ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

肝心な時に、必要なものは・・・ない。

2010-02-25 23:50:54 | Weblog
そんなわけで、宿の主人&奥さんが、スタジオの前まで車で送ってくれた。自力、自力。
これで全日程でスタジオ一番乗り達成。自力、自力、自力。

スタジオに入る前に、昨夜置きっぱなしにしたマイカーをチェック。だいぶ溶けたとはいえ、フロントガラスには分厚い雪が残ってる。

「まぁいいや」と、そのまま放置してスタジオ入り。・・・この「まぁいいか」が、後で悲劇を引き起こすということを、その時の僕は知る由もなかった。




最後のレコーディングを無事に終え、数人が先に帰るって時に、車を移動しに駐車場へ。

知ってる?雪って凍るんだよ。雪の姿のまんまでね。こう見た目は完全に雪なのに・・・実はカチカチの氷ってやつ。
さぁ、フロントガラスの雪を払うぞ!って、手をさっとね、ガチーン、痛っ!ってやつ。想像以上とはこのことだ。だって10センチくらいの氷がフロントガラス全面にはり付いてるってことだよ。

そこで、例の道具の登場なのだ。先のブログに登場したやつね。あれは、福島の人には常識、フロントガラスの雪落とし。ブラシとか、スクレイパーとかが付いた棒。

「かくちゃん!あの棒!貸して!出番だっ」と僕は叫ぶ。

かくちゃんがつぶやく。
「あの棒、今日、置いてきちゃいました」



・・・えっ?

・・・なんて?

・・・あれ?僕の耳おかしくなっちゃったのかな?・・・今、なんて?


そんなわけで、例の棒は登場しないってわけ。福島の人がいつも持っている棒ではない。のかもしれないな。

それでもかくちゃんは、何かを使って、ガリガリと氷をはがしていく。僕も、手持ちのちっちゃいスクレイパーを使って、メリメリと氷をはがしていく。雪氷がガチガチと手に当たって・・・血が出るよ。これ。


フロントガラスに乗った雪は、柔らかいうちに払っておくこと。
これ、福島で学んだ最重要なことなのかもしれないな。
あぁ、あの棒、使ってみたかったなぁ。



今日の話は、これでおーしまい。お疲れさまでした。

毎週木曜日は生稲が行く!

2010-02-25 23:00:28 | Weblog
ちぃちぃ、木曜日は散歩しないんだよ。さぼってんのか?散歩。

・・・うーん・・・悩むな。

「しん散歩」と「しんぐが行く!」。どっちかな・・・うーん・・・悩むな。



雪のお散歩も、もう終わり。宿に帰らねば。宿の主人と交わした約束の時間が近づいてる。
このぶんだと・・・今夜帰れそうだな。そんなことを想いながら、長い階段を下りるしんぐなのであった。


うーん・・・悩むな。「しんしんが行く!」ってのは?

ライオンの肖像画~雪国にて

2010-02-25 22:20:10 | Weblog
神社がてっぺんだから、神社を過ぎると下りになる。どこへ行くかは知らない。知らないところへ行ったら怒られるから、あまり行ってはいけない。誰に怒られるって・・・山の神様にだよぉ。小さい雪山で遭難・・・あぁぁ函館山を思い出すぜ。

当たり前のことではあるが、一人旅が多いと自分が写っている写真はない。鏡やガラスに写した自分の写真しか無い。北海道の写真で自分が写っている二枚は、もうすでに二枚のアルバムに使ってしまった。・・・もう無い。

何をしにここへ来たのか?なんのために人気のないであろう「大」展望台に来たのか?

それは、ジャケット撮影のためだったのだよ。


イメージはある。

まずは、誰の足跡も無い雪原が必要だ。そこに自分の足跡だけを付けて歩いて行き、十字架の形に寝転ぶ。フードは被っていてもよい。が、念のため、被ったバージョンと、被らないバージョンの二種類押さえておこう。カラダが半分くらい埋まるくらいの積雪が望ましい。小雪がちらついていて、薄日が降る雪に反射なんかしたら最高だけど、「薄日待ちでーす」とかやってて陽が暮れる可能性もあるから、それは偶然にまかせよう。その十字架形に寝転んだ自分を、大体・・・歩道橋くらいの高さから、撮るってわけだ。目を閉じていようか開けていようか迷うところだが、どうせサングラスをかけていてわからないだろうから、どっちでもいい。・・・雪の中で眠るライオン。



