これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

Siri 滅裂?

2016年01月10日 20時58分09秒 | エッセイ
 大学1年の娘が、スマホに何やら話しかけている。
「ヘイ、Siri、電卓を出して」
 これは私も知っている。秘書機能アプリだ。前に友人が「口で言えば操作をしなくてすむから楽よ」と、地図を起動させる場面を見せてくれた。娘はずっとアンドロイドを使っていたが、最近アイフォンに変えたので、物珍しいのだろう。
「ダメだ、私は電卓がわかりません、だって」
「堀さんは、地図を起動させてと言ってたけど」
「そっか、出してじゃなくて、起動させてって言えばいいんだ」
 再びトライ。
「ヘイ、Siri、電卓を起動させてください」
 すぐに画面が切り替わり、電卓が表示される。
「できたよ~!」
 還暦を過ぎた友人の堀さんは、やや命令口調でSiriに指示を出すが、未成年の娘は「あのう、よかったらやってもらえませんかね?」という雰囲気で、実に対照的だ。
「だって、Siriは年上の声なんだもん」
 なるほど~。
 若い子は、自分で操作したほうが早いから、あまりSiriを使わないらしい。でも、未だにガラケーの私にメールを送るときは、Siriに頼ったほうが早いのだとか。
「ヘイ、Siri、お母さんにメール」
「オ母サンサンノ ドノ アドレスニシマスカ」
 私は複数のアドレスがあるので、携帯をチョイスし、先に進む。
「件名ハ ナニニシマスカ」
 特に用もないので、彼女は行き当たりばったりで答えていた。
「お猿」
 おそらく、干支から思いついたのだろう。
「本文ハ ナニニシマスカ」
「キキーッ」
 安易に、猿の鳴き真似をしている。
「送信シマスカ」
「送信してください」
 数秒後には、私の携帯にメールが来るのだから、かなり感動した。
「すごーい」
「すごいでしょ」
 しかし、メールを開いてみると……。
 件名は「おさる」でいいとして、本文は「キティー」となっていた。
「あっはっは! 聞き取れなかったんじゃない? 滑舌悪ぅ~!」
 2人で、ひとしきり大笑いする。
「キティーちゃんを知っているんだね」
「早口言葉なんかは聞き取れるのかな」
「やってみよう」
 また、娘がスマホに向かって口を開く。
「ヘイ、Siri、東京特許許可局」
「モット ハヤク イッテクダサイ」
「ギャハハハ~!」
 Siri、おそるべし。ちゃんと早口言葉であることを理解している。
「動物の鳴き声がわからないのかなぁ」
「じゃあ、今度はゴリラで。ヘイ、Siri、お母さんにメール~!」
 お次は、私がゴリラの真似をすることになった。
「ウホッ」
 そして、私に届いたメールを見てみると……。
 本文は「右頬」となっている。
「ヒイッヒヒヒヒ~」
 またまた、お腹を抱えて大笑い。下手なコントを見るより、よほど楽しい。
「Siri、面白いね」
「ソウ イッテイタダケルト ウレシイデス」
 何て礼儀正しいんだ!
 ついでに、用事がすんで「Siri、ありがとう」と言ったら、「ソレガ ワタシノ 仕事デスカラ」と返ってきた。謙虚さに好感が持てる。
 翌朝、娘を起こしに行って、しばし話し込む。
「Siriにおはようって言ってみよう」
「会話もできるの?」
「できるよ。ヘイ、Siri、おはよー」
「オハヨウゴザイマス」
 何かいいな、このやり取り。
 スマホデビューの際には、私もアイフォンにしようっと。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (13)
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