仕事から帰り、自宅に届いた郵便物を見て「ええっ」と声を上げた。
なんと、オシャレな装いに欠かせないナラ カミーチェが池袋での営業を終えると書かれているではないか。
「やだ。困ったな」
左手にハガキを持ったまま、私はその場で立ち尽くした。
一体いつからナラ カミーチェの服を着るようになったのだろう。少なくとも、2010年にはこのブラウスを手に入れていた。
きっかけは、西武池袋店4階をうろついているとき、これを着たマネキンが視界に入ったからだ。
「あら素敵。こういうのが一つあってもいいわね」
フリルやレースを溺愛していることもあり、迷わず試着をした。幼児のすべすべの肌のような生地と、ストレッチ素材で体にフィットする心地よさ、背中から腰にかけての美ラインが気に入り、いい買い物をしたと思っている。その後わかったことだが、耐久性に富んでいて、何十回と洗濯してもほつれや傷みがないところも大いに評価している。これはすごい。
「他にもないかな」
次に手に入れたのがこれ。
着心地うんぬんより、見た目の華やかさで選んだ一枚だ。カジュアルな日常にも、フォーマルな場にもマッチして幅広く活躍してくれる。
個性派としてはこちら。
自己主張したいときに着ていくと、「ファイト~!」と応援してくれる。
開襟ブラウスは着回しのできるアイテムだ。
こちらもストレッチ素材なので、服に体を合わせるのではなく、服が皮膚の一部となって、違和感なく動けるところが素晴らしい。
タートルだって売られている。
白と黒のどちらにするか決められず、両方買ってしまったけれど、同じくらい出番があるから正解だった。
ブラウスだけでなく、カーディガンも持っている。
こうして箪笥の中を見てみると、いかにナラ カミーチェに頼って生活していたかが実感できた。
作家の江國香織さんは、『いつか記憶からこぼれおちるとしても』という短編で、母娘の買い物スポットとして、ナラ カミーチェを登場させている。氏も、このブランドを高く評価しているのではと察し、ブンブンと首から唸り音が出るくらい激しくうなずいた。
まだ営業しているうちにと、先日最後の買い物を楽しむため、池袋の店舗に向かった。
「いらっしゃいませ。新商品も入っていますよ」
月末でなくなる店とは思えぬくらい、陳列棚はブラウスやカットソー、スーツなどでいっぱいだった。
やはり、目を引くのはフリルのついたデザインである。
「これ、15年前に買ったブラウスと似ています」と店員さんに話しかけてみた。
「たぶん、その頃に比べると、フリルは控えめになっていると思いますよ」
店員さんが笑って返してくれた。なるほど、時代とともに、シンプルなタイプが好まれるよう変わってきたということか。たしかに、多少は大人しくなっているが、基本的な裁断や縫製は踏襲されているようで、体に合わせてくれる特長に変化はなく、安心して買いものができる。
西武池袋店さん、長い間ありがとうございました。
さて、今後はオンラインショップか、新宿まで出て、京王百貨店か高島屋のナラ カミーチェに行くこととなる。
さらに素敵な品ぞろえを、よろしくお願いいたします!
