終わってしまいましたね。
毎日、楽しみにみていたので、残念です。
と前回の『ブギウギ』でも、同様なことを書いたような気がしています。
朝ドラは、以前なら、土曜日の最終回を終えると、翌々日には、新しい朝ドラが始まっていました。最近は、週5の放送なので、金曜日に最終回で、翌翌々日ということになりましたが。
気持ちの切り替えができないうちに、新しい朝ドラが始まることに変わりありません。
ブギウギロスを感じさせないドラマが始まりました。
日本初の女性弁護士三人のひとりである三淵嘉子さんをモデルにしたリーガルドラマ。
法律はハードルが高いなあと思いつつ。
同時進行で、民放では、『アンチヒーロー』が、放送されていました。
主演は、伊藤沙莉さん。
まず、子ども時代が全く描かれませんでした。朝ドラとしては、珍しいです。いつ以来でしょう?2018年『まんぷく』以来かな。
前作のヒロインのモデルとなった笠置シズ子さんと同じ年に生まれ、亡くなったのも1年違い。
まさに、同じ時代を生きた二人でしたが、二人の人生は、別物でしたね。当たり前と言えば当たり前ですが。
出自にしても、寅子は、エリートの父の元に生まれ、経済的に恵まれていました。お手伝いさんがいてもおかしくないぐらい裕福でしたよね。
女学校へ行くのは当たり前の環境で、普通に結婚せず、法律の道を選んでいく寅子。当時としては、斬新な選択だったことでしょう。
しかし、当時の明治大学女子部の入学者は、けっこういたらしいです。
ただ、卒業する生徒は少なかったみたいですね。
そりゃそうです、女性が、大学まで進学というのが珍しかった時代に、大学へ進み、その後、弁護士になるために勉学に励むなんてね。
日本初の女性弁護士になる人って、どんなだろうと思いました。
大学を卒業したからといって、司法試験に合格できなければ、弁護士にはなれませんものね。
今現在でも、司法試験と言えば、難関試験の代表ですから。
朝ドラの歴史を変えたという観点から、前作で登場した菊地凛子さんが茨田りつ子役で、出演したことです。趣里さんなら、もっと盛り上がったと思うのですが。
ドラマとして、弁護士になるまでが、一番良かったと思います。
大学の同期生メンバーが良かったですよね。
魔女5ですかね。
のちに、それぞれの人生も描かれ、再会を果たすことができたのも、ドラマだからかもしれませんが、感動的でした。
寅子が学生時代に、父親の事件が起きましたね。
実際に起きた事件のようですが、法廷劇らしく、リアリティがあったように思います。
花岡との恋バナも描かれました。
恋なし結婚をした寅子ですが、結婚してから、優三に恋をしたというところでしょうか。
猪爪家は、とにかく楽しい一家でした。
その最たる兄が、戦死したのが残念。史実では、三淵さんに兄はいなかったらしいですが、弟を戦争で亡くしたそうです。
兄嫁の花江の存在も大きかったです。母との嫁姑関係、結局は、上手くいきましたが、それまでのいざこざ、あるあるでした。
昔のお嫁さんは、大変でしたね。
戦時中は、辛いシーンが多かったです。特に、夫の優三が亡くなったことを知るシーン。父がずっと黙っていたのでした。いずれは、わかることなのに。
娘の優未がいたこと、猪爪家の家族が寅子を支えてくれました。
そういえば、優未を身ごもったことで、弁護士をやめる場面、本人は、熟知たる想いだったかもしれないのですが、やめて正解だと思いました。あのままだと、無事に優未、生まれてこれなかったかもしれません。
家計を支えるため、再び法曹界に復帰する寅子。しかも、弁護士としてではなく裁判官として。実際のところ、相当な努力が必要だったと思います。
寅子が、仕事に専念できたのは、花江のおかげでした。家事全般引き受けてくれて。しかも、優未のことまで。
そのために、寅子と優未の間に溝ができましたが、新潟赴任で溝が埋まりました。
新潟では、航一との再会もありました。
東京に戻ってから、二人は結婚するわけですが、事実婚というのは、何だかなという気がしました。モデルとなった三淵さんは、普通に結婚されています。
ドラマでは娘でしたが、史実は息子で、息子さんは旧姓のままだったようです。
息子をなぜ娘にしたのか、不思議でした。
轟の想い人が男性だったのには、驚きました。その問題については、解決できないままでした。
少年法の問題については、もっと掘り下げて欲しかった気がします。
更生した少年ばかりでは、なかったはず。そこら辺の苦労も描いて欲しかったですね。
尊属殺については、観ている方が辛かったです。特に寅子が関わったわけでもなく、こちらは、取り上げなくても良かったと思います。朝から重い雰囲気になりました。
寅子自身の活躍が、後半、あまり感じられなくてガッカリしました。
星家より猪爪家をもっと登場させてくれたらと思いました。
猪爪家のシーンは、ドラマをパッと明るくします。
いざこざがあったとしても、本音を言い合って解決していく、理想の家族です。
法律に関して、詳しく説明してもらって、勉強になった部分はあります。
主演の伊藤沙莉さん、当初は、大丈夫かなと思ってみていましたが。見事に演じきりました。以前にも書きましたが、弁護士というより、笠置シズ子さんのイメージだったので。
脇をかためる方々も、皆、芸達者。
優三を演じた仲野太賀さん、良かったです。不器用だけど、寅子のことが大好き。史実を変えても生き残って欲しかったですが。
三淵さんが再婚しているので、そこは、変えられませんよね。
このドラマで秀逸だったのは、オノマチさんのナレです。今までのナレーションのイメージを一新しました。私的には、面白いと思いました。
主題歌も、良かったです。
米津さんの歌って、心に響きますよね。
問題提起をたくさんしたドラマだと思います。
朝ドラとしては、気軽に観られる方が良かったと思いますが。
寅子は、女性初の弁護士として、歴史に残る仕事をしたと思います。
モデルとなった三淵さん、凄い人だったのだなと思います。
現在、女性弁護士、女性裁判官がどれぐらいいるのかわかりませんが、寅子たちの頑張りが、今につながっていると思います。
斬新な朝ドラとして記憶に残る気がします。好きな朝ドラです。