モドリッチのはじめてのスペイン紙へのインタビュー、らしいです。
MARCAから。
Q:1年前は、クロアチア代表としてEUROを戦い、まだトッテナムの選手でした。どれくらい大きな変化だったでしょうか?
A:世界レベルのビッグクラブにやってくれば、すべてが変わるもの。それは、より良いもの、とてもポジティブな変化だった。レアル・マドリーに来るという決断をしたことに、とても満足しているよ。
Q:マドリーでの初年度のバランスはどうでしたか?
A:全体に、僕たちは幸せとは言えない。レアル・マドリーのようなクラブでは、タイトルを勝ち取れないということは許されないものだから。それが最悪の部分。でもその一方で、僕たちの一番のライバルであるバルセロナに勝ってスーペルコパを手にしたことも忘れていないよ。これは、シーズンが終わって口の中に残る苦みを、ほんの少し軽くしてくれる。
Q:それでは、個人としては?
A:皆、僕がプレシーズンをできなかったことをわかっていて、シーズン当初は僕に期待するものを言わなかった。それから僕は動き始めた。僕には、彼らが知っているものを見せるための、時間と場所が必要だった。でもこれは、ほんの始まりだ。今は休んで、回復して、チームとプレシーズンで良いトレーニングをして、望まれるようなシーズンのスタートを切りたいね。
Q:悪い時期は何があったのでしょうか?
A:必然的に。僕には簡単なことではなかった。僕が加入した時、多くのこと、最大限を尽くすことが期待されていた。でもプレシーズンの準備をできなかったことが問題だった。チームを代わる時に選手にとって重要なものがあるとすれば、チームに馴染めるかということ、チームメイトを知るということだ。でも僕には、監督、仲間たち、皆からのサポートがあった。彼らが、前に進む手助けをしてくれた。
同時に、クラブからのサポートも感じていた。僕に我慢してくれて、ペースをつかみ、僕が新しい生活に馴染めるのを待ってくれた。イングランドからスペインに移るというのは、フットボールの面でも個人的な面でも、多くの違いがあるものだからね。とても親切にしてもらった。お互いに愛情関係があった。
Q:あなたの、オールド・トラフォードでの30分間は忘れられません。あなたのキャリアでもベストパフォーマンスではないでしょうか?
A:(スペイン語での質問を理解して笑って)あそこで僕に期待されたものを見せられたね。重要な第一歩のようなもので、30分間は信じられないくらいすごかった。あれはターニングポイントだった。オールド・トラフォードで爆発する、最高の時に最高の場所でできたんだ。あの日は真の僕を見せられた。でもこれはほんの手始め。これから、ああいうパフォーマンスをもっとしていくよ。マドリーに多くのものを与えたいと思っているんだ。
Q:あなたのベストの試合は、メディオセントロのポジションでやる時すね。「10番(トップ下)」のポジションよりも楽に感じますか?
A:トッテナムでの4年間、それから代表でもメディオセントロでプレイして、そのポジションだと家にいるように感じる。最大の力を出せるんだ。そのポジションで多くの試合に出られたらと思うし、チームをコントロールできる。そこだとビジョンが持てて、オーガナイズできるんだ。そここそが、僕の適正ポジションだと思っている。
Q:あなたが試合を操っている時、(パスを出す?)チームメイトを探している時、楽しんでいるような印象を受けます。どうでしょうか?
A:そうだね、オーケストラの指揮者のようだとでも言おうかな。チームの試合運び、試合を優勢にする、自分の周囲のことすべてをコントロールする。それが僕には最高に感じるよ。
Q:そういう意味では、あなたはシャビ・アロンソの穴をちょうど埋めることになったわけです。一緒にプレイすると重複しますか?
A:そうは思わないな。僕たちはもう何試合か一緒にプレイして、完璧に理解している。僕たちはいい仕事をしたよ。不便はなかったし、シャビや僕のような選手が2人ピッチのセンターにいるというのはいいことなんだ。守備的にも僕たちでうまくやれるし、僕たちのどちらも、だいたいいつもそのポジションでやってきているからね。
Q:最も印象が強かったチームメイトは?
A:(考えて)1人に絞るのは難しいけれど、外からやってきて驚かされたのは、クリスチアーノ・ロナウドだ。日々のトレーニングにかける情熱は、試合に臨むのと同じようで、驚くべきものだ。最高のプロフェッショナルだ。そして、エジル、シャビ、ベンゼマといった選手たちのクオリティを見るのも……でも、1人に絞りたくはないな。すごいチームだよ。
Q:クリスチアーノは契約を延長する?
