これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

マスクは顔の一部です

2011年02月24日 19時08分33秒 | エッセイ
 職場では、ノロウイルスやインフルエンザが流行している。万一、感染して、家に持ち込んだら大変だ。毎日マスクをつけ、体調管理に努めることにした。
 布製のマスクは、厚手なので声がこもってしまい、しばしば相手に聞き返される。薄手の不織布のマスクが使いやすくてよい。
 多数のメーカーが様々なデザインを出しているが、似合う形と似合わない形とがある。私は丸顔なので、小さなものだときつい上、肉がはみ出し見苦しい。なるべく大きなものをつけて、ゆとりを持つのが無難である。
 マスクも顔の一部となるから、自分に似合うものを見つけたときは嬉しかった。
 しかし、そこから堕落が始まったのだ……。

 まず、化粧がいい加減になる。どうせ見えないのだからと口紅を省略し、マスクで覆われない部分だけにファンデーションを塗る。マスカラは見える場所だというのに、連鎖反応でどうでもよくなり、ずっとポーチの中だ。
 次に、肌の手入れをしなくなる。以前は、佐伯チズのローションパックに精を出し、しっとり肌を保つ努力をしていた。しかし、マスクをすれば、目の下のたるみやクマ、口元のほうれい線などを、いとも簡単に隠すことができる。となると、地道に努力するのがバカらしくなってくる。努力を怠り、私の肌はどんどん砂漠化している。
 さらに、無駄毛の処理をしなくなる。頬や口の周りの産毛が、伸び放題でボーボーなのに、怖いものなしだ。そのうち、眉毛の手入れまでさぼり始め、日に日に太くなっている。今では、マッキー極太で描いたような太さとなり、イモトアヤコを超える日も近い。
 今は、片時たりとも、マスクと離れることが恐しい。
 たとえば食事中である。耳から白いゴムを外すと、まるで病人のように血色の悪い女が現れる。家ならともかく、職場ではこんな姿を見られるわけにはいかない。とっとと食べてしまおうと思っているのに、そんなときに限って、人が来たり電話がかかってきたりする。

 たしか、感染予防の目的でマスクをつけたはずだったのだが……。今では、身だしなみの手抜きをするために、手放せなくなった。
 食事のときにはパカッと、くちばしのように開くマスクはないかな。



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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (14)
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