マイミクさんの日記に、「即席麺が食べたくなり、エースコックのワンタンメンを買って料理した。美味しかった」と書いてあった。なんでも、カップ麺と違って、鍋で煮る麺が欲しくなったらしい。ちょっと、わかる気がする。
私が即席麺で好きだったのは、サッポロ一番だ。しょうゆ味とみそ味も捨てがたいが、最も気に入っていたのは塩味で、さっぱりしたスープに魅力を感じていた。
あの味を思い浮かべたら、かなり食べたくなってきた。しかし、インスタント食品を嫌悪するプロテスタントの友人が、「身体の中が汚れるから、非常時以外食べるべきじゃないわ」と言っていたのを思い出し躊躇する。
でも、やっぱり食べたい……。
いつも自炊しているから、たまにはいいかなと自分を甘やかす。同意を求めて、娘に聞いた。
「ねえ、今日のお昼、サッポロ一番でいい?」
「サッポロ一番? ああ、前にお祖母ちゃんに作ってもらったラーメンだよね。別にいいよ」
「しょうゆとみそと塩があるんだけど、どの味にする?」
「うーん、みそがいいかな」
「じゃあ、お母さんは塩にする」
あっけなく交渉は成立し、私はスーパーに走った。即席麺を買うのは何年ぶりだろう。カップヌードルなら去年も食べたが、サッポロ一番は娘が生まれる前に食べたきりではなかっただろうか……。
ということは、十数年ぶりということになる。長いブランクだ。
サンヨー食品株式会社が「サッポロ一番しょうゆ味」を売り出したのは、1966年というから、相当なロングセラー商品といえるだろう。「塩らーめん」の登場は、1971年と少し遅いが、こちらも息の長い商品であることは間違いない。
お目当てのものを買い、台所に立つ。
まずは、娘のみそラーメンを作る。
お湯500ccを沸騰させ、麺を入れて3分茹でたら、粉末スープを入れてできあがりというお手軽さだ。麺を茹でた湯は捨て、新しい湯でスープを溶いたほうが美味しいという説もあるが、以前に試したときは水っぽくなったため、書いてある通りに作った。
具にチャーシューと小松菜、味付け玉子を載せて、焼き立てのギョーザと一緒に食卓に並べる。
次に、私の塩らーめんに取りかかる。こちらもすぐに完成し、キティちゃんの丼に移した。
「いただきまーす」
箸で麺をすくい、口に運んだとたん、私は目を白黒させた。
「アチッ、アチアチ、アチィ~!!」
鍋からおろしたばかりの麺は、猫舌の私にとって、過酷な温度だったのだ。
「ひー、火傷したぁ」
思わず涙目になる。サッポロ一番って、こんなに熱かったっけ!?
今度は慎重に、フーフーしながら箸を動かす。うん、美味しい。柔らかくてフワフワした即席麺も、尖った塩味のスープも、昔と全然変わっていない。
だが熱い。フーフー、モタモタ、ズルズルと繰り返していたら、すっかり麺が伸びてしまった……。即席麺の柔らかさがアダになったようで、最後のほうは離乳食並みに、噛まずに食べることができた。気分は赤ちゃんだ。
猫舌の者がこのラーメンを食べるには、ひと工夫しなければならない。
まず、500ccのお湯を400ccに減らし、食べる直前に減らした分を水で加える。そうすれば、仕上がりの温度が下がり、食べごろになるだろう。
しかし、お湯が減ると、大きな鍋を使った場合、麺に湯がかぶらないことも考えられる。鍋は丸いのに、麺が外袋と同じように、四角に形成されているからいけないのだ。麺を鍋に合わせて丸い形に仕上げてくれれば、小さな鍋でも茹でられるではないか。
猫舌の消費者のため、ぜひ、サンヨー食品には丸型麺での製造をお願いしたい。
ああ、口の中がヒリヒリする……。
「ほうら、言った通りでしょ。非常時以外、食べるべきじゃないのよ」
もし、この場にプロテスタントの彼女がいたら、こう諭されるだろう。
しかし、ダメと言われると、余計に挑戦したくなるのが人情というもので……。
次に食べるのは、来年あたりだろうか。
