斎藤美奈子『男性誌探訪』でわかる、「男って、ホントは女にこう思われてるよ」の恐怖 その4 

2016年09月23日 | 
 前回(→こちら)に続き、斎藤美奈子『男性誌探訪』を読む。

 斎藤さんの理知的な分析力とシャープなつっこみのファンである私は、彼女の本はほとんど読んでいる。

 前回も書いたとおり、この『男性誌探訪』でも彼女の持ち味が存分に発揮されており、私も大いに楽しませていただいたが、読み終わって、ふと思い至ったことがあった。

 あれ? オレ、ここであつかわれてる雑誌、一誌も読んだことないや。

 この本で取り扱われている雑誌の多くは、読んだことがない人でも、タイトルくらいは知っているものがほとんどである。

 それはそうであろう。「これからある雑誌を取り上げて分析します」といっても、それが聞いたこともないマニアックなものだったら、「それ、なんですのん?」とシラケてしまう。

 なので、ラインアップは必然的に売れているか、すでに名のある老舗かそういった有名なものが多いはずなのだが、これがものの見事にひとつも開いたことがないのだ。

 百聞は一見にしかずということで、ここで目次を拾ってみると、

 ★世の中を読む

 『週刊ポスト』『プレジデント』『日経トレンディ』『文藝春秋』『週刊新潮』『週刊東洋経済』『ダカーポ』


 ★余暇を楽しむ

 『ナンバー』『週刊ゴルフダイジェスト』『サライ』『日経おとなのOFF』『ダンチュウ』『ニュートン』


 ★センスを磨く

 『メンズクラブ』『エスクァイア』『ブリオ』『ナビ』『ブルータス』『レオン』


 ★趣味に生きる

 『ヤングオート』『月刊へら』『ターザン』『バサー』『鉄道ジャーナル』『丸』『山と渓谷』


 ★若さをことほぐ

 『ホットドッグ・プレス』『東京ウォーカー』『週刊プレイボーイ』『週刊スパ』『メンズノンノ』


 あらためて数えてみて、やはり愕然とすることとなった。

 読んでない、ちっともお世話になったことないものばかりである。こんだけぎょうさんあるのに。ひとつもだ。

 もちろん、その多くは名前くらいは聞いたことあるし、『週刊新潮』は銀行の『ホットドッグ・プレス』は散髪屋の待ち時間にパラパラやることもなくはない。

 『ナンバー』は友人が定期購読していたので、家に遊びに行ったとき、ちょっと読んだことはある。『東京ウォーカー』(こっちでは『関西ウォーカー』)も、コンビニで立ち読みもした記憶もある。

 だがまあ、その程度である。まともに熟読したことはないので、雰囲気くらいしか知らない。

 どんな記事が載っていたかとか、名物コラムの執筆陣もなじみがない。まして買ったことなど一度もない。

 それどころか、『ダンチュウ』『エスクァイア』『ブリオ』『ナビ』といった「センスを磨く」系の雑誌など、名前すら知らなかった。道理で私はセンスが悪いわけだ。

 つまりは、私の雑誌ライフはことごとくが王道をはずしているということだろう。

 百歩譲って釣りや鉄道といった趣味系雑誌は、そのジャンルに興味がない人は買わないから仕方がないとはいえ、ナンパや政治経済、エロ系ゴシップといった「男の王道」的誌面をまったくスルーしているのは問題である。

 最近読んだ雑誌といえば、ドイツ文学紹介誌『DeLi』だもんなあ。知らねえよ、そんなの。

 というわけで、もし斎藤さんが『男性誌探訪2』を書く機会があったら、ぜひとも私の読んできた雑誌を取り上げてもらいたい。

 ラインアップは『将棋世界』『ファミコン通信』『テニスマガジン』『スマッシュ』『オフィシャルD&Dマガジン』『月刊基礎ドイツ語』『旅行人』『バックパック・トラベラー』『宇宙船』。

 あと、定期購読してた友人に借りてときどき読んでいたのに、『月刊ムー』『アニメック』『BEEP!メガドライブ』『映画秘宝』があります。

 どうぞ、切れ味鋭いつっこみをお願いします。



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