A:(笑って)イエス、イエス。もちろんだよ。
Q:あなたはモウリーニョによってマドリーに加入しました。これはあなたの状態に影響しますか?
A:ノー。モウリーニョが僕を連れてきたというのは本当だ、それは秘密でもなんでもない。でもすべては僕次第。これから僕たちには新しい監督が来て、僕が自分のクオリティを示せるなら、何の問題もないだろう。これが僕の仕事、僕はただ良い仕事をするだけだ。そしてモウについては、ただ良い言葉しかない。彼はファンタスティックな監督だ。彼と一緒に仕事ができて光栄だった。
Q:マラガ戦で交代になったとき、モウリーニョが何か耳にささやいていましたね。何だったか教えてもらえますか?
A:耳にささやくのは何でも秘密だよ。ポジティブな内容だったと言っておこうかな(笑)。
Q:何があなたをより向上させたのでしょうか?
A:アグレッシブさを学んだこと、試合の中でよりアグレッシブに行くこと。最初からずっと。毎日戦うことだ。僕のような小さい選手はね。いつでも、できること最大限以上のことをして、どの選手も上回れるように。もし100%の力を出すことを求められたら、110%出すんだ。そしてもし最大限のことができないなら、そのポジションを失うことになるだろう。
Q:推測するのですが、モウリーニョと何人かの選手の関係について報道がされているのをご覧になっていると思います。チームに影響はあるでしょうか?
A:僕は、メディア言われていることをそんなに気にしなかったんだ。僕のスペイン語は上達しないといけないわけだからね。でも僕がチームに入った時、誤解などはなかったと思っている。誰もが勝利のために最大限の力で貢献していた。僕たちは、同じ目標を持つ一団なんだ。だから僕たちは気にしなかった。勝つか負けるか、でもそれはすべてピッチの中で起こること。もしロッカールームの中で問題があるなら、注目されるほどのものではなかった。僕たちは、同じように全員が呼吸したいと思っていた。
Q:モドリッチは来シーズンもマドリーにいるでしょうか?
A:間違いなく僕はそう思ってる。世界最高のクラブで続けていきたいんだ。僕にとってここにいるのは特別な喜び。この先もっと多くのものを示していきたいし、来シーズンも続けていくこと以上のことは考えていない。
Q:何を示す必要があるのでしょうか?
A:僕の試合というものを、まだ少ししか見せていない。個人としてももっと良いパフォーマンスができるし、チームにももっと貢献できる。この先はそうできればと願っている。僕をここへ連れてきてくれた人たちが、クラブの他の人たちやファン同様、僕を誇らしく思えるように。良いプレシーズンを送って、新しいシーズンに向けて準備をしていきたい。それが僕にとっては重要なことだ。
Q:ファンは、チャンスの場面以外でも応援してくれます。愛されていると感じますか?
A:ファンについては、何の不満もない。ただ感謝の言葉だけだ。悪い時期を過ごしていたときも、いつも彼らが背後にいてくれると感じていた。チームに加入した最初の日から、マドリディスモには本当に特別な感銘を受けている。まだほとんど貢献できていないとしても、彼らの愛情の一部に恩返ししたいと願っているんだ。彼らが僕に向けてくれる愛情と気遣いは、本当に特別重要なものだ。
Q:このインタビューの間中、あなたの真のレベルをまだほとんど見せられていないのだと強調してきましたね。でも、あなたはシーズン終盤のベストプレイヤーでもある。ご自身にそんなに批判的にならなくても良いのでは?
A:これは自己批判の問題ではなくて、常により多くを求めているということなんだ。個人としてもフットボールの選手としても、成長したい、より大きなものを求めたいという思いは止められない。毎日、朝目覚めると、新しい目標を探さなければいけない。「OK、僕はもうマドリーにいるんだ」と考えられるかい? それで? 階段を上り続けなければいけないんだ。あらゆることで、僕は、より向上していきたいという情熱と欲求を持ってやっている。でもこれは、不幸だという意味ではないよ。シーズンの後半、僕は幸せにやっていた。でも僕はもっともっともっと欲しいんだ。
Q:ここクロアチアでは(インタビューはクロアチアまで行ってやったわけですね)、サポーターはとても情熱的です。でも、ドルトムント戦の日のようなベルナベウを診たことがあるでしょうか?
