たまには、都心のほうに行きたいという気持ちがあった。
美しいドレスを見たいという願望もあった。
パナソニック汐留ミュージアムで「モードとインテリアの20世紀展」が開催されていると知り、灯りに吸い寄せられる蛾のように、フラフラと出かけていったのは自然の成り行きである。

その日は天候に恵まれた。パナソニック汐留ビルがタケノコのようにニョキッと、青い空に向かって背伸びをしている。

4階建てで築28年のおんぼろ校舎で働く私にとって、このビルの存在はまぶしい。きっと、豪雨のあとでも天井から雨漏りすることはないだろうし、温調機能が損なわれた古いエアコンを手動でつけたり消したりするために、何度も席を立つ人はいないだろう。そもそも、私の職場と比べること自体が間違いである。
ミュージアムはこのビルの4階で、入口に「一部撮影のできる箇所があります」などと書かれた掲示物があった。荷物はロッカーに預けたが、大事なカメラは手に持って入館した。
第1章は1900年から1919年である。壁には説明の文字がズラリと並んでいたが、練馬から汐留まで来るだけで疲れてしまったのでスルーする。張り合いのない客だ。
第2章は1920年から1939年で、写真撮影可能エリアである。待ってました!
ポール・ポワレのデイ・ドレス。普段着ってことか?

ガブリエル・シャネルのイブニングドレス。

マドレーヌ・ヴィオネのデイ・ドレス2種。同じ普段着でもこちらのほうが好みだ。


これは、テニス・ウエアらしい。走りにくいだろうなぁ。

何度も凝視したのが、海水浴用シューズである。

どうやらこれは1920年頃の作品らしいが、もう98年も経っているではないか。いい状態で保存されていたことに驚いた。
こちらはイブニング・パンプス。

すっかり色褪せてしまったが、品のよさが伝わってきた。
スザンヌ・タルボットのイブニング・コート。暖かそう。

エルザ・スキャパレリのイブニング・ドレス。ショッピングピンクは彼女のトレードカラーだったようだ。

マドレーヌ・ヴィオネのイブニング・ドレス、ケープ。

エリア内では、このドレスが一番素敵だった。ブドウのモティーフは刺繍らしいが、これを見たら「ああ、ワイン飲みたい」などと思うかもしれない。
ジャンヌ・ランヴァンのドレスは、袖の唐草模様のようなアップリケが洒落ていた。

電気スタンドも負けていない。

第3章は撮影不可のエリアだが、エルメスの水着とエルザ・スキャパレリのビキニは撮影したかった。
特に、スキャパレリのビキニの柄が面白い。漫画などの怒っている場面で、こめかみあたりに描かれる「怒りマーク」らしきものが使われているのだ。どんなセンスだよ、と笑ってしまった。
第4章にも驚くべき作品が待っていた。パコ・ラバンヌのイブニング・ドレスはアルミ製で、すき間から体が見えてしまいそう。どうやって着るのか謎だ。
べス・レヴィンのサンダル「ネイキッド・シューズ」に至っては超絶斬新。甲にかかる部分がなく、靴底を両面テープで足の裏に貼って歩いたとしか思えない。
「汗かいたらどうするんだろう……」
今となってはどうでもいいことだが。
衣装の展示は楽しい。
他にも何かないかしらと手ぐすねを引いて待っている。

↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
美しいドレスを見たいという願望もあった。
パナソニック汐留ミュージアムで「モードとインテリアの20世紀展」が開催されていると知り、灯りに吸い寄せられる蛾のように、フラフラと出かけていったのは自然の成り行きである。

その日は天候に恵まれた。パナソニック汐留ビルがタケノコのようにニョキッと、青い空に向かって背伸びをしている。

4階建てで築28年のおんぼろ校舎で働く私にとって、このビルの存在はまぶしい。きっと、豪雨のあとでも天井から雨漏りすることはないだろうし、温調機能が損なわれた古いエアコンを手動でつけたり消したりするために、何度も席を立つ人はいないだろう。そもそも、私の職場と比べること自体が間違いである。
ミュージアムはこのビルの4階で、入口に「一部撮影のできる箇所があります」などと書かれた掲示物があった。荷物はロッカーに預けたが、大事なカメラは手に持って入館した。
第1章は1900年から1919年である。壁には説明の文字がズラリと並んでいたが、練馬から汐留まで来るだけで疲れてしまったのでスルーする。張り合いのない客だ。
第2章は1920年から1939年で、写真撮影可能エリアである。待ってました!
ポール・ポワレのデイ・ドレス。普段着ってことか?

ガブリエル・シャネルのイブニングドレス。

マドレーヌ・ヴィオネのデイ・ドレス2種。同じ普段着でもこちらのほうが好みだ。


これは、テニス・ウエアらしい。走りにくいだろうなぁ。

何度も凝視したのが、海水浴用シューズである。

どうやらこれは1920年頃の作品らしいが、もう98年も経っているではないか。いい状態で保存されていたことに驚いた。
こちらはイブニング・パンプス。

すっかり色褪せてしまったが、品のよさが伝わってきた。
スザンヌ・タルボットのイブニング・コート。暖かそう。

エルザ・スキャパレリのイブニング・ドレス。ショッピングピンクは彼女のトレードカラーだったようだ。

マドレーヌ・ヴィオネのイブニング・ドレス、ケープ。

エリア内では、このドレスが一番素敵だった。ブドウのモティーフは刺繍らしいが、これを見たら「ああ、ワイン飲みたい」などと思うかもしれない。
ジャンヌ・ランヴァンのドレスは、袖の唐草模様のようなアップリケが洒落ていた。

電気スタンドも負けていない。

第3章は撮影不可のエリアだが、エルメスの水着とエルザ・スキャパレリのビキニは撮影したかった。
特に、スキャパレリのビキニの柄が面白い。漫画などの怒っている場面で、こめかみあたりに描かれる「怒りマーク」らしきものが使われているのだ。どんなセンスだよ、と笑ってしまった。
第4章にも驚くべき作品が待っていた。パコ・ラバンヌのイブニング・ドレスはアルミ製で、すき間から体が見えてしまいそう。どうやって着るのか謎だ。
べス・レヴィンのサンダル「ネイキッド・シューズ」に至っては超絶斬新。甲にかかる部分がなく、靴底を両面テープで足の裏に貼って歩いたとしか思えない。
「汗かいたらどうするんだろう……」
今となってはどうでもいいことだが。
衣装の展示は楽しい。
他にも何かないかしらと手ぐすねを引いて待っている。

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