イスタンブールのブルーモスクは、ぜひ一度は見てほしい建造物だ。
トルコはいい国である。
古都イスタンブールにはアヤ・ソフィア、トプカプ宮殿やグランド・バザールに、歴史ある旧市街は歩いてるだけで退屈しない。
他にもカッパドキアの奇岩やパムッカレの石灰華段丘、古代都市エフェソスの遺跡などなど見所だらけ。
人は親切だし、日本人はウケがいいし、羊肉とトマトとヨーグルトがダメじゃなければ食事もいけるし、物価もそれほど高くなく、特に宿はリーズナブルで清潔。
日本ではまだまだマイナーだが、旅行好きには知る人ぞ知る大人気の国こそがトルコなのである。
そんな、旅行者の間であまり悪く言う人を聞いたことのないトルコの中で、私が大いにおススメしたいのが、ブルーモスク。
正式名称は「スルタン・アフメット・ジャーミィ」。
その名の通りスルタン・アフメット地区にあり、イスタンブールの象徴のような建物だが、このブルーモスクのなにがいいのかと問うならば、その巨大さ。
デカいというのは、それだけでエライ。
特に海外旅行というのは非日常を味わうのが醍醐味であり、
「むやみにでかい」
というのは、もう問答無用の正義なのだ。
そんなブルーモスクはその巨大さや、中の絢爛さもいいけど、もっとも私の心を打つのは、
「魔改造っぽいフォルム」
これに尽きる。
魔改造というと、昨今は美少女フィギュアなどに、エロチックでトリッキーなアイデアの加工をほどこすことを言うそうだが、私の言うそれは語源の方。
そう、名作マンガ『プラモ狂四郎』における、薩摩模型同人会が得意とする、F15がガウォークになったり、零戦と合体したりする、あっちの方である。
まず、零戦から手が生えます
F15のガウォークと合体して人型に。頭がおかしくなりそうな発想。
クレイジー四郎もあきれているが、ホンマにむちゃくちゃな改造だ。
まあ、実際のところはインチキだったんだけど、トルコを旅行した際ブルーモスクの前に立った時は、その存在感とともに、
「魔改造で、今にもプラモ魔神になりそうやなあ」
そんなアホ気なことも考えたわけだ。
ちょっと手元にいい写真がなかったので、阪急交通社からお借りしますが、なんといっても、あの6本のミナレットがいい。
あれはどう見ても「ウィーン」とかいいながら動きそうだ。
そのままガシーン、ガシーン! と足になって、『太陽の牙ダグラム』に出てきたクラブガンナーのように動いて、景山陽くんの乗るタイガー1型に破壊されるのがいい。
あれが砲塔になる、という可能性もある。
やはりウィーンと斜めに下がってきて、対空砲になるか、はたまたV2ロケットのような、超長距離ミサイルになるのか。
そもそも、あのままズルズルと前進して重戦車になってもいいし、ゆっくりと浮かび上がって、空中要塞になのもシブい。
もういっそ『トランスフォーマー』のように、人型になるとかもアリだ。アヤ・ソフィアと合体して戦ってほしい。
その際には、ぜひブルーモスクの股間の関節部分には、旧ザクやリックドムの部品を使ってほしいものだ。
などなど、ここまでまともな旅行者や遺跡ファンには意味不明のことを書いてきたが、とにかく『プラモ狂四郎』世代を惹きつけてやまない(?)のが、このブルーモスクだ。
エジプトのピラミッドも、ニューヨークの摩天楼も、サグラダ・ファミリアも、それぞれにすばらしい名所だが、やはり、
「魔改造でプラモ魔神に変形しそう」
という点では、ブルーモスクにはかなわない。
歴史に興味のある人、アジアとヨーロッパの交差点で風に吹かれたい人、そして私と同じく子供のころ『コロコロコミック』ではなく、『コミックボンボン』を読んで、クラスメートとの会話に微妙に入れなかったマイナー野郎は、ぜひトルコをおとずれてほしいもの。
というか、だれかマジで「プラモ魔神・ブルーモスク版」を作ってくれないだろうか。それで、『ガールズ&パンツァー』に出演とか。