守の間に、一つも薬を飲まなかったのよ」
 母はお怒りモードである。
 それもそのはず、入院中、一人残された父が部屋を散らかし、夜更かし等の不規則な生活をしていたのだから。父の自己管理能力は格段に落ちたと思う。
 でも、イライラしたり、無理して動いたりすると、ゆっくり過ごしてほしいはずの母が休めない。雑炊、にゅうめん等のインスタント食品や、肉じゃがやロールキャベツ等のレトルト食品を段ボール2個ほど送り、母が家事から解放されるようにした。母は「便利なものがあるね」と喜んでくれた。
 両親の家に行ったその日、帰りの新幹線の乗り継ぎが悪かったため、ためしに新白河駅まで行ってみた。
 ここはもう福島だ。



 駅構内にはなぜかダルマが飾ってある。どうやらダルマの産地らしいとわかり、名物とおぼしきダルマ最中なるみやげを買った。



 外はパリパリ、餡はしっとり、餡と一緒の牛皮はもっちりで、かなりクォリティが高い。
「おいし~」
 味は三ツ星クラスなのに、なぜか顔が怖い……。



「ひいいっ!」
 目が合うと食べにくいではないか。
 福島といえば、三万石のままどおるが浮かんでくる。



 安定の口当たりのよさで、あっという間に10個が消えた。
 新白河っていいところだな~と思ったひとときであった。
 父はそうとうボケてきたが、途中から「娘と孫が来た」ことを理解したようで、私たちの隣に座り、ニコニコしながら楽しそうであった。
 そうだ、次に新白河に行ったらダルマを買い、両親の健康祈願をしようかな。
 あ、最中じゃないダルマでね。

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ブログ開設6000日を迎えて

2024年09月29日 21時21分17秒 | エッセイ
 毎日せかせかと走り続けている気がする。フルタイムの仕事にエンドレスの家事、数少ない友達とのつきあいに両親の世話。合間に趣味が挟まっているという感じだ。
「だからこそ、切りのいいところで後ろを振り返らなくちゃね」
 先日、ブログ開設6000日という節目の日を迎えた。人に例えれば、高校1年生というところか。よく育ってくれたものだ。ようやく立ち止まって背後に目をやり、これまで進んできた道のりを顧みるときが来た。



「今年で16年目か。早ッ!」
 開設当初はアクセス数を稼ぎたくて、週に3回は更新していた。閲覧数が増え、仕事が忙しくなってからは週に2回の更新となり、5年前からは週イチ更新が精一杯という状況であるが、続けられること自体がうれしい。
「よし、記念に何か作っちゃおう」
 幸い、手元にはフェルトケーキの材料と、セリアで購入したビーズがある。
 お読みいただいている皆様への感謝の気持ちを込めて、針仕事をすることにした。
 まずはフェルトケーキの袋を開けた。マスカットケーキに使う材料はすでにカットされている。



 細かいパーツは生地に切り込みが入っており、使うときに切り離すことで紛失を防いでいる。



 準備万端で、かなり親切という印象を受けた。
 しかし、慣れないせいもあり、縫い合わせる作業ではいろいろ間違えた。糸を2本どりにして縫う箇所を1本にしていたり、微妙に大きさの違うパーツを取り違えて縫い付けたりと、失敗だらけであった。
「キイーッ! また違ってた!」
 しかし、布の便利なところは、多少の融通が利く点だ。引っ張ったり縮めたりで、何とかなるのだからありがたい。途中からは要領をつかんで軌道に乗り、イージーなミスがなくなった。
「このオレンジ、上手くできたぞ~」



 まあ、オレンジ以外は普通と並以下の仕上がりだったりするのだが、完成すると気分も上がる。
 さらに、6000という数を金色のビーズで作ることにした。



 こちらはお手本がないので、まったくの自己流である。ビーズを釣り糸でつなぎ合わせただけでは、滑らかな曲線にならないとわかった。横着せずに、ちゃんと本を読んだりサイトを見たりして、勉強すればよかったなぁ。
 そんなこんなで、出来上がったのがこちらである。



 現在、アップしている記事が1428個ある。1500個になったら、またお祝いしようかしら……。
 今日も何か書くぞ! という気持ちになれるのは、読んで下さる皆様のおかげです。
 今後ともよろしくお願いいたします。

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パフェを食べたし 席はなし

2024年09月22日 20時17分03秒 | エッセイ
 9月17日は中秋の名月だったが、夜になっても汗が止まらず、ひどく暑かった。
「団子って気分じゃないよね。パフェ、パフェ」
 この日は運悪く、知り合いのお通夜と重なってしまったため、仕事のあと、ちょこっと腹ごしらえをして葬祭場に向かうつもりだった。池袋を通るので、数日前に見た東武百貨店のチラシが浮かんでくる。



「そういえば、すごく美味しそうなパフェがあったじゃない。あれを食べて行こうかな」
 しかし、催事場に着くと、目当ての店には長蛇の列ができていた。並んで待ったらお通夜は終わってしまうだろう。泣く泣く諦め、ゆっくり座れるレストラン街に移動し、プリンで我慢した。フルーツが立派でみずみずしい。



 葬祭場からも名月が見えた。温和で人柄のよかった故人を見送る日として相応しかった気がする。
 他の人はどうか知らないが、面倒な仕事や気の進まない出来事があるとき、私はパフェが食べたくなる。見た目の美しさに気分が上がり、アイスや生クリームの冷たさで頭を冷やし、フルーツやシロップの甘味に満たされ、自分へのご褒美として最適なスイーツだからだ。

(水信フルーツパーラー)


