これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

おせち組織論

2017年01月02日 21時18分50秒 | エッセイ
 あけましておめでとうございます。
 みなさまは、どのようなお正月をお迎えでしょうか。
 
 去年、人形町今半ですき焼きを注文したせいか、年末におせちのダイレクトメールが来ました。伊勢海老や鮑、ローストビーフなどが気に入り、即断即決で注文。大晦日に届きました。



 お箸も素敵でしょ。



 重箱のフタを開けると、華やかに彩られたお料理が顔を出します。



 さすがに一の重は、主役級の役者が揃っています。



 煮鮑は柔らかくて濃すぎない味がよかったのですが、伊勢海老は中身がほんのわずかで期待外れ。飾りだと思った方がいいかもしれません。地味な外見に寄らず美味しかったのが、伊勢海老の上に詰められた鶏松風です。人も料理も、見かけで判断してはいけないという教訓でしょうか。
 二の重は、ローストビーフが光っています。適度な脂が載っていて、牛肉本来の味が楽しめました。タレもビーフにマッチしていて、市販のものとは違いました。



 脇役ではありますが、私が目をつけたのは、金箔で飾られた黒豆と



 金柑の甘露煮でした。



 黒豆は薄味で飽きの来ない味です。金箔は私がいただきました。また、母は金柑を煮たことがなかったので、「どんな味がするんだろう」と興味津々です。皮ごといただき、かすかな酸味と邪魔にならない甘味を楽しみました。
 三の重には、普通のおせちが入っています。



 八つ頭の切り方が直方体となっており、感心しました。切り口は、ていねいに面取りしてあります。手の込んだ仕事ぶりに、私も見習わなければと気を引き締めました。
 こんなに美しく、食べごたえのあるおせちを用意したというのに、大学2年の娘がいませんでした。大晦日の夜に、成田山新勝寺まで初詣に行くと言って出かけたきりなのです。昼近くになり、ようやく帰ってきましたが、新勝寺はお詣りまで2時間待ちと言われたため、諦めて屋台で食べ物を買って帰り、都内の神社に戻って初詣をしたと聞きました。一体何をしに行ったのか、理解に苦しみます。しかも、「千葉は遠かったから交通費をくれ」などとほざく始末で呆れました。何が何でも、成田山で順番待ちをしてほしかったです。

 おせちを食べながら、考えたことがあります。重箱の中には、たくさんの食材が入っていますが、すべてが脚光を浴びるわけではありません。これは、職場の組織に通じるものがあると思います。
 田作りのように、派手さはないけれど、しっかりとした歯ごたえを楽しませてくれるような人、高野豆腐のように、柔軟で周りの食材に合わせられる人、栗金団のように、独特な味わいで気持ちを和ませてくれる人など、目立たなくても重要な役割を果たしている人に気づかなければなりません。
 私も一応は、組織の上で人をまとめる立場にいます。成果を上げる人、結果を出す人ばかりに目を奪われることなく、ゆっくりでも着実に他人をサポートする人、声は上げなくても全体を見て行動できる人を正当に評価し、全員がファインプレーをする組織を作りたいです。
 現代人は、ストレスにさらされ生きています。仕事は重労働ですが、「みんなでやれば早く終わる」という意識を高め、「この前は〇〇さんに手伝ってもらったから、今度は私が手伝ってあげよう」という具合に、協力しあって和やかにできないものでしょうか。
 おせちの料理たちは、足りない味を補い合って、全体として完成度の高いものになっていました。
 私はせいぜい、見かけ倒しの伊勢海老です。
 2017年は、構成メンバーに気持ちよく仕事をしてもらえるよう、工夫していきたいと思います。
 公私ともに、今年もよろしくお願いいたします。


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コメント (10)
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