イメージはある・・・が、無理だ。

何せ一人だ。セルフタイマーをセットして、十秒で歩道橋くらいの高さから駆け下りて、雪に寝る。仮に間に合ったとしよう。チェックするために、また歩道橋くらいの高さまで戻って・・・。「もうちょい、左だな」なんて言って、もう一枚。「あっ、右手が下がっちゃってるよ」なんて言って、もう一枚。「もう二、三枚押さえておくか」なんて言って、もう二、三枚。あぁあ・・・もう雪原がグチャグチャになってるよ。



あぁ、儚きマイイメージ。


まぁ、雪の中で撮影するのはいいんだよ。仮にいい写真が撮れたとして・・・リリースが春とか夏ってのはどうなのよ?

・・・あぁあ、お蔵入りだね。

白き街の景色

2010-02-25 21:30:44 | Weblog
山のてっぺん。景色がいい。福島市全景が見渡せる。あぁ、なるほど盆地だ。盆地・・・夏は暑くて、冬は寒い。

高い場所から街を見下ろすと、街の色が見える。
ヨーロッパには赤い街が多い。ベネチアの赤は本当に綺麗だった・・・スペインは特に赤い。ギリシャは白い街だった。アテネもミコノスもサントリーニも、真っ白だった。オーストラリアは赤茶色だった。・・・赤茶色だったのは街の色ではない。大地の色だ。旧東ベルリンの街は灰色だった。アスファルトと灰色の雲、天気のせいもあるのかもしれないが、街の空気がグレーだったような気がする。東京も、グレーに見えるだろうな・・・。コンクリートが多いもんな。
今言った色は、実際に塔とかタワーとかエアーズロックから見た実際の色の話ね。街のイメージの色じゃないよ。東京もグレー辺りは・・・ちょっと叙情っぽく聞こえてしまうけど。
あぁ、沖縄の竹富島も赤かったよ・・・40件くらいしか家がなかたっけどね。

そして、福島は白い。普段は何色かは知らないが、僕が見た福島は「真っ白な街」だ。

愛宕神社

2010-02-25 20:33:46 | Weblog
愛宕山の愛宕神社。階段を上りきったところ、山のてっぺんにある。雪を被った小さくて可愛い神社。お参りする。

愛宕って良く聞く。旧日本軍の戦艦にも「愛宕」ってのがあった。上尾にも「愛宕」って地名がある。愛宕ってなんだ?あぁ、京都にも愛宕神社があったような・・・気がするな。総本山は京都だな、きっと。
愛宕神社があるから愛宕山か、愛宕山にあるから愛宕神社か・・・。まぁどっちでもいいんだけど。

今日唯一の参拝客。

・・・いい事ありますように。愛宕様愛宕様。

今日初めてのお客さん

2010-02-25 19:20:47 | Weblog
坂道を上ると、急な長い階段が現れた。
坂道にも階段にも足跡はない。
今日はまだ、大展望台に来た人はいない。
多分だけど、多分だけど・・・この後もいないと思う。

階段をトコトコと上る。結構急で、結構長い。
誰も踏みしめていない雪を、ずぶりずぶりと踏みしめながら上る。

「散歩っていいですよぉ、さぁ、散歩に出かけましょう!」

ちぃちぃの声が聞こえてくるようだ。

大展望台?

2010-02-25 15:18:01 | Weblog
温泉街を少し奥へ上って、橋を渡る。ここまでは、いつもスタジオへ行く時の通り道。ここに、とても気になる看板が立っている。ここが、どうしても行きたかった場所。

愛宕山「大展望台」。

絶対に大したことないってのは、一目見て分かるんだけどね。どのくらい大したことないのかを見てみたくなる看板じゃないか。これを確かめずに帰るわけにはいかないってことよ。

だって・・・ただの展望台じゃないよ。大展望台だよ。

ワクワク、ワクワク。

朝の飯坂、散歩道。

2010-02-25 14:58:49 | Weblog
自力で、スタジオ行きを決めたので、気分もスッキリ。どうだ!まいったか!ってな感じで。いそいそと準備。宿の主人に送ってもらう前に、どうしても行きたい場所がある。