 多少は値が張るが、食べる回数はせいぜい年に1~2回。外出は家と職場の往復だけで、外食はめったにしない毎日を送っている。質素な生活が基盤にあると、たまにはパーッと贅沢したいという気持ちにもなるのだろう。平凡な日の繰り返しにアクセントをつけるように、機会があればパフェやサンデーを頼むようになった。

(椿屋カフェ)


 ファミレスはお手軽でいい。いくつもある中で、選ぶとしたらジョナサン。デニーズも家の近くにあって便利だ。








 ちょっとだけ食べたいときにはミニサイズがあるとありがたい。

(トゥザハーブズ)


 贈答用果実で知られる店もクォリティが高い。千疋屋は池袋にもあるのでときどきお邪魔している。


 ルノアールのクラシックなパフェは安定感があってよい。


 モンスーンのむらさき芋のパフェは甘さがちょうどよかった。


 先日、残念なことに気づいた。新宿ルミネ1にあったワイヤードボンボンが閉店していたのだ。この店はパフェが充実していて、秋の味覚であるモンブランパフェが絶品だったのに。


 急きょ地下のパフェテリア変更し、シャインマスカットのパフェをいただいた。


 フードコート並みでコスパもよく、クレープもある。2月に一度は新宿を通過するため、この味を求めて、また利用したい。
 シャインマスカットといえば、渋谷の「夜パフェ専門店」にもシャインベルという名のパフェがある。


 ホワイトチョコの妖精や中のアイスや洒落ていて、人気があるのも頷ける。
 アフタヌーンティールームにも足を運ぶ機会がある。今年も秋らしいパフェが食べられるかな?


 かつてのアキバのガンダムカフェには、モビルスーツをかたどったパフェがあった。
 何をデザインしたかがわかったら、立派なガノタに違いない。




 ところで、縄文時代の火焔型土器をご覧になったことがあるだろうか。



 これは新潟で発掘されたものだが、なぜか非常に魅かれるものを感じていた。理由は明確だ。
「パフェに似ている」
 火焔型土器が好きだからパフェに惹きつけられるのか、パフェが好きだから火焔型土器も気に入ったのか、どちらが先かわからない。
 この先も、自分へのご褒美にパフェを食べ続けるだろうし、博物館に行ったら火焔型土器にまっしぐらであることに変わりはない。
 暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、今日の気温はグンと低くなっている。
 食欲の秋到来を実感し、新たなパフェを発掘しに行こうっと。

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中高生はインスタがお好き

2024年09月15日 08時22分17秒 | エッセイ
 高校に勤める身としては、そろそろ募集対策活動に本腰を入れなければならない。
 10月から12月は学校説明会のシーズン。他校での合同説明会や相談会に参加するのはもちろん、中学校まで出前授業に教員を派遣したり、校内で入試説明会を開催したりで、休む暇がない。
 露出を増やすために始めたTwitterは3年目に突入した。最初の頃は、生徒に「Twitter始めました。フォローしてね」と呼び掛けても効果がなかった。
「えっ、フォロワー12だって。人気なーい」
 そんなこんなで、情けないていたらくだったが、執拗に投稿を繰り返した結果、ジリジリ増えて今では400近い数になっている。途中でXに変わったときは戸惑ったけれど、個別相談の際に中学生の保護者から「X見てますよ」と声を掛けてもらえることも多くウレシイ。



 だが、作戦的にはまだまだのようだ。先日、若手の教員から、ちょっとズレていませんか的なことを指摘された。
「笹木先生、中学生や高校生って、Xよりもインスタみたいですよ。私のクラスの生徒もXはやってないって言っていました。中学生に見てもらうなら、インスタも始めた方がいいんじゃないですか」
「えっ、そうなの? インスタかぁ。やったことないなぁ」
「LINEも使わずに、インスタのDMで連絡を取り合うと言ってました」
「マジ?」
「でも保護者はインスタよりもXが多いみたいです」
「なるほど」
 衝撃を受け、立ち止まって考える。時代が変わったことに気づいていなかった。たしかに、Xのフォロワーはほとんどが大人だ。都や区の議員、学習塾、出版社、保護者、卒業生、地域の住民、教職員が主な顔ぶれであり、言われた通りではないか。となると、インスタに手を出さないことは考えられない。元々発信することは好きで、プライベートでもブログ3つ、Facebook、読書メーター、mixiと張り切る毎日である。これに加えて、仕事としてのXもあるが、キャパはまだまだイケる。
「よしっ、インスタも始めちゃお~!」
 右手をグーにして、勢いよく天に突き上げた。



 善は急げで、早速アカウントを作成する。やり方をネットで確認しながら進め、プロフィール画像には校章を使った。Xと違って文字数に制限はないらしい。複数の写真を投稿するには向きを揃えなければいけないそうだ。ならば撮影するところから意識しなくては。
 苦労しながら1件目の投稿をして、無事にアップされたときは感動した。
「ううう、できた! よし、次もやってみよう」
 ちまちまと部活動の写真を上げて、5件ほどたまったところで生徒に向けて一斉に連絡をする。
「インスタ始めました。フォローしてくれるとうれしいでーす!」
 投稿ボタンを押して5秒後ぐらいだったろうか。
 次々と「○○があなたをフォローしました」「△△があなたの投稿にいいねしました」の通知画面が表示されるではないか。
「うわ、何これ何これ」
通知は目まぐるしく入れ替わる。チャカチャカ、チャカチャカと素早い動きで出ては消え出ては消えを繰り返した。画面を追っていたら酔いそうだ。何年何組の誰かはわからないけれど、このタイミングなら、うちの生徒に間違いない。
 若手教員が言っていたことは本当だった。なにしろ、1日でフォロワーが100を超えたのだから。Xでは12から100に増えるまで9カ月もかかったというのに、何たる違いだろう。
「いやあ、すごいな……」
 こんなに反応があるなら、もっと早く始めればよかった。全校生徒が500人であることを考えると、たったの一日で、5人に1人がフォローしてくれたというわけだ。
 すっかり気をよくして、背筋を伸ばし写真撮影に励む。
「フォロワー1000を目指すぞ!」
 もう一度、右手の拳を天に向かって突き上げた。
 無謀とは思うけど、夢は大きく持たなきゃね!

