梅雨が明け、本格的に暑くなってきた。
首にも顔にも汗をかき、常にベタベタしている。
特に、私が気にするのはTゾーン、つまり、おでこから鼻にかけてのオイリーな部分である。どうも、私は人より脂が多いようで、鼻のテカりが目立つ。キラキラと輝いているわけではなく、ヌメヌメとしていて、光が鈍く反射するような感じだ。
「お母さん、あぶら取り紙使った? 鼻がテカテカしているよ」
娘に指摘されたら、どこにも逃げ場がない。コソコソと、化粧ポーチからあぶら取り紙を出し、鼻に載せてみる。すると、鼻に紙が吸い付くように密着し、しばらくは仲よくしている。ペロッとはがすと、脂分がしみ込み、鼻にくっついていた部分だけが透明に変わる。
量の多さに、無口になる瞬間だ……。
この脂は、まったく何の役にも立たない。化粧が崩れやすくなるばかりか、サンオイル効果を果たして、日焼けの原因にもなる。夏の終わり頃には、私の顔は、コアラのように、鼻だけ色が濃くなってしまう。
たとえば、鼻をフライパンにこすりつければ、脂で目玉焼きができるとか、パンのバターがいらないなどの特典があれば別だ。だが、今のところ、いいことは何ひとつない。この体質を、どうにかできないものかと悩んでいた。
「毛穴パック使ったら?」
「毛穴パック?」
「脂を取り除く効果があるみたいだよ」
娘のアドバイスに従って、ドラッグストアに行く。しかし、商品が多すぎて、どこに目的のものがあるのかわからない。近くにいた店員に、「毛穴パックはどこですか」と声をかけようと思った。
しかし、店員が「毛穴パックですか、ええと」などと答えて、私の鼻に視線を走らせたら恥ずかしい。結局、聞けず仕舞いとなり、店内をウロウロさまよい、10分かけて自力で発見した。
結論からいうと、毛穴パックはたしかに効く。角栓が根こそぎ取れて、スッキリするところは素晴らしい。でも、毛穴が引き締まる年代を通り越しているので、翌日、化粧をすれば、角栓の抜けた毛穴に新たな汚れが詰まってしまう。つまり、根本的な解決には結びつかない気がする。
がっかりして、そのまま放っておくことにした。
先日、出勤したときのことだ。コンタクトレンズを入れようと、鏡に向かったら、鼻にほくろのようなものがついている。
触れてみると、ほくろではなく、ショウジョウバエのような小さな虫だった。おそらく、鼻にとまったはいいが、ベタベタしていて身動きが取れず、逃げられなくなったのだろう。
コバエ取りかよ~!
初めて、オイリー鼻が役に立ったのかもしれない……。
だが、ちょっと哀しすぎる。
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
首にも顔にも汗をかき、常にベタベタしている。
特に、私が気にするのはTゾーン、つまり、おでこから鼻にかけてのオイリーな部分である。どうも、私は人より脂が多いようで、鼻のテカりが目立つ。キラキラと輝いているわけではなく、ヌメヌメとしていて、光が鈍く反射するような感じだ。
「お母さん、あぶら取り紙使った? 鼻がテカテカしているよ」
娘に指摘されたら、どこにも逃げ場がない。コソコソと、化粧ポーチからあぶら取り紙を出し、鼻に載せてみる。すると、鼻に紙が吸い付くように密着し、しばらくは仲よくしている。ペロッとはがすと、脂分がしみ込み、鼻にくっついていた部分だけが透明に変わる。
量の多さに、無口になる瞬間だ……。
この脂は、まったく何の役にも立たない。化粧が崩れやすくなるばかりか、サンオイル効果を果たして、日焼けの原因にもなる。夏の終わり頃には、私の顔は、コアラのように、鼻だけ色が濃くなってしまう。
たとえば、鼻をフライパンにこすりつければ、脂で目玉焼きができるとか、パンのバターがいらないなどの特典があれば別だ。だが、今のところ、いいことは何ひとつない。この体質を、どうにかできないものかと悩んでいた。
「毛穴パック使ったら?」
「毛穴パック?」
「脂を取り除く効果があるみたいだよ」
娘のアドバイスに従って、ドラッグストアに行く。しかし、商品が多すぎて、どこに目的のものがあるのかわからない。近くにいた店員に、「毛穴パックはどこですか」と声をかけようと思った。
しかし、店員が「毛穴パックですか、ええと」などと答えて、私の鼻に視線を走らせたら恥ずかしい。結局、聞けず仕舞いとなり、店内をウロウロさまよい、10分かけて自力で発見した。
結論からいうと、毛穴パックはたしかに効く。角栓が根こそぎ取れて、スッキリするところは素晴らしい。でも、毛穴が引き締まる年代を通り越しているので、翌日、化粧をすれば、角栓の抜けた毛穴に新たな汚れが詰まってしまう。つまり、根本的な解決には結びつかない気がする。
がっかりして、そのまま放っておくことにした。
先日、出勤したときのことだ。コンタクトレンズを入れようと、鏡に向かったら、鼻にほくろのようなものがついている。
触れてみると、ほくろではなく、ショウジョウバエのような小さな虫だった。おそらく、鼻にとまったはいいが、ベタベタしていて身動きが取れず、逃げられなくなったのだろう。
コバエ取りかよ~!
初めて、オイリー鼻が役に立ったのかもしれない……。
だが、ちょっと哀しすぎる。
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)