A:たくさんのピッチでの経験をしてきたけれど、あのレベルのものはないよ。今も、携帯電話で撮った、スタジアムに到着した時の動画を残してある。だいたい100mを進むのに20分かかった。忘れられないよ。でもあの時のことを思い出すと、僕たちがファイナルに到達できなかった深い思いを感じてしまう。あの素晴らしい日には、最高の思いが欠けている。ほんの小さな幸運が。
Q:フロレンティーノが会長に再選されましたが…。
A:僕たちには良い関係がある。良い言葉しかないよ。彼にとっては4期目で、それがすべてを語っている。彼は、フットボールの世界のあらゆることに敬意を持った紳士だ。
Q:シャビは鼠径部を手術したばかりで、シーズンスタートには間に合わないでしょう。あなたが舵を取ることになります。
A:昨シーズンずっと続いたこの問題は僕たちにとっても残念なことだし、彼には大きな重荷になっていた。でも他の選手達が準備ができている。僕だけではない。彼の不在を感じさせないようにしていかないといけない。できるだけ早く回復して復帰してくれるよう願っているよ。
Q:マドリーはメディオセントロを探しています。ギュンドアン、ベラッティ、コンドグビア、ビダル……競争とは良いものでしょうか?
A:確かに、良いものであるはずだ。もしクラブがメディオセントロと契約すると決めるなら、パーフェクトだ。そうすることで僕たちは、もっとやろうと、もっと多くのものを示していこうとするだろう。
Q:あらゆる要素が、アンチェロッティが新監督になると示唆しています。そしてわちょうど1年前に、彼はあなたを世界最高だと言っていました。彼に指揮して欲しいですか?
A:あらゆるものを勝ち取った監督が、そんな風に賞賛してくれるなんてファンタスティックなことだ。彼が来るとしたら、一緒に仕事ができたらうれしいことだろう。どの監督も最高の結果を得ようと試みて、誰もが何らかのことを教えてくれようとする。それがアンチェロッティであってもそうでなくてもだけれど、でも彼と一緒に仕事ができるなら、それは特別に嬉しいことだ。
Q:もう1人、重要な人物がいるとすればジダンでしょう。ジダンが監督をするということには魅かれますか?
A:フットボール選手としてだけではなく、人間としてもこんなにも素晴らしい人たちに囲まれているのは、素晴らしいことだね。彼からは、多くのことを学ぶことができる。彼は最も偉大な人物の1人だ。彼の傍で仕事ができるとしたら光栄なことだ。
Q:「デシマ」がどれだけ重要か理解されたでしょうか?
A:マドリーにやって来てすぐに、チャンピオンズ・リーグを勝ち取るということがどれだけ大切なことか理解した。僕たちは、そのタイトルの重みを承知している。僕たちはデシマのために生きている。それが、僕たちをクラブの歴史の一部にするだろう。もし来シーズンのタイトルをどれか1つ選べるなら、僕はデシマがいい。
Q:マドリーはベイルと契約しようとしています。あなたは、チームの中で唯一彼を知っていますね。9000万ユーロを彼のために支払いますか?
A:僕にとっては難しいテーマだ。僕はトッテナムの選手だったからね。僕が言えるのは、僕たちは友人であり、彼は格別な選手だということ。僕が保証するよ。そしてクラブが、それがレアル・マドリーでもトッテナムでも他のチームでも、もし彼のような選手がいれば、ただ勝つだけだ。彼が契約するかしないかということに踏み込むのは、それはクラブ同士の問題。もしレアル・マドリードにというなら、僕たちにとっては最高なことだ。
Q:ベイルは、あなたがしたように、移籍を強行しないだろうと言われています。トッテナムを離れるのは、どれくらい大変なのでしょうか?
A:僕はそうしたけれど、でもそれは個人の問題だ。これは、僕にとってまだ敏感なテーマだ。このことについては話したくない。
Q:ベイルはどうしたら獲得できるでしょうか?
A:マドリーは銀河系のチームで、ベイルは完璧にフィットして、僕たちにうまく当てはまるだろう。チームにさらなる特徴をもたらすはずだ。彼のシュート、強さ、スピード、攻撃のパワー……僕たちをさらに一歩進ませることができるタイプの選手だよ。
(了)