中3の娘に、「ミキはお父さんにそっくり」と言ってはいけない。
目元がよく似ており、幼い頃からそう言われ続けてきたが、白髪交じりのオジさんと比較されることが気に入らないらしい。たちまち目を吊り上げ、「似てないよ!」と否定する。
しかし、母親の私から見ても、この2人には共通点がありすぎる。
まず、血液型が同じA型だ。色白で、髪に天然のウエーブがかかっているところもそっくりである。大きな声で言えないが、後頭部のふくらみがなく、いわゆる「絶壁」なのも同じだ。
性質もよく似ている。負けん気が強くて、すぐ言い返してくるところや、感情的で、すぐカッとなるところは何とかしてほしい。
先日、こんなことがあった。娘と買い物に行った。帰ったら、冷房の利いた部屋で、夫がお腹を出して昼寝していた。娘は夫をまたいで先に進もうとしたが、あいにく、足が腹に当たってしまった。
昼寝を邪魔された夫は怒り、大声で「痛いじゃないか!」と叱った。だが、娘も負けていない。
「そんなところで寝ているのが悪いんだ」などと言い合いになり、双方頭に血が上った結果、つかみあいに発展してしまった。2つの塊が壁やドアに激突し、「謝れ!」「うぜえよ、ジジイ!」といった罵声が飛び交う。
あまりにもレベルの低い争いに、いい加減ウンザリした。この2人は、お互いに中に、自分のイヤな部分を見ているのではないだろうか。
ようやく、決着が着いたようだ。「虐待は犯罪なんだよ!!」と娘が仁王立ちになり、夫は下を向いて、スゴスゴと階段を下りていった……。
あらら。
テレビが好きなところもよく似ている。
受験生だというのに、娘は何時間もテレビの前に釘付けになり、ガハガハと笑いながらバラエティ番組を見ている。話しかけても、テレビに夢中で聞いていない。
「塾に行っていないんだから、家でも勉強しなかったら、他の子との差が開くでしょ!」
「わかってる」
「わかってないよ! いつも口ばっかりなんだからっ」
ガミガミ言ったら、娘はようやくテレビを消し、机に向かった。
しかし、今度は夫がテレビの前に滑り込み、笑顔を浮かべて旅番組をつけるではないか。「空いた~♪」くらいの気持ちだったのかもしれない。
私はあぜんとし、「受験生がいるんだから、ちょっとは我慢しなさいよ」とリモコンを取り上げた。
うしろから、「けけっ」と笑うミキの声が聞こえる。
そうそう、人の不幸を喜ぶところも同じだったんだっけ。
ホント、そっくり。
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
目元がよく似ており、幼い頃からそう言われ続けてきたが、白髪交じりのオジさんと比較されることが気に入らないらしい。たちまち目を吊り上げ、「似てないよ!」と否定する。
しかし、母親の私から見ても、この2人には共通点がありすぎる。
まず、血液型が同じA型だ。色白で、髪に天然のウエーブがかかっているところもそっくりである。大きな声で言えないが、後頭部のふくらみがなく、いわゆる「絶壁」なのも同じだ。
性質もよく似ている。負けん気が強くて、すぐ言い返してくるところや、感情的で、すぐカッとなるところは何とかしてほしい。
先日、こんなことがあった。娘と買い物に行った。帰ったら、冷房の利いた部屋で、夫がお腹を出して昼寝していた。娘は夫をまたいで先に進もうとしたが、あいにく、足が腹に当たってしまった。
昼寝を邪魔された夫は怒り、大声で「痛いじゃないか!」と叱った。だが、娘も負けていない。
「そんなところで寝ているのが悪いんだ」などと言い合いになり、双方頭に血が上った結果、つかみあいに発展してしまった。2つの塊が壁やドアに激突し、「謝れ!」「うぜえよ、ジジイ!」といった罵声が飛び交う。
あまりにもレベルの低い争いに、いい加減ウンザリした。この2人は、お互いに中に、自分のイヤな部分を見ているのではないだろうか。
ようやく、決着が着いたようだ。「虐待は犯罪なんだよ!!」と娘が仁王立ちになり、夫は下を向いて、スゴスゴと階段を下りていった……。
あらら。
テレビが好きなところもよく似ている。
受験生だというのに、娘は何時間もテレビの前に釘付けになり、ガハガハと笑いながらバラエティ番組を見ている。話しかけても、テレビに夢中で聞いていない。
「塾に行っていないんだから、家でも勉強しなかったら、他の子との差が開くでしょ!」
「わかってる」
「わかってないよ! いつも口ばっかりなんだからっ」
ガミガミ言ったら、娘はようやくテレビを消し、机に向かった。
しかし、今度は夫がテレビの前に滑り込み、笑顔を浮かべて旅番組をつけるではないか。「空いた~♪」くらいの気持ちだったのかもしれない。
私はあぜんとし、「受験生がいるんだから、ちょっとは我慢しなさいよ」とリモコンを取り上げた。
うしろから、「けけっ」と笑うミキの声が聞こえる。
そうそう、人の不幸を喜ぶところも同じだったんだっけ。
ホント、そっくり。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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