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シャインマスカットは秋の季語

2024年09月08日 11時12分49秒 | エッセイ
 職場で突出したお祭り男の畑中さんが、ニンマリしながら近寄ってきた。
「笹木さん、これどう? これどう?」
 彼の手には日帰りバスツアーのチラシがあり、「富士山5合目とシャインマスカット食べ放題!」との文字が見える。
「みんなで行こうと思って20人分予約しちゃった。行くのは来月だけど」
 今までにも彼のお出かけプランを提示されたことがあるが、休みの日は出かけるのが面倒でパスしてきた。しかし、大好きな富士山とシャインマスカットとあれば心が揺らぐ。家に帰って娘に「行きたい?」と聞くと、「いいよ!」との返事だったので、2人で参加を決めた。
 この夏は、おそらくシャインマスカットを食べていない。もっとも、カットケーキに入っていた一粒ぐらいは食べたかもしれない。実は、夫に平日の食事の支度を任せていたら、食材の値段を見ずに買ってしまうので、「ちゃんと値札を見るように」と注意したこともあり、高価なフルーツを買いづらくなった。スーパーに行くたび、パステルグリーンのたわわな葡萄に目を奪われ、自分で自分の首を絞める結果になったことを後悔した。だが、これはチャンスだ。たくさん食べてこよう。

 マスカットといえばもうひとつ。
 少し前に見た「ビーズ展」をアップしたら、ブロ友のヤッギーさんからお手製のビーズネックレスをいただいた。



 細かい作業の繰り返しの末に完成したものと思われ、「おおっ」と感嘆の声が出た。
 未使用のキットと作り方の本も添えられており、俄然やる気がわいてくる。
 箱の中には、ビーズに加えて、フェルトで作るケーキのキットもたくさん入っていた。たとえば、イチゴのロールケーキとストラップだとこんなにラブリーな仕上がりとなる。



「うわぁ、これはやりがいがありそう。どれから作ろうかな」
 選んでいるうちにマスカットのケーキが登場した。



 食べるわけではないので、シャインマスカットかどうかは関係ない。ちょうど今の時期にピッタリな作品になるだろう。ありがたいことに、キットのパーツは裁断ずみのようだ。



 これをチクチクと縫い合わせ、綿を入れて完成するのであろう。
 楽しみ~。
 ヤッギーさん、ありがとうございました!
 
 葡萄やマスカットは秋の季語として、しばしば俳句に用いられるようだ。では、シャインマスカットは季語として使われるのだろうか。俳句の文字数の半分を占めることを考えると、さすがに難しいのではと予想したのだが、検索してみたらヒットした。
「へぇ、入賞するなんて大したもんね」
 きっと、私以上にシャインマスカットが好きな方なのだろうな。
 この秋は、残暑が厳しく気温が高いだけじゃない。
 私の期待値も高いぞう~。

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台風に追われたダイヤモンド婚式

2024年09月01日 17時38分42秒 | エッセイ
 父と母が結婚してから、今年で60年を迎える。
「すご~い、ダイヤモンド婚式じゃない! お祝いしなくちゃね」
「うん、ありがとう」
 はにかむ二人を見て、姉・妹と一緒に、両親を喜ばせるプランを考えた。高齢となった父は車で遠出しなくなったという。那須の住まいに、私たち子どもが行くしかない。
 だが、家に大勢で押し掛けると、母に負担を掛けてしまうリスクがある。父は風呂を沸かす以外は家事をせず、テレビを見ているだけの戦力外だが、母は客用の布団を干し、部屋に掃除機を掛け、タオルや飲み物、食料の準備などクタクタになるまで動くので、自宅を会場にするのは避けなければ。三姉妹のライングループで相談を続けた。
「近場のホテルを予約する?」
「宴会できて、できれば温泉付き」
「ゆっくりさせないとね」
「いつにする?」
「8月あたりかな」
 6月には方向性が定まってきた。忙しい姉とやってくれるかわからない妹に任せるわけにいかず、自分で宿を探す。最初は高級ホテルばかりがヒットしてビビッたけれど、慣れてくると低価格帯まで見つけられるようになった。さすがに、夕食がバイキングという宿で祝うはずもなく、適さないところは除外する。
「ん? ここ、よさげ」
那須に限らず栃木県全域を検索したら、イメージ通りの宿があった。部屋は質素だが、源泉かけ流し、豪華な食事というコスパのよさが気に入った。電話であれこれ尋ねても、感じのよい対応が伝わってきて安心できる。両親、姉夫婦、妹一家、我が家の4部屋を確保し、当日を待った。
そんなときに現れたのが台風10号である。8月31日に予約をとったので、発生当初は通り過ぎるだろうと軽く考えていた。ところがかなり速度が遅く、関東に接近するであろう予想日が8月27日、28日、29日とどんどん後ろにずれてくる。
予報円に宿泊日が入ったときは、いったんキャンセルした。だが、さらにズルズルと台風接近日が遅れ、「やっぱり大丈夫かしら」と再予約をして強行突破を試みた。傘を開く必要もなく宿に着き、荒れる前に帰宅できたのだから、行って正解である。まったくお騒がせの、心臓によくない台風だった。

