「3級」からが、将棋はより楽しい! ボンクラ上達法 初段まで一歩手前編 その2

2021年09月05日 | 将棋・雑談

 前回(→こちら)の続き。

 将棋は「3級」になると、これまでより、また何倍もおもしろくなる。

 また「初段」ほどハードルが高くなく、私や友人コウノイケ君のような、

 

 「めんどい方法は捨てて、好きな勉強法だけやる」

 

 という、呑気なやり方でも到達できるし、さらにはその後の「ブレイクスルー」の下地にもなるため、この、

 

 「一点突破で、とりあえす3級」

 

 は、かなりオススメである。

 というと、そんな「棋譜並べだけ」とか、「詰将棋だけ」で、ホンマに上達でけるんかいなと、疑問に感じられる方もおられよう。

 しかしこれは、私たちのヘボい経験だけでなく、先崎学九段も、似たようなことを、おっしゃっているのだ。

 先チャンの場合は「囲碁」のはなしだが、『NHK囲碁講座』テキストのコラムで、自身の囲碁上達プロセスを書いておられた。

 それはもう、

 


 「このゲームは形が大事」


 

 

 というところから、手筋集や、石の形に明るくなるを読んで、それで有段者(ここで六段になるのがボンクラと天才の差だ)になったそうな。

 本人曰く、石の生き死になど、理解しないままやってたから、

 


 「筋はいいが、とんでもなく非力な六段」


 

 とのことで、まあ、謙遜もあるのだろうが、やはり棋譜だけで学んだ私も、似たようなところがあるから、言いたいことはわかる。

 要するに、将棋で言えば、

 

 接近戦が苦手」

 「詰みの部分が、あいまい

 

 みたいなもんで、かたよってはいるが、やはり、

 

 「ゴロゴロ寝ながら」

 「ひとつを極める」

 

 というメソッドで、ある程度強くなれることの証明でもあるし、実際、

 


 「アマチュアの方でも、詰将棋や詰碁をやらなくたって、三段くらいはなれる」


 

 など、われわれのようなスカタンが、よろこびにむせび泣くようなことも、書かれていた。

 詰将棋(詰碁)をやらなくていい

 なにかこう、「われわれの勝利だ!」と気炎をあげたくなる話ではないか。

 私個人としては、楽してニ、三段になれれば、それ以上のぜいたくは言わないわけで、この「先崎宣言」で大いに満足。

 それどころか、将棋を本格的に楽しむことは「観る将」でも「指す将」でも、3級でいいと思っているわけだから、ますます希望のある話ではないか。

 ただ、中には、せっかく3級や初段になれたなら、

 

 「もっと強くなりたい」

 

 という人も出てくるかもしれない。

 その心意気や良しだが、三段以上の四段五段クラスになるには、私の見たところ、正直これでは限界がある。

 四段以上になると、たとえば私のスタイルだと付け焼刃の「アヤシイ手」など通じないし、終盤のスプリント勝負は、てんで話にならない。

 なにより序盤の駒組で決定的な差をつけられ、仕掛けて数手で中押しとか、まったく将棋にならなかったりする。

 これは「詰め将」コウノイケ君も、大学で実感したそうで、

 


 「得意の、トン死ねらえる局面に行く前に、コールド負け食らうねん。てゆうか、その終盤戦も、みんな全然ボクよりレベルが高い!」


 

 自己流の哀しさである。

 『ヒカルの碁』で、葉瀬中の三谷くんの力戦が、海王中の岸本くんに、まったく通じなかったときのようなものだ。

 

 

 「自己流」の実戦的戦い方で挑む三谷くんですが……。

 

 

地力の差はいかんともしがたく、この余裕っちな態度

 

 

 これは、まさに先チャンの本にも書いてあって、六段で頭打ちになったのを、囲碁のプロ(奥様の穂坂繭三段)に相談すると、

 「詰碁

 一言だけ帰ってきたそうな。
 
 詰将棋好きで、すぐれた詰将棋作家を大リスペクトし、その本の中で、

 

 


 「詰将棋だけをひたすら解いていれば、それだけで県代表クラスになれる」


 

 

 とまで豪語する先チャン(ちなみに羽生善治九段も、これと同じことを昔言っている)だが、なぜか詰碁はお嫌いなようで、

 

 


 「詰碁は苦手でねえ。他にないかな?」

 「詰碁」

 「いや、それは頭が痛くなるし」

 「詰碁」

 「それだけは勘弁してください、お代官様」

 「だから、詰碁だってば!」


 

 

 まさに、取りつく島がないとは、このことである。

 たしかに自己流だと「三段限界説」というのは、自分自身を照らし合わせても、説得力があるところではある。

 私は定跡がおぼえられないし、詰将棋を「鑑賞」するのは好きだが解くのはめんどくさい

 コウノイケ君は詰将棋が得意とはいえ、「詰み」だけに特化しすぎて、終盤戦での「腕力勝負」や心理的な「駆け引き」のようなものに疎い。

 なので戦い方に「厚み」がなく、三段どまりなのだ。

 まあ、そこはまた、そこまで行ってから悩めばいいわけで、私的にはまず「3級」を目指すべし。

 「一点突破」で3級

 プラス「実戦」で初段

 その後もコツコツやってれば、「ブレイクスルー」が起こって(2、3ヶ月から半年くらい)、もしかしたら二段、三段も視野に入るかもしれないが、自分の感覚では将棋って、

 

 「2、3級で、初段を目指しているときが、一番楽しい」

 

 とも思うので、その意味でも、

 「まず3級

 になれる「一点突破」勉強法はオススメなのです。

 

 (実戦の逆転術編に続く→こちら

 

 


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