その日は所用で浅草に行った。
仕事のあとは、仲良しマダム2人と食事をすることになっている。しかし、まだ早い。待ち合わせまでには、40分ほど時間が余りそうだ。
よしっ、ガンダムカフェに行こう!
この4月、秋葉原にガンダムカフェがオープンし、連日長蛇の列ができる大混雑だと聞いた。ファンとしてはぜひ行ってみたいけれども、待つのはイヤだ。
でも、2カ月経った最近では、ようやく混雑が緩和され、平日ならばほとんど待ち時間がないという話である。土日は相変わらずで、開店前から行列ができるらしいから、行くなら今日しかない。
浅草から秋葉原までは近い。Webサイトには、秋葉原の電気街口から徒歩1分と書いてあった。降りしきる雨の中、私は傘を片手にお目当ての店を探す。
どこだ、どこだ……。
キョロキョロしていると、白い違和感のある建物が目に飛びこんできた。
あった、あった!
見つけた喜びは大きかったが、口コミと違って行列ができていることがショックだった。
うそー!! 並んでるじゃん!
考えてみれば、もう5時を回っているのだ。仕事を終えて、ちょっと一杯という客がいてもおかしくない。どうやら、時間帯をミスったらしい。
道路を隔てた向かい側には、エクセルシオールカフェが見える。今日はあっちにしようかな……と一瞬弱気になったが、それほど待たずに入れるかもしれない。ひとまず、列の最後尾に並んでみた。
ガラス越しに店内が見える。10代、20代は少ないようだ。50代以上もまったく見当たらない。30代~40代とおぼしき男女で、店内は埋め尽くされている。男女比はほぼ同じで、OLらしい女性グループが意外に目立つ。しげしげと観察していたら、壁のガンダムフィギュアが照れたような表情を浮かべた。
「雨が冷たいし、今日はもうあきらめようぜ」
私の前に並んでいた男性4人組は、順番待ちをやめるようだ。一人がこう言い出すと、特に反対意見もなく、そろって駅のほうに体を向けるではないか。セイラの名セリフ「軟弱者! それでも男ですか!!」を叫びたくなった。
少しずつ順番が近づいてくる。入口で店員のおネエさんが、人数と禁煙席か喫煙席かを尋ねる声が聞こえてきた。もうすぐだと心が高鳴る。喉が渇いたからコーヒーでも飲んで、軽いお茶うけを食べようかと考えた。
このカフェには、一人で来る客も多いようだ。私の前にはカップルがいたが、カウンターの一人席なら空いているからと、おネエさんが私を先に案内してくれた。
ラッキー!
結局、待ち時間は15分程度だ。並んで正解だった。
入口でもガンダムがお出迎えしてくれる。
注文カウンターの上にもガンダムが……。
メニューを見て気が変わった。「セイラのくちびる」というピンクのカクテルがあるではないか。「赤い彗星」というカクテルも捨てがたいが、断然こちらがそそられる。コースター付きと表示されているので、記念に持って帰ろうと決めた。
一緒に「シャアザクアイス」も注文した。
この店では、奥の席が当たりだ。スクリーンで映像も見られるし、フィギュアもたくさんある。
私の席の周りには、せいぜいイラストくらいしかないのが淋しい。
おっと、のんびり探検している場合ではない。時計を見ると、タイムリミットが近づいている。秋葉原17:54発の山手線に乗りたいのに、時計は17:45である。急がねば!
アイスもカクテルも、とびきり美味しいということはなく、平均的な味といえる。でも、この店の雰囲気でいただくのが贅沢なのだ。
グラスとお皿を空にして、私は店から飛び出した。なんと慌ただしい時間つぶしなのだろう。
自動改札を抜けたところで気がついた。
しまった、コースターを忘れた……。
ザクの頭部をイメージしたコースターを、私はきれいさっぱり置き忘れてきた。
今度は、ランチタイムに行きたい。
楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
仕事のあとは、仲良しマダム2人と食事をすることになっている。しかし、まだ早い。待ち合わせまでには、40分ほど時間が余りそうだ。
よしっ、ガンダムカフェに行こう!