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
私が即席麺で好きだったのは、サッポロ一番だ。しょうゆ味とみそ味も捨てがたいが、最も気に入っていたのは塩味で、さっぱりしたスープに魅力を感じていた。
あの味を思い浮かべたら、かなり食べたくなってきた。しかし、インスタント食品を嫌悪するプロテスタントの友人が、「身体の中が汚れるから、非常時以外食べるべきじゃないわ」と言っていたのを思い出し躊躇する。
でも、やっぱり食べたい……。
いつも自炊しているから、たまにはいいかなと自分を甘やかす。同意を求めて、娘に聞いた。
「ねえ、今日のお昼、サッポロ一番でいい?」
「サッポロ一番? ああ、前にお祖母ちゃんに作ってもらったラーメンだよね。別にいいよ」
「しょうゆとみそと塩があるんだけど、どの味にする?」
「うーん、みそがいいかな」
「じゃあ、お母さんは塩にする」
あっけなく交渉は成立し、私はスーパーに走った。即席麺を買うのは何年ぶりだろう。カップヌードルなら去年も食べたが、サッポロ一番は娘が生まれる前に食べたきりではなかっただろうか……。
ということは、十数年ぶりということになる。長いブランクだ。
サンヨー食品株式会社が「サッポロ一番しょうゆ味」を売り出したのは、1966年というから、相当なロングセラー商品といえるだろう。「塩らーめん」の登場は、1971年と少し遅いが、こちらも息の長い商品であることは間違いない。
お目当てのものを買い、台所に立つ。
まずは、娘のみそラーメンを作る。
お湯500ccを沸騰させ、麺を入れて3分茹でたら、粉末スープを入れてできあがりというお手軽さだ。麺を茹でた湯は捨て、新しい湯でスープを溶いたほうが美味しいという説もあるが、以前に試したときは水っぽくなったため、書いてある通りに作った。
具にチャーシューと小松菜、味付け玉子を載せて、焼き立てのギョーザと一緒に食卓に並べる。
次に、私の塩らーめんに取りかかる。こちらもすぐに完成し、キティちゃんの丼に移した。
「いただきまーす」
箸で麺をすくい、口に運んだとたん、私は目を白黒させた。
「アチッ、アチアチ、アチィ~!!」
鍋からおろしたばかりの麺は、猫舌の私にとって、過酷な温度だったのだ。
「ひー、火傷したぁ」
思わず涙目になる。サッポロ一番って、こんなに熱かったっけ!?
今度は慎重に、フーフーしながら箸を動かす。うん、美味しい。柔らかくてフワフワした即席麺も、尖った塩味のスープも、昔と全然変わっていない。
だが熱い。フーフー、モタモタ、ズルズルと繰り返していたら、すっかり麺が伸びてしまった……。即席麺の柔らかさがアダになったようで、最後のほうは離乳食並みに、噛まずに食べることができた。気分は赤ちゃんだ。
猫舌の者がこのラーメンを食べるには、ひと工夫しなければならない。
まず、500ccのお湯を400ccに減らし、食べる直前に減らした分を水で加える。そうすれば、仕上がりの温度が下がり、食べごろになるだろう。
しかし、お湯が減ると、大きな鍋を使った場合、麺に湯がかぶらないことも考えられる。鍋は丸いのに、麺が外袋と同じように、四角に形成されているからいけないのだ。麺を鍋に合わせて丸い形に仕上げてくれれば、小さな鍋でも茹でられるではないか。
猫舌の消費者のため、ぜひ、サンヨー食品には丸型麺での製造をお願いしたい。
ああ、口の中がヒリヒリする……。
「ほうら、言った通りでしょ。非常時以外、食べるべきじゃないのよ」
もし、この場にプロテスタントの彼女がいたら、こう諭されるだろう。
しかし、ダメと言われると、余計に挑戦したくなるのが人情というもので……。
次に食べるのは、来年あたりだろうか。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)