テニスのダブルスにおける「じゃない方」選手について その2

2017年08月25日 | テニス

 前回(→こちら)の続き。

 お笑いの世界だけではなく、テニスにも「じゃないほう」は存在する。

 それはダブルスの話で、

 

 マルチナ・ヒンギス&アンナ・クルニコワ

 ロジャー・フェデラー&スタン・ワウリンカ

 

 のような双方ともスター選手ならいいけど、ときに「格差」のあるチームというのは存在するもの。

 一番有名なのは、ジョンマッケンローと、ピーターフレミングのコンビであろう。

 ウィンブルドンUSオープンをはじめ、幾多のビッグタイトルをものにし、デビスカップでも活躍したアメリカの誇るスーパーチーム。

 だが、いかんせんフレミングのほうが地味である。

 いや、実はピーターの方もなかなかのもので、シングルスではトップ10入りも果たしている。

 とはいえ、相手が天下マッケンローときては、これはもう分が悪すぎるではないか。

 ジョンの知名度は、テニスを知らない人でも相当高いだろうが、ピーターの方は少なくとも、今のヤングたちには知られていまい。

 格差の不条理というやつである。

 同じような「パートナーがすごすぎて……」なコンビに、ステファンエドバーグアンダースヤリードというのもいる。

 アンダースもシングルスではトップ10に入っているが、世界1位グランドスラム6勝の貴公子ステファンとくらべると、どうしても差が出てしまう。

 ダブルスでは1位だし、キャリアグランドスラムも達成している、いい選手なんだけどなあ。

 オールドファンの再評価を、求めたいところだ。

 やはり「相方世界一」というところでは、ロシアアンドレイオルホフスキーエフゲニーカフェルニコフという2人。

 デビスカップでも不動のペアとして君臨したコンビだが、グランドスラム2勝オリンピック金メダル世界1位というカフィとくらべて、アンドレイは相当に知られていまい。

 ダブルスは最高6位だが(カフィは4位)、シングルスの最高が49位という「そこそこ感」が味である。

 アンドレイには悪いけど、これこそリアルな「じゃない方」。

 でも、シングルス2勝していて、なかなかにあなどれない。

 ひそかに、大阪の大会でもダブルスで優勝しているそうな。

 1994年セーラムオープンで、このときのパートナーは、やはりダブルスのうまいマルティンダム

 マルティンはシングルス最高42位ということで、こっちは釣り合いの取れたナイス(?)カップルだ。

 「相方が世界一」なうえに、もうひとつ「兄弟」という要素がからんでくるのが、アンディージェイミーマレー兄弟

 世界ナンバーワンなうえに、ウィンブルドンのチャンピオンとあっては、お兄さんからすればさぞかし、ジャギ様のごとく、



 「兄より優れた弟など存在しねぇ!!」



 となるのかと思いきや、この2人はツアーデビスカップで、兄弟コンビとして活躍。

 特にデ杯では、2015年優勝に大きく貢献した。

 まあ、このふたりはシングルスとダブルスに完全に分業しているうえに、どっちもその道で世界一になってる。

 ウィンブルドンのタイトルも持ってるから(ジェイミーはエレナヤンコビッチと組んでミックスダブルスで優勝)、それなりに充足感もあって牽制しあわないのかもしれない。

 その意味では、ミーシャアレグザンダーズベレフ兄弟はどうか。

 ここは、ちょっとミーシャに「じゃないほう」感があったけど、今年は全豪マレーを破ったり、ランキングもトップ30に入っていい感じだ。

 このまま、いいライバルに育ってほしいもの。

 ミーシャとサーシャもけっこうダブルスを組んでいて、ツアーでも優勝している。


 あと、兄弟で「じゃないほう」といえば、昔マイケルチャンが、お兄さんのカールチャンと組んだこともあった。

 といってもカールは選手じゃなくて、弟のコーチだったから厳密には「じゃない方」でもないけど。

 たしか日本のセイコースーパーテニスにエントリーしてて、雑誌に写真が載ってた記憶が。

 ビッグコンビが出現かと思いきや。1回戦で負けてたから、まあファンサービスのつもりだったのかも。

 マイケルはダブルスうまいイメージないし、カールも見た目はお腹の出たおじさんだったし。

 ちなみに、シングルスでは、マイケルが決勝でマークフィリポーシスを破って優勝していた。

 他にも、最近のデ杯なら、アルゼンチンの、フアンマルティンデルポトロと、レオナルドマイエル

 クロアチアの、マリンチリッチと、イワンドディグ

 ベルギーの、ダヴィドゴファンと、スティーブダルシス

 昔をひもといても、1999年フレンチオープンのダブルスではゴーランイバニセビッチが、ジェフタランゴと組んで決勝進出。

 とかとか、おもしろいペアがたくさんいる。

 ぜひみなさまもダブルス観戦の際は、スターだけでなく「じゃない方」と言われがちな地味実力者にも注目してほしいもの。

 私も、まだまだ見落としているチームも多いだろう。

 知ってる方がいたら、ぜひ

 「こんな個性的なコンビいるよ」

 なんて、教えていただきたいものだ。



 ☆おまけ 最強ダブルスのブライアン兄弟の試合は→こちらから。



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