この4月、秋葉原にガンダムカフェがオープンし、連日長蛇の列ができる大混雑だと聞いた。ファンとしてはぜひ行ってみたいけれども、待つのはイヤだ。
でも、2カ月経った最近では、ようやく混雑が緩和され、平日ならばほとんど待ち時間がないという話である。土日は相変わらずで、開店前から行列ができるらしいから、行くなら今日しかない。
浅草から秋葉原までは近い。Webサイトには、秋葉原の電気街口から徒歩1分と書いてあった。降りしきる雨の中、私は傘を片手にお目当ての店を探す。
どこだ、どこだ……。
キョロキョロしていると、白い違和感のある建物が目に飛びこんできた。
あった、あった!
見つけた喜びは大きかったが、口コミと違って行列ができていることがショックだった。
うそー!! 並んでるじゃん!
考えてみれば、もう5時を回っているのだ。仕事を終えて、ちょっと一杯という客がいてもおかしくない。どうやら、時間帯をミスったらしい。
道路を隔てた向かい側には、エクセルシオールカフェが見える。今日はあっちにしようかな……と一瞬弱気になったが、それほど待たずに入れるかもしれない。ひとまず、列の最後尾に並んでみた。
ガラス越しに店内が見える。10代、20代は少ないようだ。50代以上もまったく見当たらない。30代~40代とおぼしき男女で、店内は埋め尽くされている。男女比はほぼ同じで、OLらしい女性グループが意外に目立つ。しげしげと観察していたら、壁のガンダムフィギュアが照れたような表情を浮かべた。
「雨が冷たいし、今日はもうあきらめようぜ」
私の前に並んでいた男性4人組は、順番待ちをやめるようだ。一人がこう言い出すと、特に反対意見もなく、そろって駅のほうに体を向けるではないか。セイラの名セリフ「軟弱者! それでも男ですか!!」を叫びたくなった。
少しずつ順番が近づいてくる。入口で店員のおネエさんが、人数と禁煙席か喫煙席かを尋ねる声が聞こえてきた。もうすぐだと心が高鳴る。喉が渇いたからコーヒーでも飲んで、軽いお茶うけを食べようかと考えた。
このカフェには、一人で来る客も多いようだ。私の前にはカップルがいたが、カウンターの一人席なら空いているからと、おネエさんが私を先に案内してくれた。
ラッキー!
結局、待ち時間は15分程度だ。並んで正解だった。
入口でもガンダムがお出迎えしてくれる。
注文カウンターの上にもガンダムが……。
メニューを見て気が変わった。「セイラのくちびる」というピンクのカクテルがあるではないか。「赤い彗星」というカクテルも捨てがたいが、断然こちらがそそられる。コースター付きと表示されているので、記念に持って帰ろうと決めた。
一緒に「シャアザクアイス」も注文した。
この店では、奥の席が当たりだ。スクリーンで映像も見られるし、フィギュアもたくさんある。
私の席の周りには、せいぜいイラストくらいしかないのが淋しい。
おっと、のんびり探検している場合ではない。時計を見ると、タイムリミットが近づいている。秋葉原17:54発の山手線に乗りたいのに、時計は17:45である。急がねば!
アイスもカクテルも、とびきり美味しいということはなく、平均的な味といえる。でも、この店の雰囲気でいただくのが贅沢なのだ。
グラスとお皿を空にして、私は店から飛び出した。なんと慌ただしい時間つぶしなのだろう。
自動改札を抜けたところで気がついた。
しまった、コースターを忘れた……。
ザクの頭部をイメージしたコースターを、私はきれいさっぱり置き忘れてきた。
今度は、ランチタイムに行きたい。
楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)