これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

官製ハガキ ありますか

2018年05月17日 21時41分41秒 | エッセイ
 毎月、新聞販売店のチケットサービスに応募している。
「官製ハガキに第1希望から第3希望までの番号を書いて応募してください。毎回、住所と氏名を書いていない方がいますのでご注意ください」
 指示通りに番号を書いて投函すると、これがまた当たるのだ。くじ運は強くないのだが、今まで外れたことはない。戸栗美術館や森美術館の招待券、カラオケ無料券などをゲットし、お得な気分に浸ることができた。おそらく倍率が低いのだろう。しめしめ。
 しかし、ハガキが切れてしまった。
「よし、コンビニで買おう」
 4月から急に忙しくなり、平日は郵便局に行く時間すらない。切手やハガキを扱っているコンビニだけが頼りだ。仕事が終わり、辺りがとっぷりと暮れた頃に店に入った。
「いらっしゃいませ~」
 コンビニのレジには高校生のアルバイトらしき女の子が立っていた。
「官製ハガキ20枚ください」
「えーと、官製ハガキっていうのはないんですけど」
 彼女は困った顔をして答える。あれ? おかしいな。前に買ったことがあるんだけど。
「でも、切手は売っていますよね」
「はい」
「ハガキもありましたよね」
「あの、郵便ハガキならあります」
 合点がいった。若い子は、ごくまれにしか郵便を使わない。官製ハガキが何を指しているかを知らないのだ。
「ああ、それです」
「これを20枚でいいですか」
 彼女はゆっくりと枚数を数え始めた。数を間違えないように、3回くらい数え直していた。その様子を見ながら、時代に取り残されている自分をいやというほど感じた。
 そもそも、官製ハガキとは何か。とうの昔に郵便局は民営化されたのだから、政府の作ったハガキなんぞない。若い子に通じなくて当然だ。大正生まれの義母が履物のことを「ゲタ」と呼ぶのと同じではないか。これからは、官製ハガキという呼び方をやめよう。
 ハガキの料金も高くなった。62円もする。



 郵便番号の上部には「郵便はがき」の5文字が見える。



 よし、これからは「郵便はがき」ね。
 チケットが当たれば何でもいいや~!


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (10)
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