ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

礼を忘れるは恥である。その二。

2011-04-15 04:49:32 | Weblog
「礼を忘れるは恥である」

大震災。未曾有の災害に陥ったこの国に、たくさんの国が助けの手を差し延べてくれている。僕らはそのどれくらいを知っているのだろうか?救助隊、医療チーム、救助犬、救援物資、国家からの義捐金、民間からの義捐金。色んな国が色んな援助をしてくれていることは知っているけど、その内容をちゃんと知っているのか?これは大事なことなんじゃないかと思うんだけど・・・どう思う?どの国も、どの国の人も、日本人のために手を差し延べてくれているのに、当の日本人がそれを知らないとしたら、どうだろう?どう思うだろう?
知っておいた方がいいだろうと思い、調べてみたけれど・・・なかなか見つからない。なんでもすぐに調べられる便利なネット社会。それが、今回はなかなか目的の情報にたどり着けない。震災直後の情報はいくらか出てくるが、今の時点での総合的な情報はなかなか出て来なかった。

断片的でもいいから、ニュースはこういった情報をもっと流すべきだと思う。NHKでさえ、それほど伝えていないのはどういうことなんだろう。世界が味方でいてくれるというニュースこそ、日本人が、被災した人々が心強く思うことなのではないのかと思うのだが・・・。ディズニーランドが再開するニュースよりも、「昨日はベラルーシから4200万円、今日はアルバニア共和国から800万円の義捐金が届きました。たくさんの国が日本を応援してくれています。」というニュースを流した方がよっぽど心が暖まるような気がするのだが・・・。「一つになろう日本」とか「立ち上がれ日本」とか、全然一つじゃない度満載のCMを流しまくるよりも、「ありがとうアルバニア共和国!僕らは感謝を忘れない。」と人気芸能人に言わせた方が、よっぽど心に響くんじゃないだろうか。

例えば、最近は海外の不穏な対応についてのニュースは良く流れる。色々な国が日本産の野菜を輸入禁止にしたニュース。諸外国が日本が垂れ流す放射能に過敏になっているニュース。韓国が竹島の占拠状態を拡大しよとしているニュース。ロシアが国後島にミサイルを配備しようとしているというニュース。
国民の心を・・・誘導しているようにしかみえない偏った報道体制・・・どうかしちゃってる。それはそれ、これはこれ。礼を忘れてはいけないだろう。

台湾では総統自らテレビで寄付を訴え、募金の電話を受けてみせる。集まった義捐金は128億円。台湾の物価レベルは、日本やアメリカより低い。そう考えるとその額は相当な価値になる。アフガニスタンでは国民の三分の二が一日2ドルの生活を送っている。そんな国から8000万円の義捐金が届く。タイではスラム街でも募金活動をしてくれている。色々な国が日本のために、尽力してくれている。僕らはそのどれくらいを知っている?どれくらいを知る事が出来る?

例えば、日本を助けてくれた国の人の国へ行く事があったら、「ありがとう」を伝えなければならないだろ?例えば、日本でその国の人たちに会ったら、「ありがとう」と伝えなければならないだろ?それが「礼」というものじゃないか。

もしかしたら、報道がそのニュースを流さないのは、国家的な思惑があるからなのかもしれない。
もしかしたら、報道がそのニュースを流さないのは、国民はそんなニュースを望んでいないと思われているからなのかもしれない。
雑誌や新聞の見出しは、心暖まるものよりも、不安を煽るものの方が遥かに売れると言う。
なんか・・・バカにされているように感じるのは僕だけか?

外務省のプレスリリースに細かい情報が載っていた。時間のある人は見て欲しい。
まとめられた情報は、3/28現在のものしか見つけられなかった。参考までに見て欲しい。こんなにもたくさんの国と国の人が日本のことを思ってくれている。二週間以上前の情報なので、義捐金の金額、物資の種類などは随分と変化しているよ。

「礼を忘れるは恥である」。知らないうちに恥をかかされないように、僕らは気をつけなければいけないね。いけないよね。
親日国トルコも、援助の手を差し延べてくれているよ。

134の国と地域、 39の国際機関
(28日19時00分現在、外務省発表)