 久しぶりに親族11人が勢揃いし「ダイヤモンド婚式お祝いツアー」は8月31日の15時から始まった。妹一家は車で2時間も前に到着したらしい。先にチェックインして、風呂上がりのさっぱりした服装でくつろいでいたところに気合を感じた。姉夫婦も、せっかくだからと集合前に周辺を散策し、終わってからも場所を変えて鮎の炭火焼き体験をしたというから頼もしい。
 主賓の父と母は、集合時刻ピッタリに来てくれて、駐車場でちょうど車から降りてくるところだった。手を振ると、母はすぐに反応してくれたが、父の様子がおかしい。「こっちだよ」と呼んでもボンヤリと空を見上げている。しばらく会わないうちに、だいぶ老化が進んだのかもしれない。「やばい、認知症か!?」と三姉妹が焦った瞬間であった。
 チェックイン後、お茶を飲んでいたら、母から「女子全員集合」の声がかかる。どうやら、使わなくなった指輪を引き取ってほしいと考えていたようだ。娘と姪、妹は指輪選びに夢中になっていたが、私と姉は指輪よりも、父の言動の方に興味があった。姉がすかさず話しかける。
「朝ごはんは何を食べたの」
「テレビ、見なくていいの」
 だが、父の反応は鈍い。
「わからねえ」
「知らねえ」
 話しているうちに、聞こえないからわからないという意味だったことを知った。補聴器を奨めると「いらない」と答える。決してやせ我慢をしているわけでなく、しれっとした顔で「俺は困らない」とか「聞こえないふりができる」などとのたまうものだから、私も姉も大笑いしてしまった。
 宴会は18時からだ。お料理はどれも口当たりがよく、見た目も美しかった。



 地元のスパークリングワインも料理によく合う。



 次々と料理が運ばれてきて、お腹がさらに膨れていく。









 残念ながら、宿でケーキは扱っておらず、大宮で購入したデコレーションを持ち込んだ。宿の冷蔵庫で保管してくれるし、頃合いを見て皿に移し、ナイフやサーバー、取り分け皿までを貸してくれるのだから、至れり尽くせりの対応だ。
 ケーキは父の大好物の桃にした。宿から二人には、サプライズプレートの提供もあり、「うわあ、キレイ!」と声が上がって一段と賑やかになる。



 父も母も、終始ご機嫌だった。
 義弟から、「次は65年目のスターサファイア婚式だからね」と声が掛かり、場がドッと沸く。
 父に聞こえたかどうかは疑わしいが、元気なうちに、補聴器装着作戦を進めていきたいものだ。

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ビーズは何の役に立つ?

2024年08月25日 16時42分25秒 | エッセイ
 夏休み中は授業がないため、出勤時刻を30分遅らせている。
 3日ほど前にホームで電車を待っていたら、右側から「ドンドン」という鈍い音が聞こえてきた。何と、40代ぐらいの男性がホームの屋根を支える柱を強い力で蹴っている音だった。こんな人がいるのかと顔をしかめていたら、翌日はいなかった。ストレス解消のためにやっているのだろうか。
 職場に行けば、生徒間トラブルの仲裁案に納得しない保護者から苦情電話がかかってくるし、家に帰れば、夫が大量に買い置きしたティッシュやトイレットペーパーを見つけてしまいゲンナリするしで、日常生活のイライラを避けては通れない。
「何か美しいものを見に行こうかなぁ」
 年に一度しかない、仕事にゆとりのある8月だ。コロナ前だったら即美術館に向かっていたが、事前予約が必要なところが増えた今は「本当に見たいもの」を展示している場所にしか行かない。正直いって、絵画だったら姉の絵以外は見たいと思わないし、文化・教養系の展覧会も厳選するようになった。
「やっぱり服飾系よね。ドレスとか」
 すかさず文化学園服飾博物館をチェックしてみる。
「ビーズ展?」



 私が仕事を休める日と開館日が一致していたこともあり、すぐにアクセスを調べた。都庁前や新宿から徒歩で行かれるらしい。これは狙い目だ。
「これもビーズ? 何をもってビーズと言うのかしら」
 チラシの画像に疑問を感じ、ネットで検索してみたら、まずはロックユニットの「B’z」がトップに出てきて「あはは」と笑う。いい曲はいっぱいあるが、『ARIGATO』が私にとっての一番かな。
「大好きだけど、これじゃな~い!」
 やっと目当てのサイトを見つけ、「主にアクセサリーに使用する、穴の開いた小さな玉状のもののこと」であるとわかった。もっとも、展示品には玉状ではなく、細長いビーズもあったので、糸が通せればみんなビーズなのであろう。
 博物館は甲州街道沿いにあり、とてもわかりやすい。



 2階に上がり、ビーズの歴史から学習した。アクセサリーだけでなく、富や権力の象徴、社会的地位、アイデンティティー、精神世界とのつながり、防具等としての役目も果たしていたとのくだりに「へえ~」と驚く。たしかにトルコ石や翡翠をふんだんに使った装飾品を見たら、裕福なことがよくわかる。
 展示品は撮影禁止なので、チラシの裏面からご紹介したい。



 鳥がたくさんついているナイジェリアの王冠はユニークだった。



 すべて小さなビーズをつなぎ合わせてできており、従者に作らせた権力を感じる。
 ポーランドの女性用衣装は華やかだ。



 どれが刺繡でどれがビーズなのかの区別はさておき、ハレの日の一着として注目を集めたに違いない。おそらく、親が可愛い娘のために、金に糸目をつけず調達したのではないだろうか。
 1階にも素敵なドレスがたくさんあった。「特別出品 田川啓二 オート・クチュールのビーズ刺繍」と書かれた一角に、目を奪われる。



