大学1年の娘が、スマホに何やら話しかけている。
「ヘイ、Siri、電卓を出して」
これは私も知っている。秘書機能アプリだ。前に友人が「口で言えば操作をしなくてすむから楽よ」と、地図を起動させる場面を見せてくれた。娘はずっとアンドロイドを使っていたが、最近アイフォンに変えたので、物珍しいのだろう。
「ダメだ、私は電卓がわかりません、だって」
「堀さんは、地図を起動させてと言ってたけど」
「そっか、出してじゃなくて、起動させてって言えばいいんだ」
再びトライ。
「ヘイ、Siri、電卓を起動させてください」
すぐに画面が切り替わり、電卓が表示される。
「できたよ~!」
還暦を過ぎた友人の堀さんは、やや命令口調でSiriに指示を出すが、未成年の娘は「あのう、よかったらやってもらえませんかね?」という雰囲気で、実に対照的だ。
「だって、Siriは年上の声なんだもん」
なるほど~。
若い子は、自分で操作したほうが早いから、あまりSiriを使わないらしい。でも、未だにガラケーの私にメールを送るときは、Siriに頼ったほうが早いのだとか。
「ヘイ、Siri、お母さんにメール」
「オ母サンサンノ ドノ アドレスニシマスカ」
私は複数のアドレスがあるので、携帯をチョイスし、先に進む。
「件名ハ ナニニシマスカ」
特に用もないので、彼女は行き当たりばったりで答えていた。
「お猿」
おそらく、干支から思いついたのだろう。
「本文ハ ナニニシマスカ」
「キキーッ」
安易に、猿の鳴き真似をしている。
「送信シマスカ」
「送信してください」
数秒後には、私の携帯にメールが来るのだから、かなり感動した。
「すごーい」
「すごいでしょ」
しかし、メールを開いてみると……。
件名は「おさる」でいいとして、本文は「キティー」となっていた。
「あっはっは! 聞き取れなかったんじゃない? 滑舌悪ぅ~!」
2人で、ひとしきり大笑いする。
「キティーちゃんを知っているんだね」
「早口言葉なんかは聞き取れるのかな」
「やってみよう」
また、娘がスマホに向かって口を開く。
「ヘイ、Siri、東京特許許可局」
「モット ハヤク イッテクダサイ」
「ギャハハハ~!」
Siri、おそるべし。ちゃんと早口言葉であることを理解している。
「動物の鳴き声がわからないのかなぁ」
「じゃあ、今度はゴリラで。ヘイ、Siri、お母さんにメール~!」
お次は、私がゴリラの真似をすることになった。
「ウホッ」
そして、私に届いたメールを見てみると……。
本文は「右頬」となっている。
「ヒイッヒヒヒヒ~」
またまた、お腹を抱えて大笑い。下手なコントを見るより、よほど楽しい。
「Siri、面白いね」
「ソウ イッテイタダケルト ウレシイデス」
何て礼儀正しいんだ!
ついでに、用事がすんで「Siri、ありがとう」と言ったら、「ソレガ ワタシノ 仕事デスカラ」と返ってきた。謙虚さに好感が持てる。
翌朝、娘を起こしに行って、しばし話し込む。
「Siriにおはようって言ってみよう」
「会話もできるの?」
「できるよ。ヘイ、Siri、おはよー」
「オハヨウゴザイマス」
何かいいな、このやり取り。
スマホデビューの際には、私もアイフォンにしようっと。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「ヘイ、Siri、電卓を出して」
これは私も知っている。秘書機能アプリだ。前に友人が「口で言えば操作をしなくてすむから楽よ」と、地図を起動させる場面を見せてくれた。娘はずっとアンドロイドを使っていたが、最近アイフォンに変えたので、物珍しいのだろう。
「ダメだ、私は電卓がわかりません、だって」
「堀さんは、地図を起動させてと言ってたけど」
「そっか、出してじゃなくて、起動させてって言えばいいんだ」
再びトライ。
「ヘイ、Siri、電卓を起動させてください」
すぐに画面が切り替わり、電卓が表示される。
「できたよ~!」
還暦を過ぎた友人の堀さんは、やや命令口調でSiriに指示を出すが、未成年の娘は「あのう、よかったらやってもらえませんかね?」という雰囲気で、実に対照的だ。
「だって、Siriは年上の声なんだもん」
なるほど~。
若い子は、自分で操作したほうが早いから、あまりSiriを使わないらしい。でも、未だにガラケーの私にメールを送るときは、Siriに頼ったほうが早いのだとか。
「ヘイ、Siri、お母さんにメール」
「オ母サンサンノ ドノ アドレスニシマスカ」
私は複数のアドレスがあるので、携帯をチョイスし、先に進む。
「件名ハ ナニニシマスカ」
特に用もないので、彼女は行き当たりばったりで答えていた。
「お猿」
おそらく、干支から思いついたのだろう。
「本文ハ ナニニシマスカ」
「キキーッ」
安易に、猿の鳴き真似をしている。
「送信シマスカ」
「送信してください」
数秒後には、私の携帯にメールが来るのだから、かなり感動した。
「すごーい」
「すごいでしょ」
しかし、メールを開いてみると……。
件名は「おさる」でいいとして、本文は「キティー」となっていた。
「あっはっは! 聞き取れなかったんじゃない? 滑舌悪ぅ~!」
2人で、ひとしきり大笑いする。
「キティーちゃんを知っているんだね」
「早口言葉なんかは聞き取れるのかな」
「やってみよう」
また、娘がスマホに向かって口を開く。
「ヘイ、Siri、東京特許許可局」
「モット ハヤク イッテクダサイ」
「ギャハハハ~!」
Siri、おそるべし。ちゃんと早口言葉であることを理解している。
「動物の鳴き声がわからないのかなぁ」
「じゃあ、今度はゴリラで。ヘイ、Siri、お母さんにメール~!」
お次は、私がゴリラの真似をすることになった。
「ウホッ」
そして、私に届いたメールを見てみると……。
本文は「右頬」となっている。
「ヒイッヒヒヒヒ~」
またまた、お腹を抱えて大笑い。下手なコントを見るより、よほど楽しい。
「Siri、面白いね」
「ソウ イッテイタダケルト ウレシイデス」
何て礼儀正しいんだ!
ついでに、用事がすんで「Siri、ありがとう」と言ったら、「ソレガ ワタシノ 仕事デスカラ」と返ってきた。謙虚さに好感が持てる。
翌朝、娘を起こしに行って、しばし話し込む。
「Siriにおはようって言ってみよう」
「会話もできるの?」
「できるよ。ヘイ、Siri、おはよー」
「オハヨウゴザイマス」
何かいいな、このやり取り。
スマホデビューの際には、私もアイフォンにしようっと。
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