昨日、ATMを利用するため、ファミリーマートに立ち寄った。時計は午後2時を指している。何となく、甘いものが欲しくなる時間である。
振込みを終え、私は迷わずスイーツ売り場に向かった。
プリンが食べたい……。
ゴンドラを見ると、何種類ものプリンがひしめき合っている。シンプルな焼プリンの隣には、図体のでかいプッチンプリンがあり、その隣にはモンブランプリンが肩を並べる。
どれも甲乙つけがたいと思ったのだが、ひとつだけ異色の輝きを放つプリンがあった。
ホイップクリームオニ盛 プリン
これは、カスタードプリンの上に、生クリームをてんこ盛りしたスイーツである。ご存じの方も多いだろうが、プリンにソフトクリームを載せたのかと思うくらい、たっぷりの生クリームがとぐろを巻いている。
私は、「オニ盛」というネーミングがいたく気に入った。
もし、「大盛り」や「山盛り」だったら、プリンの上に蕎麦やご飯が載っているようなイメージとなり、スイーツにはふさわしくない。
オニには、醜悪で怪力を持つ鬼を指すだけでなく、「異形の」「大形の」といった意味もある。
並外れた、大量のクリームをホイップしたこのプリンには、強烈なインパクトを与える「オニ」がちょうどいい。ただし、漢字で「鬼盛」としたら、なにやら日本酒めいた名前になる。カタカナを使ったのは間違いではないが、直前の「ホイップクリーム」もカタカナなので、ひらがなで「おに盛」にしたほうがよかったかもしれない。
と、余計なことを考えた。
職場に戻り、フタを開ける。
まさに、オニ盛だ……。
おや? カラメルの位置が妙だ。プリンの下ではなく、プリンの上、つまり生クリームとプリンの間に挟まっているではないか。
甘味を抑えたクリームと、濃厚なカラメルの相性はすこぶるよい。やはり、この場所がベストなのであろう。
とてつもなく美味しいプリンである。
コンビニスイーツは入れ替えが早いそうだから、なくならないうちにもう一度買いたい。
だが、入道雲のようなクリームに顔をしかめ、「ワタシ、これだけはやめておくわ」と宣言する女性もいる。326kcalは、飛び抜けて高い数値ではないと思うのだが。
昔の同僚に、このプリンを絶対気に入る男性が2人いる。
どちらも体育科のベテランなのだが、一人はスーパーマリオのライバル、ワリオに似ていて人相が悪く、もう一人は閻魔大王ばりの強面である。教員というより、ヤクザに近いかもしれない。
恐ろしい外見に似合わず、この2人はスイーツ男子なのである。しばしば連れ立って、ファミレスに向かう姿を見た。
ある日、例によって2人でCASAに行き、パフェにプリンアラモード、ケーキなどを注文した。体育科だけあって、食べる量も半端ではない。ズラリと並んだスイーツを前に、さぞや頬も緩んだことだろう。スプーンを手にして、いざ食べようとしたら、「あら、先生」という声が聞こえた。
声の方向に顔を向けると、そこには保護者が立っていたそうだ。
2人が「見られてしまった!!」と動揺するのも無理はない……。
このワリオと閻魔大王ならば、オニ盛はもってこいのおやつである。一度に5個くらい、平らげてしまいそうな気がする。
美味しいものを食い荒らす、彼らのほうこそ鬼に見える。
品切れにならないように、舌を引っこ抜いてやりたいものだ。
楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
振込みを終え、私は迷わずスイーツ売り場に向かった。
プリンが食べたい……。
ゴンドラを見ると、何種類ものプリンがひしめき合っている。シンプルな焼プリンの隣には、図体のでかいプッチンプリンがあり、その隣にはモンブランプリンが肩を並べる。
どれも甲乙つけがたいと思ったのだが、ひとつだけ異色の輝きを放つプリンがあった。
ホイップクリームオニ盛 プリン
これは、カスタードプリンの上に、生クリームをてんこ盛りしたスイーツである。ご存じの方も多いだろうが、プリンにソフトクリームを載せたのかと思うくらい、たっぷりの生クリームがとぐろを巻いている。
私は、「オニ盛」というネーミングがいたく気に入った。
もし、「大盛り」や「山盛り」だったら、プリンの上に蕎麦やご飯が載っているようなイメージとなり、スイーツにはふさわしくない。
オニには、醜悪で怪力を持つ鬼を指すだけでなく、「異形の」「大形の」といった意味もある。
並外れた、大量のクリームをホイップしたこのプリンには、強烈なインパクトを与える「オニ」がちょうどいい。ただし、漢字で「鬼盛」としたら、なにやら日本酒めいた名前になる。カタカナを使ったのは間違いではないが、直前の「ホイップクリーム」もカタカナなので、ひらがなで「おに盛」にしたほうがよかったかもしれない。
と、余計なことを考えた。
職場に戻り、フタを開ける。
まさに、オニ盛だ……。
おや? カラメルの位置が妙だ。プリンの下ではなく、プリンの上、つまり生クリームとプリンの間に挟まっているではないか。
甘味を抑えたクリームと、濃厚なカラメルの相性はすこぶるよい。やはり、この場所がベストなのであろう。
とてつもなく美味しいプリンである。
コンビニスイーツは入れ替えが早いそうだから、なくならないうちにもう一度買いたい。
だが、入道雲のようなクリームに顔をしかめ、「ワタシ、これだけはやめておくわ」と宣言する女性もいる。326kcalは、飛び抜けて高い数値ではないと思うのだが。
昔の同僚に、このプリンを絶対気に入る男性が2人いる。
どちらも体育科のベテランなのだが、一人はスーパーマリオのライバル、ワリオに似ていて人相が悪く、もう一人は閻魔大王ばりの強面である。教員というより、ヤクザに近いかもしれない。
恐ろしい外見に似合わず、この2人はスイーツ男子なのである。しばしば連れ立って、ファミレスに向かう姿を見た。
ある日、例によって2人でCASAに行き、パフェにプリンアラモード、ケーキなどを注文した。体育科だけあって、食べる量も半端ではない。ズラリと並んだスイーツを前に、さぞや頬も緩んだことだろう。スプーンを手にして、いざ食べようとしたら、「あら、先生」という声が聞こえた。
声の方向に顔を向けると、そこには保護者が立っていたそうだ。
2人が「見られてしまった!!」と動揺するのも無理はない……。
このワリオと閻魔大王ならば、オニ盛はもってこいのおやつである。一度に5個くらい、平らげてしまいそうな気がする。
美味しいものを食い荒らす、彼らのほうこそ鬼に見える。
品切れにならないように、舌を引っこ抜いてやりたいものだ。
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「うつろひ~笹木砂希~」(日記)