 すご~い、着てみたいっ! 身長足りないけど。

 数々の力作を堪能し、入館料は大人500円なのだから破格の価格である。
 11月4日まで開催しているようなので、ぜひ目の保養にどうぞ。

 すぐに影響されるタチなので、ブログ開設から6000日を迎える記念として、何か作ってみたくなった。きっと、垢ぬけなくて野暮ったい作品になるけれど、あと29日あるから何か考えよう。ブレスレットなら簡単かも。分不相応なトルコ石などが使えるはずもなく、オールプラスチックであること間違いなしだ。
 アクセサリーで思い出した。私はビーズの指輪を持っている。



 これは3校目の勤務先で、生徒からもらったものだ。難病にかかっていた女の子だったが、自分で体調をコントロールしながら生徒会や部活動にも取り組む明るい生徒だった。日光に当たってはいけないため、体育の時間はいつも日陰で見学していた。担任だったわけではないけれど、ある日「趣味で作っているので、よかったら使ってください」と、作品のおすそ分けをいただいたというわけだ。
 無事に卒業してから2年後、彼女は体調を崩し、そのまま亡くなってしまった。葬儀にはたくさんの卒業生が集まり、彼女がいかに多くの人から愛されていて、その死を悔やまれているかを知った。
 この指輪は、色もデザインもキレイに整っている。美しく完成させようと、彼女がせっせと仕上げたであろう工程に思いを馳せた。生きたくても生きられなかった子の前で、元気な者が弱音を吐いている場合ではない。
「イヤなこともあるけど、楽しいことだってあるじゃん。前向いていこっ」
 このビーズの指輪は、「励まし」の役目を果たしてくれたようだ。

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初心者でもできる網戸張り替え

2024年08月18日 08時55分38秒 | エッセイ
 リビングの網戸が破れていた。



「ありゃあ~」
 我が家は築30年。確認したら、南からの直射日光が当たる網戸がもう一つ、同じように破れている。西日の当たる場所や日の当たらないところは何ともないので、日差しの破壊力を思い知らされた。しばらくはテープで応急処置をしていたが、お盆休みを機に、自分で張り替えに挑戦するぞッと決めた。
 頼りになるのがこの本だ。



 用意するもの、溝の掃除の仕方、ゴムを押し込む開始地点などがこと細かく書かれており、安心して「やってみよう」という気持ちになれる。ホームセンターの動画も見たが、ここまで親切な説明ではなかった。DIYの知識が乏しい者にとってはありがたい一冊だ。
 まずは網や押さえゴムの購入から始める。網目の細かさには種類があるが、26mmというスタンダードなものを選んだ。少しでも明るい色がいいので、黒ではなくグレー。
 中にはディズニーの可愛らしい網もあった。





 好きな方は、破れていなくても張り替えちゃったりして~!
 押さえゴムは太さが重要らしい。2.8mmから6.8mmまでのバリエーションがあるので、細すぎると網が浮き、太すぎると溝に入らない。面倒がらずに、今使っている押さえゴムのサイズを測って、フィットするものを注文する必要がある。我が家のサイズは4.5mmであった。
 あとはゴムを溝に押し込むローラーを買い、道具は揃った。



 問題は作業場所をどこにするかである。あまりに暑いため、室内に段ボールや新聞紙をつなげて網戸を置き、冷房をつけて取り掛かったが、これで正解だったようだ。初心者ということもあり、わずか2枚の張り替えに2時間もかかった。暑い屋外で作業していたら、具合が悪くなっていたかもしれない。
 まずは、押さえゴムを外し、溝やフレームの掃除をする。我が家では全然していなかったので、網から白い粉が落ちてきたのにはビックリした。年に1回は洗わなくてはと反省する。



 次に網を張る場所を決める。ここで大事なのは、網目がまっすぐになることと書いてあった。しかし、老眼だと網目がよく見えない。勘でやったら、案の定曲がっていた。プロはコツをつかんでいるんだろうな。教えてほしい~!
 網を仮止めする。外した押さえゴムを短く切って上部に押し込み、ずれないように固定した。クリップ等も売られているが、この方法で十分と感じる。
 新しい押さえゴムは7m。



 ねじれないように注意し、網がたるまないように引っ張りながら、これをローラーで押し込んだ。右利きの人は、左下から始めて時計回りにグルッと一周するのがセオリーとあった。



「あはは、楽しい」
 この作業が一番面白くてやりがいにつながる。結構、力がいるが、目の前で網戸が形になっていくので、達成感がものすごい。「やった~、できた!」を最も実感する過程であろう。一周したらゴムを切って見えないように処理した。
 最後に、周囲の網をカットして仕上げとなる。



 ところが、これがかなりイライラする作業であった。網がまっすぐ張れている場所は、テケテケテケとカッターが動き、なんの苦労もないのだが、曲がっている場所はカッターが引っかかり、「カクカク」と抵抗を受けて止まる。余計な時間がかかるし、キレイにカットできず、美しくならないところがストレスだった。網戸の専用カッターも売られていたけれど、買えばよかったのだろうか。クソッ。
 細かいことはさておき、完成すると新品のように見え、素人としては胸を張って「合格」と言いたい。
 あと30年はオーケーでしょ。

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即席バナナホルダー

2024年08月11日 17時22分05秒 | エッセイ
 最近読んだ本の中で、一番役に立ったのは、小林弘幸氏の日経ビジネス人文庫シリーズである。



 たまたま、図書館で時間をつぶす機会があり、チラ見したら自律神経を整える意義が書かれていた。これには大いに共感し、借りるだけでは物足りなくて、購入に至ったというわけだ。ものの見方・とらえ方を変えるだけで自律神経の乱れがなくなり、準備や段取りに力を入れれば、持てる力を存分に発揮することにつながる。誰にもできて難しくないだけに「やってみよう」と前向きな気持ちになれてよい。
 もちろん、元気に活動するには体の調子も重要であり、腸内環境についても触れられていた。ここは少々耳の痛い箇所だ。ソフトクリームやフラペチーノが好きな身としては、腸を労わっているとはいえない。だが、バナナが腸に効くのであればチャレンジしたい。防カビ剤等を避け、有機JASのバナナを買い、腸の健康も目指すことにした。



