これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

合羽橋で何を買う?

2017年11月02日 22時24分36秒 | エッセイ
 珍しく、月曜日が休みになった。
「うれし~♡ 平日にしかできないことをしなくちゃ」
 何日も前から何をしようか考え、一度も行ったことのない「合羽橋」まで出かけることにした。
 問屋街だから、土日は開いているお店が少なく、平日がよいと聞く。台所用品などは見ているだけでも楽しいものだ。どんなものが売られているのか興味があった。
 銀座線に乗り換え、田原町駅で下車する。お隣の「稲荷町」は「いなりちょう」と読むのに、「田原町」は「たわらまち」と読むのが不思議である。「たわらちょう」ではダメなのか? 別にどうでもいいことだけど。
「さあーて、何を買おうかなぁ」
 順番に店を覗いてみた。まずは、陶器や鍋などが目に入る。このあと、銀座でランチとケーキが待っているから、大きなもの、重いものはいらない。
「おっ、箸があるじゃない」
 実は、私の箸は先っぽが曲がっている。折れないからそのまま使っているが、そろそろ新しいものを買いたいと思っていた。
「これにしようっと」
 迷いに迷って買わなかったのが抜き型だ。最近はクッキーを焼かないから、使い道に困るし収納場所もない。でもでも、種類やサイズが豊富で見ごたえ十分だった。お菓子作りの好きな方にはおススメしたい。
 外国人観光客の多さには驚いた。私の行った時間帯は、日本人より外国人の方が多かったと思う。彼らは、気の向くままにフラリと店内に入り、商品を見ては、あれやこれやと談笑していた。特に、食品サンプルや提灯、作業着などを熱心に見ていたのではないか。おかげで、「見てるだけ~」の私も中に入りやすくて助かった。
「そうだ、うちのピーラー、もう30年くらい使っているよね。いつ壊れるかわからないから……」
 2つ目の買い物はステンレス製のピーラーにした。3つ目は、少人数のテリーヌを焼くとき便利そうな、小さなパウンドケーキ型を選んだ。
「ややっ、バターナイフもあるではないか」
 4つ目が本命である。そもそも、うちには、バターナイフというものが存在しない。結婚したときに買えばよかったのだが、インスタントコーヒーか何かのおまけに、バターナイフもどきがついていた。ひとまず、これさえあれば、パンにバターやジャムを塗ることができる。



「これでいいよ、これで」という軽いノリのまま、25年過ぎても、新しいものは購入していない。
 時間差で食事をするときには何の問題もない。だが、たまに娘と一緒に、ロールパンにバターを塗って食べようとすると悲惨である。バターナイフもどきは1つしかないから、私は平べったいスプーンでバターを塗る破目になる。



 これが、どうにも惨めったらしい気分になるのだ。「うちはバターナイフも買えないんだ……」という気持ちに近いかもしれない。だから、ここであったが百年目とばかりに買うことにした。



 これが、合羽橋の収穫である。



「は? わざわざ合羽橋まで行くことないじゃん。全部スーパーで売ってるのに」
 ああ、それを言わないで……。
 私も、家に着いてから、同じことに気づきました。


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