荷物を全部玄関先に置いて、雪景色の飯坂の街に出た。

雪はだいぶ溶けている。金属チェーンを巻いたゴミ収集車が走り抜けていく。
そうそう、そんな感じで、街中の雪を蹴散らしておいてくれ。オレは今日帰らねばならないのだ。

飯坂温泉冬景色の中をトコトコと歩く。雪を跳ねる車に注意しながら、トコトコと歩く。

朝の散歩は気持ちがいい。街の空気を感じるには、歩くのが一番だ。

集合は12時。

2010-02-25 11:54:37 | Weblog
目が覚めて窓を開けると、一面の銀世界。・・・銀世界は昨日から。雪は止んでいた。・・・良かった。・・・でもかなり積もってる。
レコーディング最終日ってことで、順調に進んでるってことで、集合は12時ってことになった。

今日は最終日。今夜、福島を立つ。つまりこの宿ともお別れだ。朝もお風呂に入るから、9時に起きた。さて、誰からも連絡が入らない。メールも電話もない。さて、どうやってスタジオまで行こうか・・・。

10時にチェックアウトしなきゃなんだけど、「今日も客なんて来ないんだから、別に関係ないだろう?」と、失礼なことを思いながらのんびり準備していると・・・緑色の電話が鳴った。緑色のプッシュホンが、初めて鳴った。・・・鳴るんだ・・・この電話。

「お部屋はいつまで使っても構わないんですが、清算だけ済ましてください」とのこと。

やっぱりね、お客来ないからね、部屋は使っていいんだね。ははは。

そして、誰からも連絡は来ない。メールも電話も無い。さて、どうやって、スタジオへ行こう。。。

こうなったら、自力で行くしかないな。オレは、最重要来客だろ?オレがいなきゃ何も始まらないだろ?いいのか?行かなくても?いいのか?いけなくても?・・・あたまきた・・・こうなったら、意地でも自力で行ってやるぜ。


電車に乗るってのも一つの手だ。飯坂線の「飯坂温泉駅」までは、徒歩2分。飯坂線には乗ってみたい。だがしかし、いかんせん、飯坂線ではスタジオのそばには行けない。飯坂線ではも何も、スタジオのそばに公共交通機関は無い。さてさて、知恵を絞れ。さぁ考えろ。自力で行くんだ。


・・・チン。


宿の主人にね、頼んでみたよ。町中まで送ってくれないか?とね。あはは。快諾。やったね。

・・・他力?・・・ううん、自力自力。


優しいかくちゃん

2010-02-25 09:47:39 | Weblog
あぁ、どうしようかな。あぁ、どうしようかな。あぁ、どうしようかな。と5秒毎につぶやいていると、差し入れを持って遊びに来ていたかくちゃんが、言ってくれたよ。

「オレ、送っていきますよ」だって。かくちゃん優しい。


色んなところから人が集まって来て、総勢6人でゴハンを食べに行った。ゴハンを食べながら、僕にはもう一つ心配事がある。明日はどうやってスタジオに来よう。。。

ここにいる人たち、誰一人として、「迎えにいきますよ」とは言わないけれど・・・。まぁいいか。


写真は、かくちゃんの車から、雪の降り積もる福島市街。かくちゃん曰く、結構凍ってますよ。だって。

雪国の必需品

2010-02-25 05:33:37 | Weblog
写真の用具、これなーんだ?福島の人はみんな持ってるよ。簡単だね。

福島DAYSのこぼれ話。


福島四日目に大雪が降った。昼過ぎから降り始めて、翌朝まで降り続いた。
窓の外、降り続け、積もり続ける雪を眺めながら、レコーディングは続く。心配事が二つある。一つは明日帰れるのかということ。もう一つは、今晩宿に帰れるのかということ。
僕の宿は、山を上った温泉街にある。遠くはないが、坂を下り上る。福島は雪国。福島を走る車は、全車スノータイヤを履いている。それならば心配無いと思いきや、スノータイヤって言うのは、スタッドレスタイヤのことであって、スタッドレスタイヤってのは、実は万能ではない。アイスバーンではつるつると滑る。だから、みんな、山の上の温泉街なんて行きたがらない。

「おい、お前、送れよ」
僕は友人に言う。

「無理だな。オレのタイヤはツルツルだ。山なんか上れん。まぁ、最悪、スタジオ泊だな。暖房入れておけば、大丈夫だろ」
憎らしい友人はこう答える。


それが温泉だろうと、温泉じゃなかろうと、僕は宿に帰ってお風呂に入って布団で寝たいのだ。