 久しぶりに食べるバナナは甘い。朝食にしたら、腹持ちがよく満腹感もある。これなら苦もなく続けられそうだ。
 さて、保管はどうしよう。一般的には、バナナは傷みやすいため、ホルダーやスタンドに吊るしておくことが推奨されている。



 残念ながら、うちにはこんな洒落た道具がなかった。でも、吊るすだけであれば、耐荷重1kgの強力マグネットフックがある。



 これにバナナを引っかけてみてはどうか。



 ……違和感がすごいが、置いておくより、バナナへのダメージが減るらしい。最初に買った房は、このように保存し、最後まで美味しくいただくことができた。
 もっといい方法がないかしら、と別の場所を探してみた。



 うん?
 木目込み細工のために買ったスタンドが目に入る。



 やはり! ピッタリではないか。
 しばらくバナナ用にしてしまおうと、安易な考えが浮かんでくる。
 追い出された金魚の「あーれぇ」という哀しい嘆きが聞こえた気がした。
 ゴメンゴメン、セリアで代わりのスタンドを探してくるから待っててね。

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いらっしゃいませ100円硬貨

2024年08月04日 17時46分55秒 | エッセイ
 武蔵野観音霊場巡りをしているが、夏場は暑くて、とても行く気になれない。
「写経はためておかなくちゃ」
 涼しくなった頃に出かけるつもりで、週に2枚は書いている。
「100円玉も用意しないとね」
 御朱印をいただくのに300円かかるが、1000円札を出してお釣りをもらうと結構待たされる。かといって「釣りはいらない」とはならないので、ぴったりの額を払い、スムーズに移動するのが一番だ。あと10か所だから30枚を調達せねば。キャッシュレス化が進むと、財布に硬貨が集まらないデメリットがある。焦ったところでどうにもならない。
「まあ、そのうち回ってくるさぁ~」
 
 先日、勤務先の高校で外国人講師が任期満了となった。終業式の日に離任式も行う予定で、サプライズ企画が進んでいた。
「3年生から色紙のプレゼントをします」
「2年生はありがとうメッセージを伝えます」
 教員がそれぞれできることを探して、感謝を持って講師を送り出す手はずを整えた。問題は花である。予算がないので、行動派の理科教員が「一人100円カンパして!」と集めて回ってくれた。
「すご~い! たくさん集まってるじゃない」
「いやあ、皆さん協力的で、快く払ってくれましたよ」
 花の注文は私がした。4800円集まったというので、5000円の花束にすればちょうどいい。
「じゃあ、このお金、渡してもいいですか」
「もちろんです」
 理科教員から硬貨の入った封筒を受け取ると、木綿豆腐ほどの重みがあった。協力者の熱意も込められたカンパに「皆いいとこあるじゃん」と口端が上がる。だが、硬貨の強制通用力は額面金額の20倍までだし、ジャラジャラさせて支払うわけにいかないので、手持ちの紙幣に両替しないといけない。
「あっ、100円玉、大量にゲットじゃん」



 こうして、苦もなく御朱印代を調達できたのであった。
 しかし、豪華な花束を写真に収め忘れてしまった。なんと残念な……。
 全部100円玉かと思ったら、50円玉も11枚紛れていた。



 うう、だまされた。まあいいけど。
 昭和生まれの多くは、硬貨がたくさんあると「昭和64年」と書かれたものを探す習性がある。この年の1月に昭和天皇が崩御され、元号が変わって平成になったことから、数が少なく貴重であるらしい。一度も見つけたことはないけれど、どこかにはあるのだろう。
 代わりに、昭和46年の硬貨が見つかった。



 昭和を西暦にするには、1925を足せばよい。つまり、1971年に作られた硬貨というわけで、現在53歳。これからも活躍してほしい。
 一昨日、見送った外国人講師からメールが届いた。無事に母国に到着したとのことで、肩の荷が下りた。日本で教壇に立った経験を、ときどき思い出してくれるとうれしい。
 早く御朱印もらいたいな~。

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郵便物から宝探し

2024年07月28日 20時54分21秒 | エッセイ
 郵便物の処理はやりたくない仕事の一つだ。
 重要な連絡はほんのひと握りで、ほとんどがどうでもいいイベントのチラシや、掲示する必要もないポスターばかりで、開封した時点でゴミになる。作業の意義を感じられない。
 しかし、その日の郵便物には明らかに異質なハガキが混じっていた。「笹木砂希先生」と書かれたあて名も学校の所在地も、何度も下書きをしては書き直し、成功した文字にペンを入れ、消しゴムをかけたように見えた。
「おやおや? 誰からだろう」
 差出人は近隣の中学生であった。ほかにも2通、同じ中学からのハガキが届いており、おそらく教員の指導を受けて書かれたものと思われた。
「そうか、あのときの生徒だ」
 7月早々、勤務先の高校に中学2年生6名が、上級学校訪問としてやってきたことを思い出す。
「どのような校則がありますか」
「部活動は強いですか」
「○○という授業の内容を教えてください」
 他にもたくさんの質問を準備して来校したが、対応をした教員が私だったので、お礼と感想等を自分たちの言葉で綴ったハガキを送ってくれたらしい。
「へえ、こんなことを感じたんだ」
 サッカー部の活動が聞けてよかったとか、○○室は中学校にない施設なので面白かったなどと率直な意見が書かれており、真剣に取り組んだ姿勢が伝わってくる。
 これはうれしい。今年度、受け取った郵便物の中で、間違いなく一番光り輝いていた。先生方からお礼状をいただくことはあるが、生徒から受け取る機会はそう多くない。どのようなリアクションをしようかと頭を捻り考えた。
「よし、暑中お見舞い申し上げますって書いてあるから、見舞状として返信しよう」
 名案が浮かび、ハガキを買いに走る。普通ハガキのストックならあるが、近所の文具店の、ちょっとおしゃれなポストカードがいいだろう。