* 救援隊の状況
* 米国(軍人約8,000名+救助隊144名+専門家2名+8名=8,154名、救助犬12頭、義援金49億円以上、物資150トン)
* 韓国(救助隊5名+消防隊員102名=107名、救助犬2頭、義援金約6億9,000万円、ホウ酸52トン、その他援助物資)
* 台湾(救助隊63名、義援金約2億8千万円+104億円、支援物資500トン以上)
* 中国(救助隊15名、義援金7,200万円、ガソリン等燃料2万トン、3億6千万円相当の援助物資)
* インド(救援隊46名、毛布25,000枚、飲料水13,000本)
* パキスタン・イスラム共和国(食料等支援物資約23トン)
* タイ(義援金1,350万円、毛布1,000枚+20,000枚、タイ米15,000トンを含む援助物資)
* スリランカ(義援金8,200万円)
* マレーシア
* フィリピン(カップ麺など支援物資)
* ネパール(毛布5,000枚)
* オーストラリア(救助隊および専門家75名、救助犬2頭)
* ニュージーランド(救助隊7名+45名=52名)
* シンガポール(救助隊5名、救助犬5頭、毛布食料など支援物資)
* インドネシア(義援金約1億6千万円、救助隊15名)
* サモア(義援金約820万円)
* トンガ王国(義援金約900万円)
* アフガニスタン(義援金約400万円)
* ウズベキスタン共和国(義援金約400万円)
* キルギス共和国(飲料水2.5トン)
* モンゴル(援助隊12名、義援金約8,200万円、毛布等の援助物資)
* ブータン(義援金約8,200万円)
* カンボジア(義援金約1,000万円)
* ラオス(義援金約1,500万円)
* ベトナム(義援金約1,600万円)
* イラン・イスラム共和国(缶詰食料18トン)
* トルコ(救助隊32名以上)
* ロシア(救助隊50名+25名+約80名=156名、毛布17,200枚他援助物資、天然ガス供給増)
* ウクライナ(毛布約2,000枚)
* ドイツ(救助隊41名以上、救助犬3頭)
* スイス(救助隊27名、救助犬9頭)
* フランス(救助隊100名以上、ホウ酸100トンを含む支援物資)
* 英国(救助隊および医療支援チーム計63名、救助犬2頭)
* クロアチア(義援金約5,600万円)
* ポーランド
* スロベニア(義援金1,730万円)
* エストニア共和国(義援金2,300万円)
* ラトビア共和国(義援金1,630万円)
* アイルランド(義援金約1億1,500万円)
* オランダ(義援金1億1,500万円)
* スロバキア(義援金1,150万円)
* カナダ(毛布約25,000枚)
* メキシコ(救助隊12名、救助犬6頭)
* ブラジル(義援金約4,200万円)
* ベネズエラ(毛布、飲料水、食料等の支援物資)
* 南アフリカ共和国(救助隊49名、救助犬4頭)
* ガボン(義援金約8,200万円)
* タンザニア連合共和国(義援金約140万円)
* ボツワナ共和国(義援金約1,200万円)
* ナミビア共和国(義援金約8,200万円)
* スーダン(義援金約820万円)
* 朝鮮民主主義人民共和国(義援金約810万円)
* EU(毛布25,000枚など寝具70トン)

各国の詳細
http://wikiwiki.jp/h4j/

外務省のプレスリリース
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/index.html

礼を忘れるは恥である。その一。

2011-04-15 04:47:36 | Weblog
僕はトルコが好きだ。トルコはいい国だ。自然も文化も宗教観も、非常に素晴らしい。食物自給率220%を誇るトルコ人の性格は温厚だ。経済大国ではなくとも、食べ物に困ることはない・・・トルコ人の温厚さの要因はここにあるのではないか?というのは僕の持論。
ちなみに、日本の自給率は40%を切っている。ちなみに、東京の自給率は1%。大阪は2%。神奈川は3%。埼玉は田舎だけど11%。
北海道や東北を旅していると、人の大らかさに驚かされることが多い。なんかギスギスしていない、心の余裕みたいなものを感じることが多い。もちろん都会比ではあるのだけどね。都会よりも遥かに厳しい自然環境で暮らしているのに・・・なぜ大らかなのか?僕の持論は証明される。北海道の自給率は200%。秋田180%。山形130%。青森120%。岩手105%と、軒並み100%超。宮城も福島も80%を超えている。首都圏では山梨の100%。他に100%を超えているのは佐賀県のみ。
食べるものに困らない=大らか。大らかでいられること=幸せ。この持論、どうだろうか?

