「 "tits" or "bazonga" ,that is the question 」
ーーーGuillermo Chashapia
この世界にはニ派に分裂して起る争いというのがある。
トーリー党とホイッグ党、ヨーク家とランカスター家、ジロンドとジャコバン、NSDAPとドイツ共産党。
犬派と猫派、きのこ派とたけのこ派、ドラクエとFF、こしあんとつぶあん、居飛車党に振り飛車党。
といった面々が、今でも各地で血で血を洗う抗争をくり広げているのだ。
かくして今回、私もこの党派争いに奇しくも巻きこまれることになるのだが、事の発端は歯医者であった。
先日お伝えしたように、歯に違和感を感じた私は歯医者へと出向き、あれこれと治療をしてもらった。
その様は、実に勇敢な戦いぶりであったというのはこちらに書いた通り。
あんなものは「八紘一宇」「本土決戦」の精神で戦えばなんのことはないのであり、歯医者が怖いというキッズたちは見習うようにしてほしい(大本営発表)。
でだ、そんな歯医者戦記の中で、ふと思い出したのが、もう今から20年近く前に行ったモウル歯科(仮名)。
当時、モロッコを旅行中、歯痛に襲われた私は帰国後さっそく歯医者に飛び込んだ。
親知らずが虫歯になっただけでなく、ボロボロになって中央部からパッキーンと割れる大惨事であり、このときばかりは手の施しようもなく抜歯することに。
その際、ついでに歯のクリーニングもしていただいたのだが、その歯科衛生士さんが問題であった。
いや、仕事自体は悪いところはないのだが、気になったのが、衛生士さんの体形。
彼女は非常にふくよかというか、グラマラスであった。
具体的にはグラビアで活躍されている篠崎愛さんのようであり、その包容力のある感じがインパクト大だ。
というと、もうカンの良い方はおわかりであろう。
そう、「当たる」のだ。
なにが、「おっぱい」がである。
彼女がぐっと身を乗り出したり、奥の歯をこそげるために体をひねったりしたとき、ムギュっとくるのだ。
マンガ家の桜玉吉先生言うところの「ぽよん歯科」というやつである。
これには深い感動をおぼえた。
もちろん、男子として単純に「ぽよん」が心地いいというのもあるが、それ以上に、
「ホンマにあるもんやな」
という発見のおどろきというか。
世には様々な「聞いたことはある」という噂があって、
「イギリスのメシは毛が抜けるくらいマズイ」
「東大生は学校を訊かれると《一応、東大です》と言う」
などなどは私も実際体験して「ホンマなんやなー」と思ったものだが、これもそのひとつである。
まさに「地動説の証明」「進化論の出現」「トロイア遺跡出土」に匹敵する発見であり、私はこの
「おっぱい【ぽよん】歯科は都市伝説ではなかった」
という事実に感無量であった。ラピュタは本当にあったのだ。
このことはぜひ後世に書き残さねばらないと、今回こうして筆を執っているところだが、ここで少々横やりが入ることとなった。
それを聞きつけた友人ヒゴバシ君による、ある別の仮説が忽然と現れたからだ。
(続く)