 夏らしいイラストが気に入り、こちらもレジに持っていく。



 切手は、何年も前に調達したシートの残りを使えばよい。



 おそらく、今の中学生が郵便を利用することはまずない。自分たちの送ったハガキが無事到着し、気持ちも届けられたと実感できれば、紙媒体の味わいを知るきっかけにもなる。手紙のよさをわかってほしくて、返信の文面には人生に生かせそうな名言もつけ加えた。
 書いている間は、わくわくする想いに満たされ、私の方が元気をもらったのだと気づく。楽しいひとときだった。
 明日からまた一週間が始まる。
 次から「郵便物の山には宝が紛れているかも」と考えながら開封することにしたい。

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コレステロール値と血糖値を下げるには

2024年07月21日 18時11分26秒 | エッセイ
 先日、職場の健康診断を受けた。
 この数年はLDLコレステロール値とHbA1cが高く悩んでいたが、昨年は血圧まで高くなってしまい、食生活を改善した。豚ロースからヒレ、鶏モモからササミに変えた上、週の半分は肉ではなく厚揚げやがんもどきなどを弁当の主菜にして、動物性の脂肪を極力カットして半年以上経つ。
 体も軽くなり、体脂肪率は18%台を維持している。果たして、どの程度の成果が得られるかと、わくわくしながら結果通知を開いた。
 血流がよくなったせいか、視力も上がっている。



 しかし、何かがおかしい。遠くを見るときは0.9の右目が活躍するようだが、PC操作等の近距離では1.2の左目が頑張っているらしい。勝手に役割分担を決めて、どちらかが怠けられるような体制を作っている気がした。両目で協力して、「コンタクトなしでも見えるようにしてあげよう」などと動いてはくれればいいのに。ちぇっ。
「いつもこうなんですか? コンタクトの度数を見直すのも手ですよ」
 スタッフの方にアドバイスもいただいたけれど、自分の目だし、まあいいか。
 問題の血圧はいい感じになっている。



 うほほ~い!
 昨年は上が131、下が88だったので、半年でだいぶ変わるのだとわかった。
 一方、LDLコレステロールはいまいち冴えない。



 上限が139なので、異常なしにはなっていても、劇的に下がったわけではなかった。右の列は昨年度の数値であるが、来年は総コレステロール値がオーバーしないよう、上限219に収まることを目指して大豆食を続けなければ。
 コレステロール値の下に表示されている、血糖値も期待通りではなかった。
 HbA1cは6.0から要観察となる。わずかに下がり、5.9にはなったけれど、「もしかして、5.7ぐらいになっているかも~」という淡い期待は泡と消えた。くすん。
 半年程度では、劇的な効果は得られないということなのだな、これは。
 新たに引っかかった項目もある。腎機能の「血清クレアチニン」と尿酸は基準値を少々オーバーしていた。なんでだろう? あとで調べよう。
 そんなわけで、昨年よりは健康になったことに安心する。
 思ったよりも、のんびりペースではあるが、確実によい方向に向かっている手応えが得られた。
 引き続き、頑張りまーす!

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ラテアートとサザコーヒー

2024年07月14日 17時39分30秒 | エッセイ
 暑い夏でも温かい飲み物がいい。
 ホットのカフェラテは特に好きな飲み物で、あちこちの店に入っては注文し、ラテアートを楽しんでいる。写真がたくさんたまったので、改めて披露したい。
 愛着のあるキャラクターは基本中の基本であろう。
 『一条ゆかり展』で注文したラテはこちら。ファンならわかる『有閑倶楽部』の登場人物だ。







 かつて秋葉原にあったガンダムカフェでも、作品ごとの主要キャラが注文できた。





 なくなってしまったことを残念に思う。お台場まで行くのは遠いなぁ……。
 羽田空港のよーじやカフェに行ったのは10年前か。カフェラテではなくカプチーノだった気がした。



 「和」を前面に押し出した黒髪・切れ長の目に個性が光る。
 上野エキュート内のC’sカフェは、動物が得意だ。





 ひたすらかわいい♡
 恵比寿ガーデンプレイス内の宮越珈琲店に行ったときは冬だった。今は寒さが懐かしい。





 自宅近くのイタリアンでのアートの腕もなかなかである。コロナ以降は疎遠になってしまい、また行かねばと考えている。



 前置きが長くなった。ラテアートは見ているだけで楽しいけれど、味覚を満足させるに至らないものが少なくない。早い話が「薄ッ」となりがちなのだ。でも、先週、品川に行ったときのラテは違った。



 こちらはひいきにしているサザコーヒーのラテ。茨城発のお店らしいが、大宮エキュートにも入っている。新幹線に乗って那須の両親宅に行く前に調達し、車中の友にすることが多い。品川にはイートインを併設した店舗があるので、出かけたついでに立ち寄った。いつもは将軍コーヒーばかりだったが、この日はカフェラテにしようと思いついた。
「うわ、濃い」
 たっぷりと載ったミルクに負けず、コーヒーならではの苦味と旨味が舌の上に広がる。豊かでパワフルな味わいにノックアウトされた。これは今までのカフェラテの中では一番の味かもしれない。
 一緒に注文した、将軍珈琲ロールもイケる。



