これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

イヴ・サンローラン展 人混みとの戦い

2023年11月12日 21時38分38秒 | エッセイ
 素敵なドレスが展示されていると評判の、イヴ・サンローラン展のチケットを買った。



 比較的空いているであろう平日に見ようと、仕事の予定を調整して休みを取る。
「国立新美術館周辺でランチできる店はないかなぁ」
 検索すると、正統派古典料理を提供するレソールというフレンチレストランにピピッときた。最近では、ホームページの写真や雰囲気で、当たりの店を判断できている。
 当日はシャンパーニュを飲みながら、ランチコースを堪能した。





 熊本の「菊鹿」という白ワインも美味しかった。



 この白は、豊かで深い味がして、口の中いっぱいにブドウが広がっていくところが素晴らしい。フレンチによく合う一杯だった。



 デザートもいただき、満足して国立新美術館に向かうと、予想以上に混雑している。平日でこの人出では、土日はどうなってしまうのだろう。壁の説明文も、人の背中に阻まれてスムーズに読めない有様だった。デザイン画などのこまごまとした作品には、順番待ちの行列ができている。
「もういいや。ドレスだけ見られれば」
 幸い、マネキンが着ているドレスやスーツは行列のすき間から見ることができた。パーティーに着ていけそうなもの、普段使いに近いもの、防寒できそうなもの、マニッシュなものなど、実に多様な衣装が展示されている。
 アルコールが入り、眠気に負けそうなことも理由のひとつだが、もっと大きな要因は人混みが苦手だからであろう。ランチの満足感があった分、展覧会への期待度が下がったこともよくなかった。自分のペースで動けず、行列に並んでノロノロと見て回るのが苦痛で、私はさっさと歩き始めた。少々離れた場所から、衣装の全体像がつかめればよい。
 以前、アドベンチャーワールドのパンダたちを見に行ったとき、ブロ友さんから「そんなにあっさり見終わるなんて信じられない」と驚かれたことがある。パンダもドレスもじっくり鑑賞したいと思っているが、人垣ができていると、とたんに面倒になってしまうらしい。ひと目見たあとは、とっととその場を離れることしか考えられない。さすがに撮影可のエリアでは写真を撮ったが、館内には30分もいなかったと思う。





 展示の顔となったワンピースもあった。








 こんな雑な見方をしても、目の保養になるし、心に残る言葉も見つかった。
「私の目標は巨匠たちと自分を比較することではなく、最大限彼らに近づき、その才能から学ぶことだった」
 21歳で鮮烈なデビューを果たし、4年後には自身のブランドを発表したイヴ・サンローラン。その40年後に引退するまで、世界のファッションシーンをリードしていたというのに、何と謙虚な姿勢だろう。
 アルコールと人に酔い、ボーッとした頭でも、氏の偉大さは伝わってきた。
 展示は12月11日までだ。
 私のように混雑した場所が苦手な方は、18時以降20時まで開館している金曜・土曜を狙うことをオススメしたい。

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コメント (4)
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