まぁいい。まずはトルコの話。トルコは親日国だ。そして、トルコ人は親日家だ。トルコを旅した時に、トルコの人に教えられた。「トルコ人は日本人が大好きです」。なぜだ?「昔、日本人がトルコ人を救ってくれたからです」。そう言って、エルトゥールル号の話をしてくれた。トルコ人はみんな知っている話だ。小学校で習う。日本語も習う。みんな日本が大好きなのだ。

1890年、もう百二十年も前の話だ。オスマン帝国の軍艦が和歌山県串本町沖の海上で座礁し遭難した。587名の犠牲者が出た。串本町の住民は総出で救助と介抱にあたり、69名を救出した。この時、台風により出漁できず食料の蓄えもわずかだったにもかかわらず、住民は浴衣などの衣類、卵やサツマイモ、それに非常用のニワトリすら供出するなど献身的に生存者たちの回復に努めた。
明治天皇の指示により政府の援助、新聞の報道により民間からの義捐金が集まり、日本海軍の戦艦で生存者はトルコへ送り届けられた。

もう少し続きがある。トルコで一番有名な日本人「山田寅次郎」の話。
山田寅次郎はエルトゥールル号の事件を知り、義捐金を集めて犠牲者の遺族に寄付することを思い立った。彼は新聞社に働きかけて募金運動を起こし、日本中を演説会をして回って、二年をかけて5000円(現在の価値で1億円相当)の寄付を集めた。時の外務大臣に義捐金の送付を頼んだところ、「君が集めたのだから君が持っていきなさい」と薦められ、自らトルコへと出向いたのだ。寅次郎も粋なら、外務大臣も粋である。
民間人が義捐金を持ってやって来たという知らせは瞬く間にトルコ中に知れ渡り、寅次郎は時の皇帝に拝謁する機会を与えられただけではなく、トルコに留まることを薦められる。
結局、寅ちゃんはトルコに残り、貿易商を営みつつ、士官学校で日本語や日本のことを教える教師を務めた。当時国交のなかった二国間の架け橋になったのは一民間人の寅ちゃんだったのである。
トルコに行ったことのある人は分かると思うが、トルコで一番尊敬されている人物はアタテュルクである。トルコ共和国建国の祖、初代大統領である。トルコに行けば、至る所でアタテュルクの銅像や肖像画に出会う。アメリカで言うならば、ジョージワシントンとリンカーンとケネディを合わせたような存在だ。日本で言うなら、天皇陛下と長嶋茂雄と坂本龍馬を合わせたような存在か?・・・とにかくトルコの象徴である。その寅ちゃん、士官学校で教鞭をとっている時の教え子の中に、かのアタテュルクがいたというのだから純粋に驚いてしまう。うん、そのすごさは、トルコに行けば分かる。

エルトゥールル号の事故から95年後の1985年、イランイラク戦争の時に、イランを脱出出来ずにいた絶望的な状況の日本人215人をトルコ航空が脱出させた話。このとき、駐イランの日本大使にトルコ大使が言った言葉は「わかりました。ただちに本国に求め、救援機を派遣させましょう。トルコ人ならだれもが、エルトゥールル号の遭難の際に受けた恩義を知っています。ご恩返しをさせていただきましょう」だったと言う。
百年も前の出来事への「礼」である。

トルコへ行ったことがある人は知っていると思う。が、トルコへ行ったことのない人はどうだろう?トルコ人が親日家だということを知っているだろうか?なぜ親日なのか知っているだろうか?百二十年という時間の流れの中で、トルコという国のこと、エルトゥールル号を串本町の住民が救ったということ、山田の寅ちゃんがすごすぎるということ、教えられて来ただろうか?
当の日本人が何も知らないでいるということ、僕がトルコに行くまで知らないでいたということ、これはとても悲しく、残念なことだと思うのだ。
最近、小学校の教科書にエルトゥールル号の話が載るというニュースを観た。ちょっと嬉しかった。どういう風に載るのかは分からないが、ちゃんと親日国トルコの話を載せて欲しいと思う。・・・例えば、日本人はトルコに行くともてるよ、とかね。

イスタンブールにアヤソフィアという大聖堂がある。世界文化遺産だ。そこで可愛らしい女子学生数人に声をかけられた。写真を撮ってくれと言う。「OK」と言い、カメラを預かろうとすると・・・「ちがう、あなたと写真を撮りたいの!」と全員が言ってくる。「えっ?おれと?うそ?なんで?」。ドッキリカメラじゃないかと疑いつつ、彼女たちに混じってポーズを決める。ブラマヨ小杉ばりのハニカミ笑顔「ニッ」。カメラマンが交代してもう一枚。なんか、よくわからないけど・・・モテモテである。彼女たちはとびきりの笑顔で礼を言い去っていった。そして僕は、世界遺産で放心する。そう、その時に僕はこう誓ったのだ。
「オレ、トルコに住む!」

学ばなければいけないことってたくさんあると思うけど・・・日本人がしてあげたこと。日本人がしてもらったこと。知らなきゃいけないこと。忘れてはいけないこと。僕らはちゃんと教えられて来なかったような気がする。
トルコ人の片想い。両想いになる日が早く来ますように。

「その二」へ続く。