 クリームの甘味とこってり感の塩梅が絶妙で、あっという間に食べ尽くした。職場外での仕事は手間だが、美味しいおやつにありついて、とっても得した気分に早変わりだ。
 ああ、幸せ!
 ラストを飾るのは、2015年の正月に、私が作ったカフェラテである。
 「今、何月だッ」とツッコミを入れられそうな季節感のなさに体を小さくした。



 アートそのものは「まあ許す」レベルと思われるが味がちょっと……。
 エスプレッソを濃い目、濃い目にいれたつもりだったが、飲んでみたらラテに負けて水っぽかったことを思い出す。
 サザコーヒーを目標に、夏らしいラテに挑戦しようかな。

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もしもしカメよ

2024年07月07日 16時59分14秒 | エッセイ
 夕食が終わり、夫が食器を洗い始めたときだった。
 黒い虫が部屋のどこかから飛んできて、キッチンの白い壁にとまった。
「うわ!」
 まさかG? ブロ友のZUYAさんに教わったG対策が奏功し、数年に一度ぐらいのペースでしか見なくなったとはいえ、その一度かと身構える。しかし長い触角はなかった。
「カメムシだ」
 決してカメムシが好きなわけではないが、「ずっとマシ」と思いホッとする。どうにかして退治しなくてはならないけれど、何でも力で解決しようとする夫に任せるわけにいかない。カメムシは身の危険を感じると臭い匂いを放つというので、ここは穏便に。
「ビニール袋があれば取れるよ」
 タイムリーに娘が駆除係を申し出た。手際よくカメムシの背後からビニール袋をかぶせ、ビニールの上から虫の体をつついて、袋の中に落とした。わずか2分ほどで、カメは白い壁からいなくなる。
「外に逃がしてくる」
「ありがと~!」
 かくして無益な殺傷をせず、悪臭に困ることもなく、カメ対応ができたことに安堵した。おそらく洗濯物にへばりつき、部屋の中に取り込まれたのであろう。今年はカメムシが大量に発生していると聞くので、何とかしなくては。
 東京23区といっても、我が家は緑の多い練馬区にあり、庭にも3本の木が生い茂っている。カメムシにとっては居心地のよい空間なのではと察する。



「これだ」
 探してみたら、カメムシ忌避剤なるものが売られていた。



 雨に濡らさぬよう、洗濯物を干す場所に吊るせば、周囲1mの範囲で効果が期待できるらしい。
 ベランダの庇の内側にセットして、そもそもカメムシを室内に入れない工夫をすればよい。



 カメムシは白い洗濯物を好む傾向があるとも聞く。取り込むときは、タオルやブラウスを集中的にチェックし、忌避剤に鈍感なカメがくっついていないかも確認すべきであろう。
 以来、部屋の中では見ていない。この調子で平穏に過ごせることを願う。
 昨日の雷雨はすさまじかった。忌避剤が濡れると効き目がなくなることを忘れ、うっかりベランダに出したままであった。帰宅後に思い出し、触ったら乾いていたので、濡れなかったことにホッとする。
 夏は台風のシーズンだ。
 今度こそ、ぼんやりして撤収を忘れないようにしよう。
 台風一過で窓を開け、外を確認したら、忌避剤が飛ばされていたなんて悲しすぎる……。

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パソコンの寿命は何年ですか

2024年06月30日 17時01分06秒 | エッセイ
 先日、新しいPCを買いに行った。
 メーカーはNECと決めている。大きなトラブルもなく、信頼できるからだ。店員とやりとりしながら、機種を選んでいく。
「今お使いのものはWindows10ですか」
「はい」
「てことは、5年前ぐらいに購入されました?」
 そこでハタと気づいた。買ったときのバージョンを聞かれているのだと。
「いえ、10年ぐらい前だったので、アップデートで10になりました」
「そうですか。じゃあ、8あたりだったと思いますね」
 私は物持ちがよい。PCの寿命は5~6年といわれているようだが、倍の期間で使えている。ガラケーやスマホも6年以上は使った。まず酷使しないし、無茶な使い方もしないからであろう。古くなったPCは変換中にしばしば停まり、5分ぐらいフリーズしたり、ネットサーフィン中に「~のページは応答していません」と表示されたまま動かなかったりするけれど、時間がかかるようになっただけ。待っていれば解決するのだ。
 SDカードやディスクのドライブは機能しないが、外付けで代用できる。ブログ更新の相棒として、大きな問題があるわけではないが、カメラ付きで外に持っていかれるようなパソコンも欲しいと思っていた。情報科の教員に助言を求めると、「10は来年の10月でサポートが終わりますから買うべきです」とのことで背中を押してもらったわけだ。
 予算とスペックが一致した機種がコレである。



 昨日、受け取りに行き、サイトを登録しながら使い始めている。記事のアップは今日が初めてとなった。途中で固まることもなく、スムーズな動作で非常に満足している。
 一方、出番が減ったものの、依然として写真や年賀状等のデータを持っているPCがコレだ。



 新しいPCを隣に置いたら、急に動きがよくなり、フリーズすることなしにスイスイと動いている。なんで?
 対抗意識を燃やしていたりして。サポート期間が終わるまでは処分するつもりもないので、安心せいと声をかけておこう。
 正確な購入日を確認しようと、引き出しの中を探してみたら、某電機店の保証書が出てきた。



 2012年6月3日。
 10年どころか、12年も前ではないか。
 こんなレシートまで取っておいたら、「保管魔」なんて言われちゃうかな。

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