エッセイ・随筆ランキング
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
なんと、オシャレな装いに欠かせないナラ カミーチェが池袋での営業を終えると書かれているではないか。
「やだ。困ったな」
左手にハガキを持ったまま、私はその場で立ち尽くした。
一体いつからナラ カミーチェの服を着るようになったのだろう。少なくとも、2010年にはこのブラウスを手に入れていた。
きっかけは、西武池袋店4階をうろついているとき、これを着たマネキンが視界に入ったからだ。
「あら素敵。こういうのが一つあってもいいわね」
フリルやレースを溺愛していることもあり、迷わず試着をした。幼児のすべすべの肌のような生地と、ストレッチ素材で体にフィットする心地よさ、背中から腰にかけての美ラインが気に入り、いい買い物をしたと思っている。その後わかったことだが、耐久性に富んでいて、何十回と洗濯してもほつれや傷みがないところも大いに評価している。これはすごい。
「他にもないかな」
次に手に入れたのがこれ。
着心地うんぬんより、見た目の華やかさで選んだ一枚だ。カジュアルな日常にも、フォーマルな場にもマッチして幅広く活躍してくれる。
個性派としてはこちら。
自己主張したいときに着ていくと、「ファイト~!」と応援してくれる。
開襟ブラウスは着回しのできるアイテムだ。
こちらもストレッチ素材なので、服に体を合わせるのではなく、服が皮膚の一部となって、違和感なく動けるところが素晴らしい。
タートルだって売られている。
白と黒のどちらにするか決められず、両方買ってしまったけれど、同じくらい出番があるから正解だった。
ブラウスだけでなく、カーディガンも持っている。
こうして箪笥の中を見てみると、いかにナラ カミーチェに頼って生活していたかが実感できた。
作家の江國香織さんは、『いつか記憶からこぼれおちるとしても』という短編で、母娘の買い物スポットとして、ナラ カミーチェを登場させている。氏も、このブランドを高く評価しているのではと察し、ブンブンと首から唸り音が出るくらい激しくうなずいた。
まだ営業しているうちにと、先日最後の買い物を楽しむため、池袋の店舗に向かった。
「いらっしゃいませ。新商品も入っていますよ」
月末でなくなる店とは思えぬくらい、陳列棚はブラウスやカットソー、スーツなどでいっぱいだった。
やはり、目を引くのはフリルのついたデザインである。
「これ、15年前に買ったブラウスと似ています」と店員さんに話しかけてみた。
「たぶん、その頃に比べると、フリルは控えめになっていると思いますよ」
店員さんが笑って返してくれた。なるほど、時代とともに、シンプルなタイプが好まれるよう変わってきたということか。たしかに、多少は大人しくなっているが、基本的な裁断や縫製は踏襲されているようで、体に合わせてくれる特長に変化はなく、安心して買いものができる。
西武池袋店さん、長い間ありがとうございました。
さて、今後はオンラインショップか、新宿まで出て、京王百貨店か高島屋のナラ カミーチェに行くこととなる。
さらに素敵な品ぞろえを、よろしくお願いいたします!
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はい、西武池袋店にはヨドバシカメラが入るらしいので、徐々に売り場を入れ替えているという噂です。
ハンズは東急が手放したようですが、採算とれていないのかも。
西武のポイントはかなりあるんですけれど、ひいきのテナントが残っているうちに全部使う方が賢い?
あっという間に、明日が最終日となってしまいましたよ。
池袋という街で閉店っていうのはどういう意味なんだろう?そういえば、東急ハンズももう無いんですね。驚くばかりです。何が原因だったんでしょう?
僕はユニクロとかイオンとかしまむらが多いかな…。イトーヨーカドーも好きだったけど、衣料からは撤退したようで。こちらも昔を思い出すと驚きです。
体型は気にされなくても大丈夫かと思います。
サイズをひとつ上げれば解決しそうな感じですね。
やはり一番優先するのは着心地でしょうか。
快適なブラウスがラクラクですよ。
これも年のせいでしょうかね。
FBで拝顔した砂希さんに、とてもお似合いですね。
ストレッチだから、長時間着ても楽そう。
でも体型が崩れてくると、正直に添いすぎる
ストレッチは・・・と思う近年の私です。
はい、目の保養にもなる美しいブラウスたちです。
ありがとうございます。
サイズがないとガッカリしますが。
コートやスーツは主力商品でないためお安くなっています。
でも、やっぱりブラウスが欲しいな~。
カーディガンもいいなぁ。
カジュアルな日常もフォーマルにも着れる。
一石二鳥ですね!
先生の美的センスの良さがうかがえます。